ENFPとESFPの違いを説明するのに的確な『デジモンアドベンチャー』25話の太刀川ミミの横暴さと『デジモンアドベンチャー02』18話の大輔の気遣い
どうも、最近またもやMBTIブームが来ているので英語サイトで積極的に勉強している男、ヒュウガ・クロサキです。
何故かというと、英語本家のMBTIと日本のMBTIはだいぶ情報の質に差があるので、ヒューマンデザインとかと同じで日本ではなく海外から直接情報を取るのがいいだろうと英語で勉強しています。
そんな今回の記事はENFP(運動家)とESFP(エンターテイナー)の違いなのですが、その格好の材料として使えるのが『デジモンアドベンチャー』の太刀川ミミと『デジモンアドベンチャー02」の本宮大輔です。
ミミがESFP(エンターテイナー)で大輔がENFP(運動家)なのですが、この2人の違いを明確に説明するにはそれぞれのメイン回での言動・立ち回りを見比べてみるといいでしょう。
わかりやすいのが無印の25話ですが、この回で正直私はミミが大嫌いになりました(笑)
だってこいつ、自分が悪いのをわかっていながらめちゃくちゃ意固地になって謝罪すらしないわけですから、こういうのをみるとミミも穏健派に見えて結局は「ブルータス、お前もか!」なんだよな、同じ穴の狢というか。
トノサマゲコモンを目覚めさせるにはミミの綺麗な歌声が必要だというのに、太一たちは彼女への言葉掛けを間違ったせいで事態は悪化してしまい、逆ギレした我儘王女のミミに寄って太一たちは閉じ込められることになります。
まあ太一に関しては基本的に女心を全く分かってないデリカシーゼロの無神経野郎なので仕方ないです、その巻き添えを喰らう形になった丈をはじめとする他の仲間達に関しては同情を少なからず禁じ得ません。
どうして挙げ句の果てにミミはパートナーデジモンのパルモンとついに仲違いを起こしてしまうのです。
そう、ミミは自分しか状況を打破できないのをいいことにわがままし放題であり、パートナーから絶縁の言葉までもらうほどに事態を悪化させています、要は「戦犯」というわけです。
ここに彼女のESFPぽさがすごくよく出ているわけですが、なぜこうなったのかというと、単にわがまま好き放題できるからというだけではなく、問題が自分自身に関するものだからでしょう。
ESFP(エンターテイナー)の英語版にはこのように説明されています。
ここに書かれているように、ESFP(エンターテイナー)は他人の気持ちも分かっているし意外と注意深い観察力もありますから、普段であればそれなりに助言もするし多少の困難は厭いません。
しかし、それが自分のことになった場合は真正面からぶつかるのではなく衝突を回避しようとするので、どうしても楽な方に逃げがちというのは挙げられるのではないでしょうか。
ミミが事態を悪化させたのもそう考えると、自分が困難の渦中に立たされたことを分かっていたからこそ、それを回避しようとして事態を拗れさせてしまったというわけです。
逆にいえば、そこまでしてようやく精神的バランスを崩しかねなかったわけですから、ミミはある意味大輔と並んで暗黒進化からは最も縁遠い人物と言えるでしょう。
だから最終的にはきちんと「ごめんなさい」と謝罪するわけですが、ミミは現実主義者であり、目の前の問題に対してこういう対処しかできなかったということかもしれません。
一方で同じ「ごめんなさい」でもENFP(運動家)の大輔が18話の冒頭でタケルとヒカリに言った「ごめん」は全く質の違うものです。
これです、ミミとは違って自分の発言がタケルたち周りのメンバーにどう思わせるのかをきちんと分かった上で、相手の気持ちを想像して先手を打っています。
これが大輔の大輔たる所以と言いますか、ENFP(運動家)のEQの高さはトップクラスなのですが、ただこれは同時にENFP(運動家)の本質的な弱点でもあるのです。
そう、ENFP(運動家)はINFP(仲介者)と並んで直感力がニュータイプ並みに優れているが故に「ここでこんなことを言ったら相手はどう思うか?」みたいなのが分かってしまいます。
スキルとして磨きまくると相手の意図までも動作から表情、あるいは纏っている空気感から読み取ってしまうので、相手の感情がもろに自分の中に入り込んでくる感覚に襲われるのです。
しかも、自分が放った言葉で相手がどういう思いをするか分かっているから、説教や罵詈雑言などした後には少なからず自己嫌悪に襲われてしまうなど、精神面の摩耗も多いでしょう。
大輔とミミが似て非なる部分はまさにここであり、ミミは自分が問題行動を起こして事態を悪化させて目の前の現実が暗くなって初めて謝罪しようと思ったということです。
そして逆に大輔は自分の発言から来る相手の内面まで想像(深読み)して謝ることによって事態が拗れるのを未然に防いでおり、だからミミのような大きなやらかしはありません。
実際パートナーデジモンのブイモンと一回も言い争いや仲違いになったことも、そして別れたこともないというのもミミとの決定的な差であり、共通点はあっても全く本質が違います。
よく、ENFP(運動家)は「熱血」と言われますけど、いわゆる「バカ」という意味での熱血じゃなくて「人一倍深い情を持っている」という意味なのかもしれません。
「熱血漢」と一言で言っても色々いるわけで、例えばヤマトなんかはISFP(冒険家)ですが熱血漢ですし、大兄貴もESTP(起業家)でありながら脳筋熱血です。
そう考えると、大輔とミミの2人がEFP(外向・感情・知覚)で共通していて将来の夢が「料理研究家」と「ラーメン実業家」というところも面白いですよね。
ミミはあくまで「具体的な料理そのものの研究」をエンタメとして楽しんでいて、大輔はラーメンを通して「人間とデジモンが楽しく交流できる場所」を提供している感じ。
すなわちミミは「目先の快楽の追求」に全神経を注いでいるの対して大輔は「長期的な幸福の追求」という風に思考回路が実は正反対です。
大輔の方がより深いところでデジモンや人について考えていて、ミミはそこまで真剣に考えているような感じは見受けられません。
もっとこの二人の違いを浮き彫りにするような回があると面白かったのかもしれませんが、デジモンってキャラ同士をやたら絡ませる割にこういう本質的な部分まで考えて作られてない感じがしてしまいます。