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私が孫のおむつを替えない理由

我が家にはいま。
息子の息子であり、私の孫である男の子が。
ふたりいる。

ひとりは一歳半。
ひとりは新生児。

ふたりとも、おむつくんだ。

真夏で暑いので
リビングでふたりとも
オムイチ(おむついっちょ)の時もある。

それはそれで。
可愛くて和む。


一年半前。
ひとりめの孫が我が家にやってきたとき。

息子も。
その嫁も。

親に成り立てホヤホヤだった。

おむつを替えるのも。
ミルクを作るのも。
夜中に泣き声で起きるのも。
吐き戻しの世話をするのも。

ふたりとも、初体験。

端から見ていても。
本当に本当に、大変そうで。
本当に一生懸命だった。

それで。
私も、それなりに手を出した。

夜中のことは代わってあげられなかったけれど。

ミルクを作ったり。
哺乳瓶を洗って消毒したり。
おむつを替えたり。
お尻を洗ったり。

そんなことまで、手伝っていた。


今回。

出産後は。
息子が仕事を休んで
一歳半の子どもの世話をしていた。

そうして。
退院の日が来て。
2人目の孫が家に帰ってきた。

どれだけ壮絶な日々が待っているのだろう。
と。

同居親としては、それなりの覚悟をしていた。

しかし。
退院後もしばらく育児休暇を取った息子は。

せっせと子どもたちの世話をした。

妻の世話までは…。
正直、手厚かったかどうかは
わからないけれども。笑

少なくとも。
産後の妻が休めるように、と。
子どもたちの世話を、懸命にしていた。


孫の世話を。
その親がするのであれば。

祖母である私の役目は。

親である息子夫婦が。
快適に過ごせる場所を提供すること。

その子どもたちの世話に
専念できる環境を整えること。

それで。

家事全般は、私が請け負った。

至らない点は、あったと思う。
それでも。

「子どもたちがその子どもたちを安心して育てる」
その環境を作るのが、私の役目だと思った。


そんなわけで。

私は。
孫のおむつを替えることも無く。
孫のミルクを作ることも無く。
哺乳瓶を洗うことも無く。

ただ、ただ。
家のことを、整える。

そうして、たまに、孫と遊ぶ。

そんな日々を過ごしている。


自分の経験上。
「いない方がマシな夫」と。
子育てをすることは。

離婚への道を開く。笑

それぐらいなら。
私が手を出さずに。
息子が子どもの世話をするのが。

正しい道だと、私は思ったのだ。


「同居してるけど、ミルクもあげないし、オムツも替えたことない」と話すと「えー?孫でしょ?かわいいだろうに。してあげたくならないの?」と言われることもある。

孫だし。
もちろん、かわいい。

でも。

私の役目は。
息子夫婦の絆を強くすることの、お手伝い。

だから、これでいいのだ。


息子の妻に、そう、話をしてみた。

「私が孫の世話をしないのは『夫なんていなくても他の人がいれば子どもを育てられる。夫なんていない方がいい』って思ってしまった、自分の良くない経験からなんだけど…。赤ちゃんのお世話、手伝った方が良い?」

すると息子の妻が答えてくれた。
「夫くんは良くやってくれてるし、素敵な父親だし、素敵な夫だと思ってる。もしも、他の人が手を貸してくれたとしても、夫くんがいなくてもいい、なんて、少しも考えないと思う!夫くんがいてくれなかったらきっと、私、ちゃんと生きていけない。」

そっか
そっか。

心配しすぎて、頑なになりすぎてたな…。
反省。

息子の妻が続ける。
「むしろ、さくらさんに家事ばっかりやらせて、赤ちゃんを抱っこする時間も無いんじゃないかって、心配してた。」

そんな心配をかけてたとは…。
申し訳なかったな。

タイミングを見計らったように、新生児が泣き始める。

私「抱っこしていい?」
息子の妻「もちろん!お願いします!」

それで。
新生児を抱き上げる。

軽い…。

まだ表情のない生まれたての顔が。
こちらをじっと見て。

ピタリと泣き止んだ。

新しい生命。

期間限定の新生児。

どんな生命も尊いけれども。
この時期は、やっぱり、特別だ。

抱いて、良かった。
抱けて、良かった。