映画・アニメ好きへ贈る!バンドアニメの到達点「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」を語る②1話モノローグ風感想
始まりは雨。
開幕、雨模様。
満天の星に迎えられた初代シリーズや海中散歩から始まる短編などとは異なる色彩に、期待半分、緊張半分。クラシックのBGMが湿った空気をより引き立てている。
そこに、傘も差さずにスタジオに現れた私服の少女が告げる。
「……CRYCHICを、辞めさせていただきますわ」
バラバラな制服を着た一同の反応は様々。
鋭さを増す目元、なだめようと落ち着かない視線、肩越しに一瞥、不安げな上目遣い。さっそくみんなの関係性や性格が垣間見える。
バンドの脱退を告げた彼女は後ろめたさを隠すように伏し目がちだが、それでも振る舞いは言葉遣い同様毅然としたまま。何か言えない事情を抱えていそうだ。
そこに震える声が投げられ、言葉に詰まる。まだ未練を捨てきれていないのだろうか。それとも傷つけずに伝える言葉を持たないのか。
しかし売り言葉には買い言葉で応じる。「人のせいにしないで」その声には、言葉以上の思いがこもっているよう。やはり何か事情があるのだろう。
そこには仲裁が入り、そんな一連のやり取りも意に介さない背中。みんなの反応はやはり第一印象そのまま。表情一つでそこまで表現できることに感動。
そんな中、無反応を貫いていたギタリストが助け船の求めにぽつり。
「私は……バンド、楽しいって思ったこと一度もない」
全てを飲み込む雨音。
星空はまだ、遠く――
時は流れ……
冒頭の一幕。
冷たい喪失で幕を開けた物語に、さっそく引き込まれる。
言葉よりも仕草で語るタイプかも。こういうの好き。新たな物語へ期待が膨らむ。
視点が切り替わる。回想には登場しなかった人物。
石をポッケに詰め込む小動物燈と遭遇。からの転入。からの再会。みんなの前で「あの時の!」なお約束……とはならず。
千早愛音。心の声が打算的……!ミーハーなタイプだ……!とは思いつつ、なんだかんだ可愛げがある心の声。自然体ギャルではない模様。適応しようと頑張っているところに親近感。
そして愛音と祥子の邂逅。
どうやら燈と同じ学校だったらしい。燈との現在の関係が気になる。昔の女と今の女ってやつだ!知ってる!
冒頭での張り詰めた空気はない。あらお優しいこと。
なんやかんやで中盤。
「絆創膏……っ!」転んだ愛音を放り出して絆創膏を取りに走り去る燈。一人で思考が完結しちゃうタイプ……!
向かった先は天文部部室。燈の代わりにゴミを捨ててから探しにくるところに隠しきれない人の好さ。
ペンギン柄絆創膏の説明にオタク特有の早口。自分の好きなものを共有できることにはしゃいでいる様子が伝わってくる。かわいいね〜
そこで愛音が自然な疑問を口にする。
「ペンギン好きなの?」
「へ?(低音)」
緩急~!急にブレーキ踏んだら危ないでしょ!一瞬何を問われたのか理解できない声のトーンが最高!もうこの時点で完全に燈ちゃん推しに。
冒頭とうって変わってなかなか明るい展開にホッと一息。BGMもいい味出してる〜
成り行きで部室内ツアーに。いたるところに日菜先輩の息吹を感じる……!
そしてどうやら今年も羽丘天文部は部員一人らしい。天文部不人気は部活あるあるなのかな?廃部にならなくてよかったね。
睦、そよ、立希も登場。あれからみんなバラバラになってしまったみたい。でもみんな性格は変わらず。
「一生、バンドしてくれる?」
二人はカラオケに。
燈は何やらカラオケに思い出がある様子。
「私ボーカルとギターやるから、それ以外だったらなんでもいいよ」
「私初華やるから、燈ちゃんまな歌って」
自然に残り物を差し出す……ミーハー?あるあるだ……!
解散理由が音楽性の違いかもと謎にテンションが上がり、違うことにテンションが下がる愛音にまたクスッと。
そこでキャッチコピーのあのセリフ。
「一生、バンドしてくれる?」
一生という時間。それは若さゆえの曖昧な展望と、それ以上に切実な願いがもたらした、彼女の精一杯の叫びに見えた。
これ以上傷つきたくない、と――
続く愛音の反応から一転、訪れる沈黙。二人きりの世界で、回遊する光とスピーカーの振動だけが時を刻んでいる。
時間にしてみればほんの数秒。その瞬間、確かにそこに生きている二人が感じられた。信頼できる。期待が確信に変わる。
そしてEDへ。歌詞が歌声に乗って、胸に沁みる……。日常を切り取った風景も素敵。心が落ち着く。良い曲だなあ。
続けて次の話も観ることに。初回は3話一挙放送と豪華な仕様。初回1時間放送とかってテンション上がるよね。
以降、毎週木曜日に放送される最新話を待つことになるのだが、ぼくの中で木曜日が最も楽しみな曜日となるまでに、そう時間はかからなかった。