過ぎたるは猶及ばざるが如し
子どもの頃に、好きな食べ物を目一杯食べたいって欲求にからたころありませんか?
例えば、プリンを食べていて「あー、でっかい丼でプリン食べたいなー」とか、ヤクルト飲んでいて「コップになみなみ入れてがぶ飲みしたいなー」とか、ケーキを食べていて「生クリームだけいっぱい食べたいなー」とか。
でも、子どもの頃に抱く食べ物に対する欲求って、大概は自由に使えるお金の増える大学生までには実現できてしまうんだよね。
大学に入って独り暮らしを始めると、その欲求を実現しようといろいろ試みた。
プリンは、プリンの素を買ってきて、牛乳を入れて鍋で煮る。それを小さなカップではなくラーメン丼に流し込んで冷蔵庫で冷やす。作っているときからワクワク感が半端ない。でも、でっかいだけあってなかなか固まらない。何時間かおきに冷蔵庫を覗く。スプーンで優しくつんつんして固まった確認する。
大丈夫だろうと思って食べだしたら、まだ中が固まっておらず失敗。
諦めきれずに再チャレンジし、今度は丸2日冷やして無事完成。いい具合に固まったプリンをカレー用のスプーンでほおばった。
ヤクルトは12、3本くらいを丼に注ぎがぶ飲み。これは注ぐだけなので簡単だった。ちなみにヤクルトって、あの人口言語のエスペラント語のヨーグルトに由来しているんだよね。
生クリームは泡だて器でひたすらかき混ぜて、ボールいっぱいにつくった。そこにやはりカレー用のスプーンを入れて、思いっきりほうばる。至福の瞬間のはずだったが、
「あれ?甘くない・・・」
はい、砂糖を入れ忘れました。というか、当時はあのクリームを泡立てるだけで甘くなると思っていたんだよね。実はあんこも小豆を煮るだけで甘くなると思ってたので・・・。
なので、再チャレンジ。今度は砂糖を入れるの忘れずに、これもルンルン気分で、鼻歌なんか歌いながら泡立てた。
このように、子ども頃の欲求を実現できたわけなんだけど、実現して分かったことがある。しかも、この3つすべてに共通して。
それは、食べているうちに気持ち悪くなること。
そりゃそうだよ、あんだけ甘いものを大量に食べるわけだから。プリンもラーメン丼全部食べて、生クリームもボール一杯なめつくし、ヤクルトも500ml以上を一気にがぶ飲みするんだから。
決まってその後は、トイレと兄弟の契りを結んだ。
そして「やっぱり何にでも適量があるんだな」って大学生になって学んだ。
そういえば、食べ物以外にも子どもの頃に考えた欲求があって、それはいまだに実現できてない。
「日本国民全員から1円ずつもらえば大金持ちになれる」
誰もが思ったことがあるんじゃないかな。どう考えても全国歩き回って1円ずるもらうなんて不可能だし、そもそも1円であっても、見ず知らずの人がくれるかどうか分からない。でも子どもの頃は、そんなことを真剣に考えた。
でもさ、これって今考えるとクラウドファンディングだよね。自分の夢を実現するために見ず知らずの人に支援をお願いする。まあ、大金持ちになりたいって不純な動機じゃだめだけどね。