Elliott Smith "Say Yes"の構成について
Say Yesは僕が初めて聴いたエリオットスミスの楽曲です。
グッドウィルハンティングでも流れるし、代表曲のひとつと言っても異論はないでしょう。
今回は、この曲の楽曲構成について考察します。
楽曲構成
では、改めて楽曲構成を確認していきましょう。
(準備 →)A1 → 間奏 → A2 → B → A3 → C → A4
こんな感じでしょうか。
「準備」は構成を分析するにあたって別に必要ないけど、ファンならわざわざ入れたくなった気持ちが分かると思います。笑
ABCをそれぞれ、ヴァース・コーラス・ブリッジと言っても良いですが、
ポップスのスタンダードな構造とは少し違っています。
Aの間に毎回違う要素が挟まれていくので、ロンド形式のようですね。
ただし、間奏はAと同じコード進行でメロディも近似性があるので、A2以降がロンド形式で、その前にAが拡張されているとも言えそうです。
小節数を加味した考察
小節数を数える
次に、小節数を数えてみましょう。
A1:4小節 × 2
間奏:4小節
A2:4小節 × 2
B:4小節
A3:4小節
C:10小節
A4:4小節
2部形式
A1とA2は4小節を2回繰り返しています。
それを踏まえて、A2→B→A3の部分に注目してみると、
AABAの2部形式になっていることに気付きました。
ここを軸にして、拡張された構造とも言えそうです。
前半と後半の対比
前述したようにAと間奏は近似性があるので、曲の開始から同じパターンが4×5=20小節続くことになります。
ここまでを前半としましょう。
そして、Bから始まる残りの4+4+10+4=22小節を後半とします。
こちらはBとCがあり、Aも4小節に短縮されています。
両者を比較すると、同じパターンが繰り返される前半と変化に富んだ後半で、対照的な性格を持っていることに気付かされます。
セクションCについて
クライマックスとなるセクションCについて考察してみましょう。
10小節というイレギュラーな小節数ですが、
さらに分割してグルーピングしてみました。
a:2小節
b:2小節
a:2小節
c:4小節
cの部分だけ拡張されていますが、
ここの後半2小節は独立していると言ってもいいでしょう。
A4へとつながる橋渡しのようなセクションで、つなぎ方が見事なのは言わずもがなです。
以上、とりとめのない考察でした。