Nick Drake "From the Morning" コード分析
今回のニックドレイク研究は、アルバム「Pink Moon」のラストを飾る「From the Morning」のコードを取り上げます。
早速本題に入りましょう。
使用コード詳細
使われているコードはC、F、Gの所謂スリーコードです。
ただし、チューニングが「BEBEBEの1フレットカポ」すなわち「CFCFCF」で、その開放弦を利用したボイシングとなっています。
024000
構成音:ド・ソ・ミ・ファ・ド・ファ
C系のコードでトニックなのですが、4th = 11thのファの音が含まれています。言うまでもなくアボイドノートです。
045000
構成音:ド・ラ・ファ・ファ・ド・ファ
5thがベースでコードネームはF/C。024000と交互に出てくるのでC音がペダルポイントとなります。3弦と4弦が異弦同音となります。
間奏とアウトロでは035000というバリエーションが使用されていますが、3rdのラがラ♭になるのでFm/Cですね。
初期レディオヘッドみたいな泣きのサブドミナントマイナー感はなく、経過音的な動きのような気がしますが。
222000
構成音:レ・ソ・レ・ファ・ド・ファ
G7系で11thのドが含まれていますが、3rdはオミットされています。
結論:曖昧な調性感
①トニックのCでアボイドノートを遠慮なく使用
②ドミナントコードに導音が含まれていない
この2点から言えるのは、メジャー系ではあるものの長調としての調性感がややぼやけているというところです。
改めて口ずさんでみると、歌の末尾の「from the morning~♪」の「ラソラドー」って終止感が弱いことにも気付かされました。
アイオニアンモード色が感じられると言っても良いのではないでしょうか。