【ゲームレビュー】スーパーマリオワンダー「メトロイドヴァニアの良いとこどりした2D横スクの最高傑作」【Switch】
※本レビューはネタバレを含みます。
また、個人の感想によるものです。
【評価/10点】
9点
Youtubeで完全クリアまでプレイしている
ので良かったら見てみてください。
【良かった点】
・メトロイドヴァニアの探索とビルドに似た要素
本作はマリオシリーズの絶対法則である
右スクロールと面クリア型を守りながらも
近年2Dで人気のジャンルとなっている
メトロイドヴァニアの要素を
上手く取り込んでいる。
各面に必ず一つ(以上)隠された
ワンダーフラワーを探すのは
お試し版探索型メトロイドヴァニアの
ようであるし、
一つだけつけられるバッジにより
新しいアクションができるようになる
バッジシステムもHollowKnightに見られる
ようなビルドを
超簡易にしたもののようである。
これらの要素はゲームに深みを持たせる
反面、
UIやボタン割り当てが複雑になりがちで
初心者には分かりづらいものであるが、
本作は絶対に初心者を置いていかない
という強い意志が垣間見えるほど
画面の見た目もボタンも
わかりやすくなっている。
・初心者救済から縛りプレイまで網羅したバッジシステム
バッジシステムは他のゲームであれば
個別の機能として導入されている
ようなコトが
一つのシステムに集約されている
点がスバラシイ。
復帰ジャンプや!ブロック出現は
初心者救済措置でありながら
ヌルゲーにはさせない程よいバランスを
生み出しているし、
ダウジングはクリア後の完全クリア達成に
向けて役立つ機能になっている。
バネや透明は完全に縛りプレイ用であるが、
これらを強制されるバッジチャレンジは
歯ごたえを生み出しているし、
帽子パラシュートやフロートスピンや
2ステップジャンプは
Newマリオシリーズで見られた
アクションを再現している。
これらの要素は個別に導入させると
メニュー画面が煩雑になったり、
ボタン配置が複雑になったりするが、
バッジとして一つにまとめられていること
こそが分かりやすいUIを実現している。
・飽くなき探求を可能にさせるワンダー
私は本作を夢中になってクリアまで
プレイしたが、
飽き性な私がまだまだプレイしたいと
思い続けられたのは
ワンダーのおかげである。
毎回不思議なことが起こるワンダーだが、
使いまわしがほとんどないことが
驚きであり、
次は何が起こるかな?という
ワクワクを提供し続けてくれた。
姿が変わったり、
スクロール方向が変わることで
アクションが変化する
ワンダーだけではなく、
敵キャラが歌を歌いだすステージや
スターで無敵になって駆け抜けるステージ
など
ゲーム性だけでなく見てて楽しかったり、
爽快感を得られたりする
ステージがあるのも良かった。
・魅力的なプレイアブルキャラ
本作では2Dマリオで初めて
デイジーとヨッシーを使うことができる。
いつでもプレイするキャラを変更できるのも気分転換のために良かった。
ヨッシーは
初心者救済のための無敵キャラであるが、
前作でその役割を担っていた
トッテン以外の無敵キャラの選択肢が
増えたことが大きい。
正直、トッテンって誰?
ってなっていたし、
ゲーム慣れしていない子供が使うこと
を踏まえると
見た目に愛着がわかないトッテンよりも
ヨッシーのほうが
愛着がわいて良いに決まっている。
【イマイチだった点】
・ボスが弱い
あくまでそこそこゲーム慣れしている
プレイヤー視点の話であるが、
ボスが軒並み弱い。
各ワールドのボスは
毎回フィールドが変化するので、
楽しめたがラスボスはさすがに簡単すぎた。
ただし、このラスボスの弱さは
分かったうえで
あくまで歯ごたえよりも
演出を優先した結果だと思うし、
評価できる点ともいえる。
また、ゲーム初心者にも向けられた
ゲームであることから
ストーリークリアまでは
やってもらうために、
攻略必須なボスは弱く設定してあるのだろうと察する。
あくまで慣れたプレーヤーには
簡単すぎるというだけなので
ゲーム全体の評価を下げてしまうような
マイナス要素では全くない。
ちなみに収集要素をすべて達成した後に
出現する本当の最終ステージは
完全初心者お断りな難易度になっており、
完全クリアを目指す場合、
アクションに慣れたプレーヤーでも
十分な歯ごたえを得ることができるだろう。
・一部隠しステージの解放条件がわかりにくい
これだけは明確なマイナス評価点だが、
一部ワールドでスペシャルステージに
行く方法がわかりにくい。
普通のワールドでは脇道のステージを
クリアすることで
スペシャルステージが解放されるように
なっているが、一部ワールドでは
行く必要のない家に再度訪れることで
スペシャルステージへの道が解放される
ようになっている。
まだ見つけていない
隠しゴールがあるのではないか?
というミスリードにつながっており
ここだけは不親切に感じた。
(逆に言えば不親切な要素は
これくらいだった。)
プレイ時間
10時間(クリアまで)
+8時間(メダルコンプリートまで)
まとめ
王道アクションのようで、
近年の2Dアクションで人気の
メトロイドヴァニア要素を
取り入れながらも、
初心者にも薦めやすい
幅広いターゲットに訴えかける名作。
カービィシリーズにも多く見られる
演出面の強化についても
今後のゲームのお手本のような
様々な演出の引き出しを見せており、
「それマリオメーカーで良くね?」
という反論と
2Dアクションの限界を
完全にぶち破ってみせた。
様々なアイデアを
ワンダーというシステムで
次々と継ぎ込んでくるゲーム構成は
たった一口のためだけに
素材を使い捨てる高級料理のようで
任天堂という一流シェフだから許される
ゲーム作りのように感じられた。
長年続いた
Newマリオシリーズを断ち切った分岐点
として
今後のマリオシリーズの更なる広がり
を思わせる作品といえるだろう。
備考
採点基準
10点:人生が変わるレベルのゲーム。買え!
9 点:超良作。買うべき。
8 点:良作。興味があるなら買ってほしい。
7 点:問題もあるが、総合的には面白い。
6 点:平凡で遊べるが、特に勧めはしない。
5 点:良い部分あれど総合的には良くない。
4 点:面白くない。
3 点:プレイするのが苦痛。
2 点:まともにプレイできない。
1 点:1点以下をつけることはおそらくない。
筆者のシリーズプレイ歴
スーパーマリオブラザーズ(初代)
マリオ3
マリオUSA
マリオワールド
Newマリオ(DSのやつ)