
イノチとの関わりは、どこにいてもできる貴重な経験。
言葉なきものと生きる、見守るということ
生き物との関わりやお世話は、ホームスクーリングにおいて、とってもいい情操教育の一つになると思っていて。。
その理由は思春期にさかのぼる。
私の地元は「少年犯罪日本一」といわれるところで、家庭環境が荒れてたり、学校の中で周囲に巻き込まれて荒れていったりのこどもたちは日常だった。
何かを壊すのことも、人を傷つけることも、当たり前に起こってた。
そんななかでも、家で動物と過ごしている子たちは、なぜか、一線を越えなかったのを見てきた。
獣医になりたかった私は、子どもながらに、そんな傾向にすごく興味を抱いたことを覚えてる。
そのことがあって、都内の狭いマンションにいたときから、生き物との関わりはできるだけ持たせようとしてた。
逆に言うと、イルカを飼う水族館にはいかないし、動物園に行くときも、本当はこの子たちは別のところに居場所があったのだとやんわりと話した。
愛し失う経験が、育むもの。
そんな理由で、うちでは、カブトムシを幼虫から何年も育ててみたり、一匹のカタツムリと何年も過ごしたり、、その死を悼んだり、、しながら、意識的に子どもたちの経験を積んできた。
最近では、虫さんから鳥さんにグレードアップして、つがいのインコと過ごしてみたけれど、一羽、ある朝原因不明で亡くなってしまい、娘が大泣きしてた日々もあった。
ただ、、幼稚園児の娘には、「いなくなる」という悲しさだけにとどまった。
だからといって、残った1羽に対して、日ごろのお世話が変わるということはなかった。
さみしそうな1羽のために、もう1羽飼おうかという話もでていたが、ちょうどとてもインコが好きで、自分ちのインコにペアをさがしているという優しい方に出会えたので、引っ越しを控えていたこともあり、その方に託しました。
今の家族はリクガメさん
ある縁で、今度は、私がずっと念願だった(笑) リクガメさんが急遽わが家にくることになった。
幼稚園時代からいろんな生き物を育ててきた12歳の息子は、カメが来ると知ったときから、いろんな本を読み漁って、ヘルマンリクガメについてとことん調べてた。
それは、誰に言われてしたわけでもなく、、餌一つ間違いたくない。いい餌をあげたい。ストレスなく過ごしてほしい。彼のそんな思いがすべてだった。
その思いから、除草剤や農薬がかかってない雑草を探しにいくこともたくさんある。
どうして、そうなったのか、聞いてみた。
それはやっぱり彼の経験にあるそうで、生き物を飼っているうちに出会った、「人間が与えた環境が命を奪うんだ」という経験が重なったことだったらしい。
羽化を失敗した虫たちを何度か助けてみたり、成功しても餌を取れなかったり、、自然環境に戻すのかどうかも、一生懸命一緒に考えてきた。
そんな重なった想いたちが、今彼を作ったようで、死生観もこの年にして、結構しっかりとある方だと思う。
そんな日々の上に、動物を、家族の一員として大切にすること、もうそれは上のおにいちゃんたちには至極当然のこととして根付いているのがわかる。
余談
とはいえ、わたしでさえここまでできないのに、彼はどうしてこんなにも、優しいのかな~、、と不思議におもったりもする。。
そういえばこの前、カメの口を触ってたら、「危ないよ」と注意してくれた(笑) 草食だからとおもって気が抜けてたけど、よく考えたら、ニンジンとかめっちゃバキ~ってかじってるじゃん(;'∀') あとから冷や汗でした(笑)
※でも意外とかめちゃんも甘噛みを知っている模様…。餌だと確定する前はちょびっと痛いくらいで噛んでくる。
なにから育んでいるのかな。性質もあるのかな。
今は彼の情報収集力や学ぶ力がすごくって、教わることばかり。
7歳娘のカメさんの扱い…
12歳息子は、死ぬことを悲しむよりも、生きている動物を大切にする力がある。
逆に、動物の生き死にへの思い入れが誰よりも強いのが、7歳の娘。弟がアリやクモをつぶそうとしたら、もう泣きわめいて叫んででも必死で止める。
他の兄弟には見られないことで、これは、発達段階というよりは、性質な気がする。うちは女の子がひとりしかいないから、もしかしたらこれが母性本能ってやつなのだろうか?ともおもったりするけれど。
女の子をお持ちの方の意見をもっと聞いてみたい…。
でもな~~~
扱いは、なかなか雑。
カメに餌をあげるのが日課なのだけど、ある日。。。
餌あげといてねー。というと、、
ん?!笑
100均の切り株たちが階段になってカメの水槽から続いてた笑
そこをすすむかめさん。。
どうしたの?って聞くと、
「少しずつ進んで食べて、進んで食べてって、カメさんがするのをみてみるのが、面白そうでわくわくした!」
とのこと。
そして、この切り株さんの上は、やわらかいからカメさんのお気に入りらしい。(ほんと?!(笑) まあ、フローリングよりは歩きやすいかもね…)
実はその前にも、餌を紐で結んで、ちょっと食べては少し紐を引いてみて、カメの進路をリードしてたことがあった。
冒頭に書いている通り、生き物に対して、負荷をかけない、っていう意識は芽生えてきてるのだけど、、
まだまだ「見守る」ということはむずかしく…遊び相手の範疇みたい(笑)
※相手が望んでなくても…
隣で12歳息子が、、それをみながらじりじりしてる(笑)
それでもじんわりと育っていくイノチへの想い
世話が少なくていいイノチから、すこしずつおせわが多く必要なイノチへと階段を登って、、昨日まで動いてたものが、目の前で動かなくなる、ということを経験して、、
そして、親や兄が、人と同じように、自分と同じように、イノチを尊重している姿を見て育っている娘たち。
発達上まだまだ、そもそも人間相手だって相手を思いやるということは難しい。
それでも、出会いと経験を重ねながら、今年小学生になって、確実に生き物に対する心が育ってるなぁ、、と感じるようになった。
お世話をする手も、日に日に優しくなり、排泄の片付けも、ペットが気持ち良いようにと、率先してしてくれるようになってきた。
つながる先は性教育=自分を守ること
わたしが思春期の頃感じた、イノチを知るものは、一線を越えない。
という思想は、今話題の「性教育」にもダイレクトにつながるんじゃないかと思ってる。
私自身、自分を粗末にしか扱えなかった、自分を貶めることしかできず、相手に主導権を渡し続けた過去があるから思う。
性教育の基本は、自分の心と体を大切に”思える”ことが何よりの基盤で、さらに、その基盤ありきで相手を尊重できる。
自分を大切にすることは、親との愛着形成がほとんどを占めてしまうけれど、相手を尊重するということの実体験は、物言わぬ(実際にはいろんなコミニュケーションするけど)動植物との関わり合いが、とてもともて育んでくれる気がしている。
あかちゃんとのふれあいが減ったせいともいわれるし、そいう経験を増やしてあげることは大事だけれど、「わからない」存在にたいしての接し方は、どこだってまなべるはずなのだから。
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