REIカスタマーの分類
Takram NYで働く傍ら、REI SoHo Flagship Storeのキャンプ/クライミングデパートメントで、週末接客をしています。REIで働いていると、本当に色々なタイプのお客さんに出くわします。それぞれが特有のニーズや課題を持っているのですが、長らく働いていると、いくつかのタイプに分類できることに気がつきました。今回はその7つのタイプをご紹介します。
Type #1 Outdoorsy
言わずもがななアウトドア好きの人たち。欲しいものは自分でわかっていて、お目当てのアイテムを探している。大抵は、次のアウトドアトリップに向けた準備で訪れることが多い。トリップごと、シーズンごとに自分のギア一式を見つめ直し、軽量化できないか、防風性を高められないか、などそれぞれのニーズに合わせてアップデートする傾向がある。自分もこのタイプに属します。
Type #2 Wanna-be Outdoorsy
はじめてのバックパッキング、はじめてのクライミング、はじめてのキャンプ、、、これからアウトドアをライフスタイルに取り込んで楽しんでいきたいと思っている人たち。学生や若手社会人が多い。よくあるのが、1) インターネットで事前に色々調べてくるも自分では埒があかなくなり来店するケース。REIスタッフにおすすめを聞きまくる。あるいは、2)Type #1のアウトドア経験者の人たちと一緒に来店するケース。彼らのおすすめを聞きながら必要なものを購入している。どのお客さんもはじめてのアウトドアトリップをすごく楽しみにしていて、それがこっちにも伝わってくる。応援したくなる。
Type #3 Outfit Me for Next Vacation
1〜3ヶ月先の大きなトリップに向けて必要なものを一式揃えたい人たち。子連れファミリーが多い。大抵は春休みや夏休み、冬休みのような長期休暇に計画している旅行に向けて来店する。行き先はアイスランドやガラパゴス、キリマンジャロ、Upstate NYのスキートリップなどが多い(みんなお金持ちだし、海外旅行ばかり!)。お金には全く困っておらず、必要な物は全て教えて欲しいというスタンス。一度に数千ドル使う。さすがニューヨークだなと感じる瞬間。
Type #4 Kids in Scouts
子どもが所属するボーイスカウト・ガールスカウトのキャンプ/ハイキングの準備で来店する。父親もしくは母親が子どもと一緒にやってくる場合が多い。彼らの手には、所属しているスカウトから渡されたギアリストがあって、上から順番になぞりながら全て揃えていく。これとこれはキャンプで手に入るね、これは下の階のクロージングで手に入るね、というやり取りが多い。お金には困ってないが、成長期の子どもにそこまでお金かける必要はないと思っている。 大抵は、最安オプションか真ん中の価格帯のギアを購入することが多い。親自身はアウトドア初心者が多く、何を買ったらいいかわかっていない。
Type #5 Care Seeker
特定商品について自分でリサーチを入念にやってから来店するお客さん。店員よりも物知りになっていることが多い。お店ではそれを購入することよりも、むしろ店員との深い話を楽しんでいることが多い。僕らも彼らから学ぶことが多く、深い話ができるのは単純に楽しい。自分を認めてもらうためにやってくる、ケアしてもらうためにやってくる。そんな意味でCare Seekerと名付けてみた。
Type #6 Only The Best Gear
自分のアウトドアレベルに関わらず、とにかくベストなギアだけを出してくれと言い張るお客さん。少し年齢高めの男性に多い(完全にバイアスありそう、、汗)。アウトドア経験が浅めの人が多く、概してオーバースペックになりがち。例えばこんなケースがある。今度ガイドをつけてアイスクライミングをやると言う。レンタルは嫌だから、自分で必要なギアを全て揃えたい。ウェブで調べたらこのブランドのこの商品が良さそうだ。それを全て用意してくれと言う。決まって、それらのギアは本格的な雪山でアルパインクライミングに取り組む人向けのギアだったりして、初心者の人には全て使いきれない機能ばかり。
Type #7 Mx. Last Minute
今夜もしくは明日の朝にアウトドアトリップに出発するから、とにかく必要なギア全部を揃えたくて来店するお客さん。多忙な日々を送る若い世代の傾向が強く、急かせかしている。あまり事前に自分でリサーチをしておらず、とりあえずREIに来ればなんとかなると思っている(そういう駆け込み寺としてのREIの一般への認知は感心する)。正直、もっと早く来れば選べるオプションもあるし、こんなに焦らなくてもいいのにと思ってしまう。そしてこの状態でトリップ行って大丈夫なのかと心配になる笑。例えばこんなケース。明日から仕事のgap monthsを使って、数ヶ月間アパラチアントレイル(アメリカにあるロングトレイルの一つ。2,190マイル以上ある)を歩くんだよね。だからバックパックやブーツが欲しい。何がおすすめかな。
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今回は、これまでのREIでの接客体験を通じて見えてきたお客さん像を7つのタイプに分けて紹介しました。いかがでしたか?所々ニューヨークならではのタイプも見れたりして面白いですよね。日本やヨーロッパ、中国はどうかなど、他の都市についても色々知りたくなりました。今後も不定期にアメリカのアウトドア市場について、自分が見たこと体験したことを中心に発信していきます。こんなこと知りたい、これはどうなっているの?など要望あればいつでもコメントください!では!
illustration by hayato shin