浅井京助

心理屋。催眠に関する情報を発信して23年。

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これからやりたいこと

こんばんは。お疲れ様です。 最近は、催眠について、Xでつぶやいて情報発信をしてきました。 Xでの発信は気軽である一方、まとまった情報を発信するには向いてないなと感じています。 noteでは、Xとは違った方法で、催眠に関する情報を発信していきたいと思います。 よろしくお願いします。

    • 催眠の資料を読んで思ったことを記事にする#02

       前回の続きです。How Hypnotic Suggestions Work – A Systematic Review of Prominent Theories of Hypnosis (催眠暗示はどのよう作用するのかー重要な催眠理論の体系的なレビュー) を読んでいきます。  この手の分類は、催眠を検証してく上で大事になってくる。同じ運動系の暗示でも、二つに分けられる。催眠界隈では、禁止系暗示と呼ばれるものは、学術的には挑戦的暗示(challenge suggestio

      • 催眠の資料を読んで思ったことを記事にする#01

         心理学ガールで話題に出した、催眠に関するレビュー論文の内容がおもしろいので、普通に内容を引用しながら、思ったことを書いていこうと思う。  機械翻訳を使って読んでいるんだけど、昔に比べて精度が上がったなと思う。論文の文章だかららかもしれないけど、機械翻訳で違和感がほとんどない。  ということで、How Hypnotic Suggestions Work – A Systematic Review of Prominent Theories of Hypnosis (催眠暗

        • 心理学ガール #34

          レディオアノット 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学本部棟の心理学研究室。サキナさんと話をする。 僕「最近は、催眠理論のレビュー論文を読んだりしているんです。それを読んで思うことは、催眠は複数の違う現象を“催眠”としているのかなって思うんです。そうだとして、僕は催眠のどの部分に興味があるのかなって考えているんです」 サキナ「以前、私も同じようなことを言っていたと思う。催眠は、主観的な部分を無視すれば、掛かり手が、掛け手の提案のとおりに行動するというものになる。その要素だ

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        記事

          心理学ガール #33

          アイ 僕は心理学部の大学4年生。ここは図書館前。 僕「あれ、ハルちゃん。夏休みなのに大学で会うなんて運命みたいだね」 ハル「こんにちは、先輩。運命って大げさな。ちょっと読みたい資料があって、図書館に用事があったんです」 僕「そうか。せっかくだから少し話そうか。この前に話した、催眠のレビュー論文をざっと読んだんだけど、なかなかおもしろかったよ」 ハル「わたしも機械翻訳で少し読みました。わからないところもありましたけど、面白いと思いました」 僕「論文の中には、『予測符号

          心理学ガール #33

          心理学ガール #32

          チャレンジ 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。催眠の最新の研究とか知りたいんです。いい本とかありますか?」 僕「最新の情報は海外の論文を読むのが一番だと思うよ。いろんな研究をまとめた研究、レビュー論文っていうんだけど、催眠理論のレビュー論文があれば読んでみるといいかもしれないね。ちょっと、オンラインで読めそうなのを探してみようか」 ハル「お願いします!」 僕「おっ、この論文はどうだろ

          心理学ガール #32

          心理学ガール #31

          レディオアノット 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学本部棟の心理学研究室。サキナさんと話をする。 僕「ここ10年くらいは、インターネットが広まって、催眠に関する心理学的な情報も比較的入手しやすくなったと思うんですけど、巷にあるのは相変わらず俗っぽい催眠理論ばかりなんですよね。なぜ学問的な情報が広まらないんでし よう」 サキナ「それは、心理学の基本的な考えが理解できない、俗っぽい催眠理論を捨てられないのどちらかかもしれないな。心理学的な考え方は、例えば、数学とか物理とかと

          心理学ガール #31

          心理学ガール #30

          さいこう 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学本部棟の心理学研究室。サキナさんと話をする。 僕「お久しぶりです。最近は相変わらず催眠について考えていますが、結局よくわからないです。催眠の本質って何なんでしょう」 サキナ「前にもいったとおり、催眠はいくつかの心理現象をまとめて確眠と名付けているだけだろう。だから、一つ一つの現象のメカニズムに共通するものはないだろうから、催眠という統一したメカニズムを前提として、それを検証することは難しいだろうね」 僕「現象のメカニズムはそ

          心理学ガール #30

          心理学ガール #29

          ふち 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。催眠愛好家の人から、催眠は神経科学で説明できるっていわれたんです。なんか、『自由エネルギー原理」、『子測符号化理論』という理論らしいんですけど、先輩はどう思います?」 僕「前にも少し話したけど、心理学も神経科学も人間の行動を理解しようとする学間という意味では共通している。心理学はその原因に“心”という概念を仮定し、神経科学はその原因に“神経”という

          心理学ガール #29

          心理学ガール #28

          金字塔 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩、先輩。以前、教えてもらった催眠の本、バーバーの『催眠』を読みました。古い本ですけど、面白かったです。先輩のいうとおり、催眠に関わる人は必読ですね」 僕「おお、よく手に入れられたね。概要とか結論部分しか話に出てこない本だから、読んだことのある催眠愛好家は少ないかもしれないね。この本の素晴らしいところは、催眠について、いわゆる方法論的行動主義に則って

          心理学ガール #28

          心理学ガール #27

          さがーる 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。先日、催眠愛好家の集まりで、割と名の通った催眠術師から、新しい催眠誘導を試したいといわれて、やってもらったんです。その方法が、術師の指先を見るようにいわれて、その指をぐるぐる回されるという誘導だったんです。まるで自分がトンボになった気持ちになりましたが、目が疲れただけで、特に催眠には掛からなかったんです。その術師がいうには、視神経を披露させること

          心理学ガール #27

          心理学ガール #26

          再会 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学本部棟の心理学研究室。サキナさんと話をする。 僕「サキナさん。以前、催眠はいくつかの心理現象を催眠と名付けているだけと言ってましたが、例えばどんな心理現象がありますか?」 サキナ「味覚の誤認は、シチュエーションが整えば誰にでも発生する現象だろうと思うよ。他には、幻聴などは、精神障害で発生することがあるだろう。脳の器質的に発生することもあるだろうけど、心因的に発生するものあると理解している。後者は催眠における幻聴といえる可能性がある

          心理学ガール #26

          心理学ガール #25

          そこに架かる橋 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。催眠受好家の人から、催眠が成功するにはラボールが必要だといわれたんです。それで、わたしがその人にラポールって何ですかって尋ねたら、信頼関係みたいなものっていわれたんですけど、よくわからなくて。ラポールについて教えてくれませんか?」 僕「催眠におけるラポールの話ね。ラポールは心理療法でも必要だといわれているものだけど、確かに曖昧だよね。今回

          心理学ガール #25

          心理学ガール #24

          ハウツー 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。わたし学問的な催眠に興味が沸いているんですけど、どうやって勉強したらいいか教えてくれませんか?」 僕「そうだね。催眠は心理学の中ではマイナーにもかかわらず、ネットでは古かったり間違ったりしている情報が氾濫しているからね。どうやって勉強するかは大事になってくるね。僕が思うに初めはやっぱり書籍から入るのがいいと思う。ただ、書籍になっていればなんでも

          心理学ガール #24

          心理学ガール #23

          シチュエーション 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。前回話した社会的認知理論による催眠について、もう少し知りたいです」 僕「いいよ。じゃあ、本を1冊紹介しよう。清水貴裕先生の『催眠反応性の規定因に関する臨床社会心理学的研究』という本です。最近の日本の催眠研究の中で最も重要な本だと思います。清水先生の博士論文を書籍化したものなんだけど、いわゆる社会的認知理論をベースとした研究だと思います。

          心理学ガール #23

          心理学ガール #22

          そう思えばそうなる 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。今まで催眠について勉強してきて、学問的な催眠を実践するためにはどうしたらいいのかわからくなってきました。催眠状態や変性意識状態がないのなら、催眠現象を起こすための誘導というか、働き掛けはどんなことをすればいいんでしょう」 僕「そうだね。無意識理論や催眠状態を前提とした催眠は、催眠の掛かり手の意識をいかに欺くか、いかに催眠状態にするかに

          心理学ガール #22