【MBTI】『デジモンアドベンチャー02』の本宮大輔・石田ヤマト・太刀川ミミのMBTIについて考察してみる【FP型】
ここ1・2年ほどですっかりMBTIが流行しているわけですが、それに加えて『デジモンアドベンチャー』25周年ということで、YouTubeで配信されている初代アニメ版と「02」を見直しています。
そのため、最近はデジモンキャラのMBTIを考えながら見るのが楽しみなのですが、そんな中で最近は石田ヤマト・太刀川ミミ・本宮大輔の3人のMBTIについて考えてみました。
というのも、この3人は「02」で関わりが深いし、アズマケイさんの小説「おれとぼくらのあどべんちゃー」でも特にダークマスターズ編でこの組み合わせで動いていたのです。
まあ端的に言えば私が大輔推しで、その大輔と関わりが深いからというのが挙げられるのですが、まずは私が見ている中で思った3人のMBTIについて考察してみます。
石田ヤマト
分析結果:ISFP-A(自己主張型の冒険家)
太刀川ミミ
分析結果:ESFP-T(慎重型のエンターテイナー)
本宮大輔
分析結果:ENFP-A(自己主張型の運動家)
細かい分析はまた別個シリーズごとに書きますが、まず3人に共通しているのはFP型(感情(F)と知覚(P)を重視するタイプ)だということです。
それぞれにヤマトが「友情」、ミミが「純真」、そしてその2人の要素を「奇跡」という形で持ち合わせている大輔という形で分かれています。
自分の気持ちを大切にしながら動くのですが、細かい違いはヤマトがIS(内向的かつ感覚的)、ミミがES(外向的かつ感覚的)、そして大輔がEN(外向的かつ直感的)です。
これらを組み合わせることによる違いが彼らのキャラクターの描写に出ていて面白いなあと感じます。
まずヤマトに関してですが、彼はISFP(冒険家)なので本来はすごく穏やかで優しい性格ですが、なぜか太一との衝突が多いのは常に「自分が自分らしくいられる場所」を探そうとしているからです。
冒険家だから周りの目は気にしないんじゃないかと思われがちですが、実はそんなことはないことが示されています。
ヤマトは太一に足りていない「周囲の人が言葉にしないけど実はとても大事な気持ちや考え」を結構代弁していて、例えば2話の冒頭でも太一が「さっさと先進もうぜ」という中で「みんな疲れてるんだから休もうぜ」と言う場面があります。
実際、タケルとミミを中心に全体的にぐったりしているわけですが、太一が合理主義でどんどん先へ進んでしまいそうなところをヤマトが「ちょっと待てよ」とぶん殴ってでも止めているのです。
そんな風に仲間のことを思いやれる一方で、ダークマスターズ編に入ると今度は「自分が誰かに嫌われている」「認めてもらえていない」「理解されていない」となって望んでもない太一との戦いを持ちかけてチームを引っ掻き回します。
不健全またはノットセルフのISFPは過剰に周りの目を気にして身動きが取れなくなってしまうのですが、太一が露骨にリーダーとして目立ち始めるダークマスターズ編はまさにそれがノットセルフとして現れていました。
ここから察するに、ISFP(冒険家)のヤマトは常に目の前の現実が自分の目指すロマンと一致していることがとても大事で、周囲との調和を図りつつも自分が自分らしくいられるという安心感や承認欲求が必要なのでしょう。
それを最初は「タケルの兄」であることで得ようとし、冒険に来てからは「太一の親友」であることで得ようとするという形に変質し、「02」ではそれがバンドマンや空との依存とも取れかねない恋愛描写に出ていました。
つまり、ヤマトは目の前の現実という「具体」がうまくいっている時とそうでない時の落差が非常にわかりやすい形で現れるのですが、そういう人だからこそ最終的には宇宙飛行士という結論を出したとも言えます。
ヤマトにとって自分が自分らしくいられて、尚且つ誰もやってないクリエイティブな生き方となると人類史上初のパートナーデジモンを持った宇宙飛行士という挑戦的なところへ行ったのも納得です。
次にミミですが、彼女はとにかく「楽しいこと大好き!」というくらいわかりやすいエンターテイナーであり、特にそれが出ていたのがトノサマゲコモンの回で、あの回の彼女はオタサーの姫というかアイドルそのものでした。
逆にいうと、自分にとって「楽しい!」と感じられないことや自分の存在意義が見出せないこと、また複雑で難しいことを嫌う傾向にあって、それはここでも説明されている通りです。
実際、「02」だとウォレスやマイケルと仲良くなってたり、大輔とも例えばニューヨークの回やドラマCD『夏への扉』でまるで擬似的な姉と弟みたいに仲良くしていましたが、まさにこれこそがミミの持ち味ではないでしょうか。
ノットセルフなミミが出ていたのは無印のダークマスターズ編ですが、デジモン同士が命のやり取りというか殺し合いをしてしまうのはミミにとって耐え難い事態なのです。
ただ、じゃあ心底ショックを受けているのかというとそうでもなく、ミミは死んでいったデジモンたちのお墓を作るという「具体」でそれを表しますが、それでも涙は流していません。
あくまでもS(感覚型)で現実的な部分もあって、デジモンはデジモン、自分は自分という風に境界線をしっかり引いて一線を守っているのではないでしょうか。
わかりやすいのがダークマスターズ編の45話、衝突する太一とヤマトに嫌気が差して「もうイヤ!戦って戦って……それで何が得られるの!もう、そんなの嫌!!」というようなことを言います。
そう、「それで何が得られるの!」という「損得勘定」を求める言い方がミミらしく、そこがヤマトと共通していると同時に大輔とは違っているところでもあるのです。
ミミの場合、現実に対処する力はあっても先のことを想像したり仮定の話をしたりというのは苦手なので、具体的な成果物がはっきりと見えないと混乱を起こしてしまいます。
これはミミに限らずS(感覚型)のカテゴリにいる人たちの特徴かもしれないのですが、番人(SJ型)と探検家(SP型)は抽象度の高いものよりも具体性の高い成果物を好む傾向があるようです。
だからミミの将来が料理研究家、しかもECサイトまで立ち上げる形になったのもとにかく料理という具体的な事物で成果を出すことで自分も周りも巻き込んで楽しくある場所を作ろうとしているのでしょう。
自分が楽しくあることで周りも自然と楽しくなれるというのがESFP(エンターテイナー)のあり方であって、逆にいえばそうじゃない価値観の人は置き去りにしてしまう残酷さも持ち合わせています。
そして我らが本宮大輔くんですが、彼は個人的見解だとENFP(運動家)であり、また、デジモンシリーズ全体で見てもこのMBTIに属するのは「Vテイマー01」の彩羽レイと「デジタイズdecode」の鈴童アキホくらいでしょうか。
ファンからは「鋼メンタル」と称されることが多い大輔ですが、難しいのはミミと同じESFP(エンターテイナー)という解釈も多数存在することであり、実際表面だけを見ていると大輔とミミって近いっちゃ近いんですよね。
普通に仲良いし相性も良くて楽しいこと大好きなので一見似ていそうなのですが、実は明確な違いがあって、それは大輔が「相手の本質を見抜く直感力」に長けていることであり、これはミミもヤマトも持っていない特徴です。
それが特にどこで出ているかというと、やはりデジモンカイザーだった一乗寺賢を仲間にしようとする件ですが、大輔は精神的な繋がりを見出すことができれば、たとえ敵だった奴にすら手を差し伸べます。
そう、大輔の「楽しい」とミミの「楽しい」は似て非なるものであり、ミミが「今この瞬間さえ楽しければいい」という目先の快楽を求めているのに対して、大輔は「心から今ある雰囲気を楽しめていること」という「共感力」がすごくあるのです。
この「共感力」、すなわち決して表面化しない抽象度の高い感情に対して敏感に気づき、自然と寄り添って一緒に歩いていけるというのがミミとの最大の違いであり、その違いはドラマCD『夏への扉』で露呈しました。
ミミやウォレスにはなっちゃんが見えませんが、大輔とブイモンには見えてしまうのもそれが理由であり、大輔にとって多分物質的なものとか肩書きとかいったようなものは二の次三の次ではないでしょうか。
実際、ベリアルヴァンデモン戦でも「パートナーデジモンがいないからって何だよ!選ばれし子供が何なんだよ!俺は別に特別でもなんでもないぜ!」と言っていて、これが実に大輔らしさを象徴しています。
これはヤマトが最終回で言っていた「選ばれし子供達を甘く見てもらっちゃ困るな!」との対比にもなっていて、太一も「そういうこと!」というのですが、S(感覚型)の人間って権威や肩書きに固執する人が多いんですね。
ミミの「何が得られるの!」発言しかり、番人タイプや探検家タイプは具体的な事物・成果物・資格・学歴といった「有形」に拘りますが、大輔ってその辺りN(直感型)なので肩書きには全く拘りません。
それよりも大輔にとって大切なのは「精神的な繋がり」であったり「前向きに未来を志向すること」であったりという抽象的な精神性に基づくものなので、そこが理解できないと大輔の良さってわからないんですね。
実際、「02」を否定的にいう人の中で見受けられたのが「大輔の言ってることなんて所詮綺麗事」ですが、N型の述べる理想主義は非常に抽象度が高く先を見てのものであるため、S型には理解できないマインドだったりします。
大輔の将来が世界中にラーメンのチェーン店を持つ実業家というのも、ミミの料理研究家やヤマトの宇宙飛行士と違って、「他者との精神的な繋がり」を持てる場所であることがすごく大事なのです。
それを具体化すると「ラーメン」だったというだけのことで、大輔とブイモンにとってのラーメン屋とは「人間とデジモンが気軽に交流できる憩いの場」かつ「腹空かせてる人たちをラーメンで幸せにしたい」ということでしょう。
物質主義なるものに全く囚われておらず、直感で相手の本質を見抜くのが得意な大輔だからこそニューヨークで屋台ラーメンという斜め上のぶっ飛んだ発想ができるのではないでしょうか。
ヤマトの宇宙飛行士やミミの料理研究家は別にさほど驚きではないのですが、大輔の将来がサッカー選手ではなくラーメンの実業家という経営者なのも「人を幸せにしたい」ということの表れだと思います。
というか、そういう人じゃなかったら「奇跡の輝き」のマグナモンやインペリアルドラモンを扱うことはできないし、大和田ルイを救済することなんてできないでしょう。
だから、アズマケイさんの小説「おれとぼくらのあどべんちゃー」でこの3人がダークマスターズ編でグループを組んで上手く行ったのもわかります。
というのも、ENFP(運動家)って実はISFP(冒険家)・ESFP(エンターテイナー)のどちらとも相性がいいんですよね。
ENFPとISFPの相性
ENFPとESFPの相性
因みにISFPとESFPは実は相性がとんでもなく悪いので、ヤマトがミミと組む場面が全くないのもそういう理由によるものだと思われます。
だから、ヤマトとミミの間に仲介者として大輔が入ることで一気にこのグループは活性化するので、無印組に大輔が加わるだけでダークマスターズ編のヤマトとミミの問題が一気に解消されてしまうのです。
まあただ、実は大輔にはそのヤマトとミミを超えるとんでもない強力な逸材がいるのですが、それこそが「Vテイマー01」の八神タイチならびに「decode」の四ノ宮リナ、すなわちアルフォースブイドラモンテイマーズです。
私見ですが、アルフォースブイドラモンテイマーズのタイチとリナはISTP(巨匠)であり、特にこの部分が強く当てはまるなと思いました。
そう、タイチもリナも友好的なようでいてすごく実は謎めいた部分があるし、一見落ち着いてるようで急にとんでもないことをしでかすくらいには人並外れた存在であるのは事実です。
面白いのはタイチとリナってキャラクター自体は立っているのに「私生活が見えない」というのがあって、そこが大輔との大きな違いではあるのですよね、アルフォースブイドラモンテイマーズは基本的に行動が読めません。
しかし、だからこそENFP(運動家)の大輔とは最高の相性なのです。
実際、「Vテイマー01」で大輔とタイチは最終的にとんでもない作戦をひらめいて抜群のコンビネーションを見せましたが、あの阿吽の呼吸っぷりはジョグレスパートナーの賢ですら超えていました。
タイチもリナもバカっぽく見えて実は物事の原理原則を見抜く力やテクニックがありますし、大輔も大輔で実は漠然とした前向きな未来志向と時折出すとんでもないひらめきを持っています。
だから大輔の才能・資質を100%引き出せるのがこの2人なのも納得だし、だから私は大輔とタイチ、そして大輔とリナの組み合わせはいいなあと思っているわけです。
話を戻して、久々にデジモンの記事を書いてみましたが、以前に使った岡田斗司夫の4分類に基づく分析よりも遥かに面白い結果が出てきて面白いです。