【Nick Drake "Road" 研究】第1回 はじめに~チューニング(1)

この度ニック・ドレイクの楽曲「Road」についての連載を始めました。

はじめに

ニック・ドレイクの「Road」は私が一番再生してきた楽曲のひとつであることは間違いなく、もしかしたら本当に一番かもしれません。

何が魅力なのか?と訊かれても、結局好きだから好きとしか言いようがないのですが、のろけ話みたいなことを言っても埒が明かないので、一度深掘りに挑戦してみます。

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ギターを始めた頃、真っ先にこちらのタブ譜を参考にして、ぽろぽろとつま弾いてみたりしていました。作られたChrisさんのことは尊敬していますが、今になって見てみると、ヴァリエーションを網羅できていないし、少し間違いもあったりと、これだけで満足できるものではありません。

また、1997年にWise Publicationsから出版された「The Nick Drake Song Collection」という現在廃刊の楽譜集も持っていますが、ギターパートはチューニングとコードダイアグラムのみで、何故か不正確なピアノ譜が下段に掲載されているという困った代物です。

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そこで、今年に入ってから少しずつ採譜を始め、大体自分で満足のいくものが出来ました。いや、常に見直しているので「出来つつ」あります。僭越ながら、Nick(ed) DrakeことGareth Dicksonの録音よりも正確に採譜できるかも!?と、思っています。

とは言え、譜面だけを公開しドヤったところで虚しいので、楽曲を十分咀嚼し、自作譜面を交えながら記事を書きたくなりました。私は演奏が不得意で万年初心者なのですが、実演にもちょっとずつ挑戦していく所存です。

譜面以外の部分でも、書ける限りのことはすべてシェアしていきます。でも、ファン目線の記事や評論は期待しないで下さい。出来る限り、音楽(学)的な内容にできたらと思います。

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あと、裏コンセプトとして「21歳当時の自分が読みたかったものを書く」というのを設定しています。笑

なので、当時の私の音楽スキル・経験に合わせているので、一体どういった層に刺さるのか全然わかりませんが、たった一人でも良いから何らかのお役に立てると嬉しいです。

チューニング

それではチューニングの話から始めましょう。

「Road」はEADEBEチューニングです。独特の変則チューニングを用いた楽曲が多い中、(スタンダードを除けば)最も易しいものになります。とは言っても、決してありふれたものではありませんが。

やり方は、スタンダードチューニング(EADGBE)の3弦をEまで下げるだけです。

私の場合は、1弦を鳴らしながら3弦を下げていき、ざっくり合わせてから最後に1弦(実音)と3弦12フレットのハーモニクスで微調整します。

カポタスト

この曲はカポタストを使用し、3フレットに付けます。

最終的に、開放で鳴らした実音はGCFGDGです。

勿論、カポを付けてから3弦をGに下げても同じことです。

ピッチ

レコーディングのピッチに合わせるなら、440Hzより1/4音ほど低めにするといいでしょう。

カポ2フレットで1/4音高めにするのもありだと思います。

でも、弦高が上がるし、私は3フレット派です。

実を言うと、使用しているギターの2フレットが減っているので、なるべくカポを2フレットにつけたくないという理由もあります笑

ちなみに、自分で弾き語りをする場合、カポは4フレットにしてます(地声が高めなのでLow-Gは苦しい)。

(続)

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