林 剛 - Tsuyoshi Hayashi

音楽ジャーナリスト:R&B/ソウルをメインに執筆 https://twitte…

林 剛 - Tsuyoshi Hayashi

音楽ジャーナリスト:R&B/ソウルをメインに執筆 https://twitter.com/hystys

最近の記事

追悼:フランキー・ビヴァリー(1946-2024)

フランキー・ビヴァリーが亡くなった。いつかこの日が来ると分かってはいたが、R&B/ソウルのファンとして精神的支柱を失った気分。今年限りで引退することを決めてフェアウェル・ツアー(“I Wanna Thank You” Tour)を行い、公式インスタグラムも(スタッフによって)頻繁に更新されていた。そのインスタで家族が訃報を伝えた。1946年12月6日生まれだから77歳で他界したことになる。昨晩は自分のSNSのタイムラインがフランキー・ビヴァリー追悼で埋め尽くされていた。今現在

    • 2022 R&B総括対談 : Yacheemi × 林 剛

      2020年代のR&Bを1年ごとに総括していこうと始めた対談も3回目。今回も、餓鬼レンジャーのタコ神様にしてダンサー/DJ、昨年からはエフエム戸塚(コミュニティFM)で番組パーソナリティも務めるYacheemi(ヤチーミ)さんとともに2022年のR&Bを振り返るトークをお届けします。 前年同様、事前に2022年R&Bベスト・ソング50曲のプレイリストを各自作成(2022年末に公開)し、それを見ながら話を進めていきます。今回は2023年1月3日にZoom対談を行いましたが、双方

      • エラ・メイの新作『Heart On My Sleeve』

        エラ・メイのセカンド・アルバム『Heart On My Sleeve』がリリースされた。本国では5月6日発売。輸入盤は通常仕様と別アートワークになるTarget限定ヴァージョン(ボーナス・トラックは未収録)が登場し、約1ヶ月遅れで6月10日には日本盤も発売され(現時点では未入手)、こちらには2016年のEP『Time』からタイ・ダラー・サインとの「She Don't」がボーナス・トラックとして収録されている。 また、日本盤リリースと同じタイミングでベイビーフェイスとのコラボ

        • Re:New Orleans⚜️第2回◎タンク・アンド・ザ・バンガスの新作『Red Balloon』を聴きながらニューオーリンズの街を歩く

          PJモートンの新作リリースを機に軽い気持ちで始めた現行のニューオーリンズ(NOLA)音楽を紹介するコラム〈Re:New Orleans〉。2回目となる今回は、タンク・アンド・ザ・バンガスの新作『Red Balloon』のリリースを記念して、ニューオーリンズのカフェやレストラン、レコード・ショップ、歴史的名所などに寄り道しながら、彼らのこれまでの歩みと新作の内容に触れていく。思いつくままに書いていくので、とりとめのない文章になると思います。 その前に、お時間があれば第1回もぜ

        追悼:フランキー・ビヴァリー(1946-2024)

          Re:New Orleans⚜️第1回◎PJモートンの新作『Watch The Sun』

          ニューオーリンズ(NOLA)の音楽が新しい世代の活躍もあって楽しくなってきている。と、数年前から「bounce」誌の記事や「ブルース&ソウル・レコーズ」誌の拙連載などで触れてきた。今年は、ジョン・バティステがグラミー賞で注目を集め、4月から5月にPJモートン、トロンボーン・ショーティ、タンク・アンド・ザ・バンガスが揃って新作を出すなど賑やかだ。50年以上の歴史を誇る名物フェス「New Orleans Jazz & Heritage Festival」(以下“ジャズ・フェス”)

          Re:New Orleans⚜️第1回◎PJモートンの新作『Watch The Sun』

          幸運を呼ぶラッキー・デイの新作

          ラッキー・デイの新作『Candydrip』(2022年3月10日リリース)を楽しみにしていた。約3年ぶりのセカンド・アルバム。期待通りの快作だった。おそらく今、US R&Bの世界で最も勢いのあるシンガー。彼を中心にR&Bのシーンが回っていると思うほど。夥しい数の客演もこなしている。自分もこの3年近く“ラッキー・デイ”という名前を何度打ったかわからない。新作発表から1週間、プロデューサー/ソングライター以外のクレジットが見つけられず、「聴き込んだ」とも言えない状態だが、これまで

          幸運を呼ぶラッキー・デイの新作

          シルク・ソニック、まさかの新曲

          シルク・ソニックはサプライズが好きみたい。朝起きてメールをチェックしたら、シルク・ソニックがヴァレンタイン・デーに因んだ新曲を出しましたというお知らせが届いていた。送り主はブルーノ・マーズ(のメーリングリスト)。前日はスーパーボウルのハーフタイム・ショー。エミネムの横でニコやかにドラムを叩くアンダーソン・パークを見たばかりで、ショーを見ながら一瞬シルク・ソニックのことも頭をよぎったが、まさかその翌日に新曲を出すとは。シルク・ソニックとしてのリリースは昨年11月に発表したアルバ

          シルク・ソニック、まさかの新曲

          2021-2022 R&B Talk 林 剛×Yacheemi

          2020年のR&Bについて語り合った昨年の記事がまあまあ好評だったので、今年も、餓鬼レンジャーのタコ神様でダンサー/DJとして活動するYacheemi(ヤチーミ)さんとともに2021年のR&Bを振り返りつつ2022年の展望も交えたトークを一方的にお届けします(前回「noteでやってくれ」という声を多くいただいたので、アカウントを作りました) 今回は、事前に2021年のR&Bベスト・ソング40曲を選んだプレイリストを各自作成し(昨年末に公開)、それをベースに話を進めることに。

          2021-2022 R&B Talk 林 剛×Yacheemi

          2020-2021 R&B Talk : 林 剛×Yacheemi

          R&Bは常に進化し続け、いつの時代も新しく刺激的な作品を届けてくれる。ステイホームを余儀なくされた2020年(2021年が始まった現在も)は、自宅で音楽に接する時間が増え、R&Bをよく聴いたという声が例年以上に多かった。一方で、聴いてはみたが、2010年代以降のR&Bがどういう状況になっているか、よくわからない…という声もあった。個人的にはウェブ・メディアで2020年のベスト・アルバムを選んだりもしたが、シーン全体の総括はしておらず、2020年のR&Bがどんなものだったか、ま

          2020-2021 R&B Talk : 林 剛×Yacheemi