2024年2月に読んだもの
2024年2月に読んだ本や記事のメモ。今月はあまり読めなかった。
↓先月分はこちら↓
ビジョナリー・カンパニーZERO
2021年の発売当初に買って読んで、久しぶりに読み返した
原題は「beyond entrepreneurship」で、Netflix CEO が毎年読み直す本らしい
第3章 リーダーシップ・スタイル、第4章 ビジョン、第9章 卓越した戦術の遂行あたりを中心に読んだ
全体的に企業・組織単位での話が多いのだけれど、3章の「リーダーシップ・スタイル」は、強い組織を作るためのリーダー個人の立ちふるまいにフォーカスがあたっていて、自分の行動を見直す指針として使えるためお気に入り。とくに決断力、集中力あたりのくだりがよかった
決断力の章では 直感に従う というセンテンスがあり、分析的な判断だけではなく、どのように直感をうまく使うか?ということが書かれており面白かった
1. 問題の核心をみること、2. 核心に対して Yes なのか No なのか(気持ち悪くないのはどちらなのか)で判断する
また集中力の章では 仕事でなく時間を管理する というセンテンスがあり、これは最初読んだときからずっとお気に入りのフレーズになっている
そもそも「時間が足りることは決して無い」という前提に立つことで心理的にも楽になるし、優先順位(何をやって、何をやらないか)にしっかりと向き合うことができるようになる
第4章 ビジョンで紹介されている「コリンズ・ポラス式ビジョンのフレームワーク」もお気に入り。それぞれの言葉の意味合いが、いわゆる MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)などで使われるニュアンスとは少し異なるので分かりにくいが、どんな世界を目指しているのか・なぜ存在しているのか、みたいな崇高な話だけでなく、足元の野心的な目標(≒ミッション)までがパッケージとして含まれているのがとても良い
また、ミッションが満たすべき重要な基準を ”心を揺さぶる力” としていて、単純に難しい目標を置くだけではなく、そこに意味づけをして(ナラティブを作って)ワクワクしたものにしていく〜というのはもう少し意識できると良いかもしれないなぁと思った
そういう意味で、ミッションの4タイプのうち ”共通の敵” はわかりやすくて良い。ホンダの ”ヤマハを潰せ” とか、ナイキの ”リーボックをぶっ潰せ” とか
歴史思考
コテンラジオが気になっていて、ずっと積読していた本。内容は結構軽いのでサラッと読めた
"こうあるべき" みたいな暗黙の価値観から生まれる理想と、自分が向き合っている現実とのギャップが「悩み」になるわけだけど、その理想のベースになっている価値観は別に絶対的なものではない。歴史を通して多様な価値観を学ぶことで、物事を相対的に・メタ的に見れるようになって気持ちが楽になるよ〜みたいなことが書いてある
例えば、「お金持ちが偉い」みたいな価値観があったとして、だからお金を稼がないといけない、お金を稼げない自分は能力がない人間だ、みたいな悩みがあったとして、でも別に江戸時代に商人の地位って高いわけじゃなかったよね、みたいな
歴史上の様々な偉人たちのエピソードが紹介されているのだけれど、知らないことばかりで知識として勉強になった。とくに印象に残っているのは、ヘレン・ケラー(というかサリヴァン先生)に関する章で、曰く、 ”奇跡の人” はヘレン・ケラーではなく、ヘレン・ケラーに向き合い続けたアン・サリヴァンのことを指す、というのはなるほど〜と思うとともに少し勇気づけられる部分があった
脳と身体を最適化せよ!
X で見かけて買った本
自らの内なるスパークを活用することが、身体的・知的・精神的な潜在能力を引き出す鍵となる みたいなことが冒頭から書かれており、なるほど……? とちょっと引きながら読んだが、読み進めてみると中身は至極真っ当な本だった。ミトコンドリアによるエネルギー生産を増やしましょう、ということが書かれている
曰く、パフォーマンスを最大限に引き出すためには、細胞から生まれるエネルギーを最大化することが大事で、そのためにはミトコンドリアを増やし、活性化させる必要がある。ミトコンドリアによるエネルギー生産を増やすためには自分の身体的・精神的な健康状態をトラッキングして、負荷と回復のバランスを最適化していく(PDCAを回していく ≒ バイオハックしていく)必要があって、そのための How が色々と説明されている
運動はこの指標を見るのが良い、食事はこういう栄養素を取るのが良い、血糖値や腸内環境は〜・・・と、広範囲に渡って、内容も細かく書かれており1回読んだだけでは理解するのが難しかった
自分の健康診断結果と照らし合わせながら読んだりすると頭に入ってきやすくて良かった。自分は(家系的にも)ちょっと血糖値が高くなりがちなので、何を気をつければよいのかな〜みたいなところのアタリがつけられたりした
また、運動や食事などフィジカルなところだけでなく、精神をどう整えるかも解説されていて面白かった。(Chapter10 ストレス, Chapter11 メンタル あたり)
急性的なストレスは気づきやすいが、慢性的なストレスは自分がストレスを抱えていることに気づきにくいため、回復の時間がしっかり取れないず、影響を受けやすい(よく分からないけど体調がずっと悪い、みたいなことになりがち)
この慢性的なストレスは「何となく漠然とした不安感」から生まれることが多く、その原因は 1. 体の不調、2. 孤独、3. 環境(騒音や非自然環境) にある
1, 2 はわかるが、3 はちょっと意外だった。確かに気づきにくいかもしれない。交通量が多くうるさいところや、自然が少ないところで生活しているだけで実はストレスがたまるらしい
このストレスを適切に処理できているかはHRV(心拍数が上昇した後にどれだけ早く平常に戻るかという指標)で測ることができる
HRV は迷走神経という神経によって調整されるため、迷走神経を刺激して活性化することができれば、レジリエンスが向上し、メンタルの回復力を高めることができる
そのための How として、シャワーを浴びながら歌をうたう, たくさん笑う, 朝晩30秒ずつうがいをする、などが挙げられており、要は横隔膜周りを刺激するのが良さそうなのかな〜と思った
その他、印象に残ったフレーズをメモしておく
P.44 健康とは逆境への抵抗力である
健康の定義を "社会的、身体的、感情的な問題に直面したときに適応し、本人主導で管理する能力" としており、体調を崩さないことではなく、そういう問題にどう対処するか?というところにフォーカスがあたっていて良い定義だなと思った
P.83 適度なストレスがミトコンドリアを最適化する
ミトコンドリアによるエネルギー生産量を増やすために、適度に負荷をかけることが重要ということが書いてあった。ホルミシス(ストレスがポジティブな効果をもたらすこと)と言うらしい
但し、負荷をかけるだけではダメで、その後ちゃんと回復のプロセスを挟まないといけない
負荷(ストレッサー)と回復組み合わせとして、水風呂 <=> サウナ、低炭水化物食 <=> 高炭水化物食、心理的・社会的ストレス(仕事)<=> 遊びや大切な人との時間、などが紹介されていた
前提 ”仕事のストレスは仕事でしか解消できない” と思っている派なのだけれど、解消されるかはさておき、意識的に遊びの時間を増やしたほうがバランスが取れて、結果的にストレス耐性がつくのかもしれないな〜と思った。周りをみてもメンタル強い人は切り替え上手な人が多い気がする
P.195 心の状態を最適化する運動 - ヨガ・太極拳
元々運動はある程度負荷をかけないと意味がないと思っていて、ヨガとかストレッチ効果があるくらいかな〜と思っていたが、どうやら体ではなく心を整える効果があるらしい
身体化認知理論というものがあるらしく、曰く、気分が動き方に影響を与えるように、立ち方や体の動かし方も気分に影響を与える(双方向に影響している) というもの。確かに、姿勢が良いとポジティブな気持ちになれる、というのは実感値としてあるので、ヨガや太極拳の動きによって心を整える〜というのもありそうだなと思った
P.387 マインドフルネスでメンタルを鍛える
マインドフルネスを `刻一刻と変化する経験に、いまこの瞬間、評価や判断を加えることなく、能動的な注意を向けるプロセス` としており、これも良い表現だなと思った
今この瞬間にフォーカスすること。もっと! : 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学 でいうところの、ドーパミンではなく H&N が優位な状態を作るということっぽい
P.395 レジリエントな性格を養う方法
レジリエンスが高い人の特徴(要素)の1つに、「長期目標の設定」が挙げられていた。確かに、レジリエンスが高いこと ≒ 失敗に意味を見いだせること、と捉えてみると長期目標の有無は大事かもな〜と思った