見出し画像

スーパー戦隊のヒーロー側をMBTI分析してみた、『忍者戦隊カクレンジャー』(1994)編

昨日の「ギンガマン」に続き、今回もスーパー戦隊シリーズのヒーロー側限定でMBTI分析をして行こうかと思います、作品の批評とは別にこういうのも遊びの1つとしてあってもいいのではないかと思うので。
第二弾は最近YouTube配信を終了した『忍者戦隊カクレンジャー』(1994)のヒーロー側の主要キャラクターであるカクレンジャー5人とニンジャマンを対象にMBTI分析を当てはめてみましょう。
本編の情報を基に詳細な分析結果を出しますが、あくまで判断基準は厳密なものではなく私自身が「こうではないか?」と思った主観・独断・偏見を入れた印象評価として書きます。
みなさんそれぞれに違う意見もあるかと思いますので、「このキャラはこうではないか?」という方は是非ともコメント等をしていただけば幸いです。


ニンジャレッド/サスケ

分析結果:ENTP-T(慎重型の討論者)

  • E外向型。内面と言える程のものはほとんどなく、仲間に対しても子供達に対してもオープンな空気感を醸し出して対応している)

  • N直観型。怪事件で起きた情報を元に理由や意味を推測し、妖怪軍団がなぜその行動を取るのかの真意を導出する)

  • T思考型。表面上は熱血を装っているので感情的なのかと思いきや、常に先の先まで推測・裏読みをしながら論理的に作戦を実行していく)

  • P知覚型。決して仲間のこともチームのことも表面上で決めつけず、可能性や余地を残しながら戦っているために独断専行の印象はない)

  • T慎重型。メンバーが目先の感情に振り回されて暴走した時でも決して慌てず冷静沈着に構えて対応するので、無駄な戦いは避ける)

サスケに関してはENTJ(指揮官)ENTP(討論者)かで若干迷いましたが、ENTJだったらもっとカリスマリーダーっぽく即断即決でチームを率いていたと思いますが、そうなってはいません。
そこでヒントになったのがアズキアライの回で「みんな出て行って捕まったら、後の手の内ようがねえからな」というセリフが決定打となり、彼は判断する人ではなく可能性や余白を残す人だとわかりました。
これは同時にメンバーで唯一J(判断型)で動く鶴姫との対比にもなっていて、後半では実質のリーダー格でありながら鶴姫を立てていたことから「いざという時に動く実力者」という位置に収まったのは納得です。
しかし、ENTJやENFJならともかくENTP(討論者)は歴代で見ても特殊な造形であり、同じ小川輝晃が演じた黒騎士ヒュウガが典型的なENTJだったことを踏まえると興味深いところではあります。

ニンジャホワイト/鶴姫

分析結果:ESFJ-A(自己主張型の領事)

  • E外向型。後半に入ると父親絡みで個人的感情に走る場面が見られるが、それ以外では基本的にチームを優先する)

  • S感覚型。抽象的な直観レベルではなく、あくまで目の前の情報を元に反応する現実的な感覚を持っているので、三神将が述べている抽象概念を即座に理解できない)

  • F感情型。父親絡みだと特にそうだが、一見まともなことを言っているようでいて、実は単なる主観のレベルを超えておらず、リーダー向きの性格ではない)

  • J判断型。先祖がそうであったこともあるのか、たとえ最年長のサスケであろうと容赦なく厳しく叱りつける様はかかあ天下としか言いようがない)

  • A自己主張型。初期は事あるごとに規律を押し付けようとしていたし、後半の父親絡みの件でもサスケたちの忠告を無視して独断専行で突っ走ることが多々あった)

鶴姫がなぜファンから「15歳には見えない。あんなにしっかりした中学生がいるのか?」と言われていたかというと、性格が完全なESFJ(領事)だったからです。
ESFJは言うなれば肝っ玉母さんであり、だからこそ前半は特にサスケたちをガミガミ叱りつけている様が目立ったわけですが、この造形自体は成功だったとはいえません
肉体的にも年齢的にも未熟な彼女では単なるうるさいやつにしかなりませんし、だからこそ後半で「未熟さ」「優しさ」という柔らかい部分を強調する路線に変更したのかもしれません。
典型的なクラスの委員長気質であり、現実にいたら確実にうざくて仕方ない奴なのに、それが悪印象にならず済んだのはサスケが優秀な抑え役だったからかと思われます。

ニンジャブルー/サイゾウ

分析結果:ENFP-T(慎重型の運動家)

  • E外向型。サスケやセイカイ以上に子供に優しいという雰囲気が強く、また個人回でも意識は常に妖怪や子供・仲間たちに向いていた)

  • N直観型。目隠しをしても裁縫が余裕でできるところや、金に目がくらむわりには長期的な視野で貯金する、ナンパに走ろうとするなど浮世離れした感覚がある)

  • F感情型。とにかく善意の押し売りが大好きであり、涙脆い人情家であるところからして掛け値なしの「いい人」感が出ているので、まず思考型ではない)

  • P知覚型。決して押し付けがましく相手のことを決めつけず柔軟に対応するので、5人の中では一番子供目線で寄り添えているというのはあるかもしれない)

  • T慎重型。とにかく何かにつけ及び腰でビビリなのが強調されており、5人の中で一番ヘタレっ気が強く、後半になるとセイカイ共々完全に汚れ役を押し付けられる)

サイゾウに関してはまんまギンガブルー/ゴウキと同じでENFP(運動家)であり、むしろサイゾウのキャラ造形がゴウキに継承されていると見ることができるでしょうか。
ゴウキに比べると戦士としての覚悟だとか実力とかも含めて未熟さが目立つわけですが、そんな彼が居てくれたからこそ「カクレンジャー」がとても親しみやすい作風になったともいえます。
子供に寄り添うという点においてもセイカイやニンジャマン以上にうまくやっていた印象はあるし、またいざという時に見せるテクニックやセンスはサスケ以上でもあるのです。
後半では完全にセイカイ共々汚れ役を押し付けられた感じはありますが、これは忍びの巻の試練がクソだったせいだと思うので、そこをもっとうまく洗練できればよかったと思います。

ニンジャイエロー/セイカイ

分析結果:ESFP-T(慎重型のエンターテイナー)

  • E外向型。初登場時から悪ガキと仲良くゲーセンで遊んでたり、女の子に目がなかったりととにかく意識は外向きであり、自分のことで悩む描写はほとんどなかった)

  • S感覚型。とにかく即物的で目の前のことに対処していくことで精一杯であり、先の先まで見るような浮世離れした感覚はなく、食い物に目がないのが本能に忠実な印象を与える)

  • F感情型。女の子に目がなく鶴姫が密かに好きだったという設定から見ても基本的にその場の感情で動くため、後半ではサイゾウやニンジャマンと並ぶズッコケ担当になった)

  • P知覚型。亡きおじいちゃんの霊に寄り添うところが典型的だが、決して相手に判断を下さずに説得を試みるところから相手に対して常に可能性や余白を残す)

  • T慎重型。自発的に前に切り込んで戦うタイプではなく、鶴姫に焚きつけられるか、自分にその必要性がない限りは誰かについていく形で戦うことが多い)

セイカイはとても典型的な鋳型にハマったコメディーリリーフとしての黄色という感じだったので、ESFP(エンターテイナー)であるというのは即座にわかりました。
そしてT(慎重型)というのも初登場の時から主体的に判断して動くのではなく、鶴姫たち他のメンバーに引っ張ってもらう形だったし、そのお陰かあまりうるさい印象はありません。
食い意地が張って居て女の子が好きというのは如何にもな三枚目気質であり、劇中ではサイゾウとニンジャマンと3人揃って「ミニオンズ」のような位置付けであったと思います。
サイゾウ共々試練の巻で完全に汚れ役を押し付けられてしまいますが、サイゾウ同様そこから先の新境地や成長を見せられなかったのが不運でありましょうか。

ニンジャブラック/ジライヤ

分析結果:ISTP-T(慎重型の巨匠)

  • I内向型。初登場から最終回まで基本的に仲間の助けをあまり借りることはなく、日本語が不得手だったこともあってか、基本的にあまり心開いている様子がない)

  • S感覚型。忍びの巻の試練が典型的だが、相手の真意を読み取ることは不得意であり、目の前に現れた出来事に対して現実的な対応をしていくのが彼の戦い方の基本)

  • T思考型。初登場の時に巻物を5人分で取り戻そうとした時がそうだが、何の脈絡もなくやっているのではなく、常に論理的整合性を取って動いているので客観的根拠がある)

  • P知覚型。目的のためとあらば妖怪の懐に入るという策も辞さず、何だかんだ悪党になった師のことも許す辺り、判断する人ではなくどこかで余白を残している印象がある)

  • T慎重型。仲間に対して妙にカッコつけてはいるものの、意外と自己主張する場面は少なく鶴姫に頭が上がらないところからもいざという時以外は自ら動きません)

ジライヤは演じるケイン・コスギが日本語が不得手な日系人だったのもあってか、初登場からして孤高の一匹狼の動き方をしており、ISTP(巨匠)以外には考えられませんでした。
その上で同じISTPと診断されている「ジェットマン」のブラックコンドル/結城凱との違いはT(慎重型)であるということで、これは初登場時に仲間に作戦の内容を知らせていたことからわかります。
また、ジライヤのジライヤたる所以として挙げられる忍びの巻の試練を見ればわかりますが、基本的に内向的かつ師匠の真意を読めないまま現実に即して戦いながらも、決して相手を断罪しません
そういう意味では「酒とタバコと女好き」の要素を抜いた真面目な結城凱であるともいえ、スーパー戦隊のブラックが孤高の一匹狼タイプという印象を与える一因になっているのではないでしょうか。

ニンジャマン

分析結果:ESFP-A(自己主張型のエンターテイナー)

  • E外向型。カクレンジャーの5人に対しても子供に対しても優しく、また三神将に対しても臆さず子分としての振る舞いが出来る辺りが素晴らしい)

  • S感覚型。セイカイと並んで即物的な動き方で本能に忠実に動くが、それが未熟な形で発露してしまったせいか、三神将にきつい罰を据えられることになった)

  • F感情型。これはもう「青二才」というワードで簡単にブチギレる沸点の低さから一目瞭然であり、分別のつかない行動が多いせいか鶴姫にまで叱られることも)

  • P知覚型。サムライマンになったらJ(判断型)になるが、そうじゃない時は基本的に可能性や余白を残しながら動いているため、説教くさい印象を与えない)

  • A自己主張型。とにかくそそっかしいのか忙しなく動き回り、筋斗雲で登場しては派手に目立ちまくるので、とにかくやかましいのがセイカイとの大きな違い)

ニンジャマンに関しても迷うことなくESFP-A(自己主張型のエンターテイナー)以外にはありませんでした、これはもう初登場のインパクトが大きかったですからね。
終盤1クールしか参戦していないにも関わらず妙に印象に残っているのはとにかく派手で目立つからであり、実はカクレンって鶴姫以外は結構大人しいんですよね。
だからこそ、とにかく現れては場の空気を完全に自分色に染めてしまう彼の存在感は強烈であり、それが同時にESFPのセイカイとの差別化にもなっていました。
同じコメディーリリーフではありながら、意外とキャラ造形における細かい書き分けができていたのは今回分析してみての新発見であり、悪くないと思います。

まとめ

こうして分析してみましたが、このチームはヒーロー側だと三神将と鶴姫しかJ(判断型)がおらず、あとは全員P(知覚型)というのがあの緩さに繋がっています
載せていませんが三神将が典型的なENTJ(指揮官)なので、それ以外で現場の判断をまともに下せるのが鶴姫しかいないのですから、大局的な判断が下せるわけもありません。
封印する以外に方法がないという作劇上の理由を差し引いてもなおカクレンジャーが妖怪軍団を滅ぼせなかったのは、このユルユルなチームワークにあると思っています。
ENTPのサスケとISTPのジライヤはまだしも、サイゾウ・セイカイ・ニンジャマンらおふざけ担当の色が強いためか、終始ミニオンズみたいなわちゃわちゃしたチームです。

それこそネットで流行りの「現場猫」みたいな安全とは程遠いのにノリで「ヨシ!」と言ってしまえるような空気がまかり通ってしまっているのが問題かと思われます。
ここで鶴姫がガツンと場の空気を締められればいいのでしょうが、その鶴姫は後半だと父親絡みでリーダーとしての威厳を台無しにしまくった悲劇のヒロインムーブをかましまくりです。
リーダーがこれではチームにピリッとした統一感が出るわけもなく、こんなに緩みっぱなしのチームもなかなか珍しく、だから三神将が導かないとダメだったのかと思い至りました。
まあまだ分析に着手していない『激走戦隊カーレンジャー』(1996)はこれ以上に緩いチームであることが容易に想像されますが、まずは「ゴーオンジャー」を先に片付けましょうか


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?