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子どもに風邪をひかせる勇気
寒波が来ている。
今日は気温が上がらず夕方にはだいぶ冷えるとの予報。
テレビからの情報を得て小学生の娘に声をかける。
「下校の時間には、すごく寒くなるみたいだから、暖かくしていった方がいいよ?ヒートテックもあるよ?トレーナーの下に着て行ったら?」
しかし娘の返事はこうだった。
「うーん。もう着替えちゃったから、めんどくさい…。かなー。」
め
ん
ど
く
さ
い
。
だ
と
?
私「身体が冷えると抵抗力が弱くなって風邪ひいたりするかもだから、冷やさない方が良いと思うよ?」
娘「うーん。知ってる~。」
知
っ
て
る
。
だ
と
?
じゃあ着ていけよ!
という言葉を、ぐっと飲み込む。
私は私の成すべきことをした。
今日は寒いこと。
ヒートテックを着たら暖かいということ。
薄着で身体を冷やしたら、体調を崩すかもしれないということ。
それらの情報を娘に伝えた。
親としての私が、して良いことは、ここまでだ。
もう小学6年生。
ヒートテックを着るか着ないかは、娘が決めること。
仮にそれで身体を冷やして体調を崩しても、それは娘の選択の結果だ。
寒い思いをしたり、体調を崩したりしてから、ようやく「寒くなる予報の日はヒートテックを着よう」と思うようになるのかもしれない。
それが娘にとっての「成長」だ。
だとすれば、私がここで、無理矢理ヒートテックを着せたり、着るように強要するのは、娘の成長の機会を奪うことになるかもしれない。
そして。
薄着をして、もし仮に風邪をひいたとして。
いまのように娘がまだ子どもで、母である私が一緒にいるうちであれば。
看病もしてあげられるし病院に連れていくことも出来る。
痛い思いをして成長するのは、親元にいるうちの方がいい。
長男の不登校を相談に行った先で言われた言葉を思い出す。
「息子さん、いま不登校できて良かったですね!」
言われた言葉を理解できない私に、カウンセラーさんが説明をしてくれた。
「親元にいる間なら元気になるまで周囲がサポートできます。社会人になってから同じようなことになったら、周囲は思うようにサポートが出来ません。それで状態が良くなるのに時間がかかってしまうケースが多いのです。」
ああ、そうだ、そうだ。
私がサポート出来る間に。
思う存分いろいろ試して、思う存分失敗を繰り返して、たくさんのことを体験して学んで、成長していけば良い。
そうして親元から巣立っていけば良い。
娘には薄着で震えることも大切な経験なんだ。
そう自分に言い聞かせながら、口から出したい言葉を飲み込んで、薄着の娘を学校まで送っていった。
お天気の神様へ。
願いが叶うならば。
どうかどうか。
下校の時間には薄着を後悔するほど激寒でありますように。
そして娘が何かを学び成長しますように。
あ、でも。
やっぱりかわいそうだから…。
風邪はひかない程度でお願いします!笑