2024/5/26 フェニーチェ堺
まず最初に、佐渡さんのお話。覚えてるだけ順不同で。
このフェニーチェ堺で、オープンの時にホセ・カレーラスさんとやった。(佐渡さんはカレラスさん、と発音しておられた)
かてぃんさんのアゴが細い、という話も。(アゴ...細いかなあ?🧐意外と男っぽいアゴだと思ってたけど。前から見たら...ケツアゴ...ごめんなさいごめんなさい横から見ると薄いかも😅首も結構太いように思えるから対比の問題かも)
「五回も六回も一緒にやったら、だいぶ面白い、お茶目な人なんだな、とわかった。オケのみんなも、僕も、大好きになった。」
「交響曲五番、五番っていう数字がもたらすものがあって、色んな作曲家の交響曲五番はみんな名曲。『運命の音』がずっと、色んな形に変わって聴こえてきます。」
チャイコフスキーピアノ協奏曲一番
一楽章
あの、余りにも有名な出だし。あれは今まで、凱歌、何かに勝ち誇っている音に聴こえていた。しかし、この度の演奏は、登山に例えられていた通り、出だしは着実に、少しずつ一歩ずつ始まった。何かに勝ち誇ったりはしていなかった。ただ、確かな喜びに満ちていた。本当にニッコリ笑いながら弾いてた。
その喜びの気持ちは、登山に例えれば、カールのお花畑。遠くのピークも間近に見えてる。しかし霧がまいてきて、雷が鳴って、雨が降り始めて、ピークも見えなくなる。
良く知ってる景色、旋律は、あちらこちらにたくさんあるけど、それ以外の部分、こんな箇所あったっけ?というようなところ、静かな..静かすぎて印象に余り残らないようなところこそ、なんだかハッとさせられる。きっと雲間から光が差した瞬間や、生き物の密やかな気配がした瞬間。
素早く弾く所で、打鍵音がくっきり、まるで打楽器のように聴こえる。そんな近くの席じゃなかったのに。すごくよく聴こえるホールだ。
そして、どうして楽章間で拍手したらいかんのか...すごく拍手したかったです。音の出ない拍手をしてしまった。
二楽章
フルートとの掛け合い。かわいいなあ、子供が真似するみたいに、ピアノが真似っこして遊んでいるよう。私も入れて欲しい、と、思わずフルートの音に嫉妬する。そして、極上のトリル♡天上の光が、そのまま切り取られて地上に持ってきたような音がする。あんな声で鳴く鳥がいるなら飼いたい。何回も、鳴くたびに、耳がうわあってなる。
三楽章
1番楽しみにしていた三楽章。二台ピアノで🐢さんとの盛り上がりも楽しかったけど、やっぱりオケと一緒なのは、さらにすごかった。
ピアノの音が身をくねらせてもがきながら進んでいくのを、オケがドーン!とかまえて手助けしていた。ラプソの最後と同じような、オケと合いづらい所、ここは!という箇所で、佐渡さんがなんと!歌ってリードした?!?!えええ、そんな指揮のやり方もありなんだ。唸っていた。気迫がすごい。
その後の広がっていく音楽に合わせて、マエストロはガッツポーズのような、拳を握ってかかげて、最高潮に持っていく。私も握る手に力が入る。
佐渡さんが半身をねじって、ピアノやコンマスをふり返るたびに、私も指揮をされている気分になって、背筋が伸びる。オーケストラじゃなくて、観客の気持ちを直接指揮されているんじゃないか、と思う。
最後は凱歌だった。音楽の勝利。存分に勝ち誇っている。打ちのめされた。
MCとソリストアンコール
「僕は知らなかったんですけど、この辺はハニワが有名なんですってね。熊本でくまモンTシャツを着てた、とSNSで投稿したら、ここのホールの方が、フリだと思ったらしくて、楽屋に「ハニワ部長」のTシャツが置いてありました。なので、今、着ています。」って言いながらドレスシャツに手を当てたので、一瞬、え😳脱ぐ?????と思っちゃった
ショパンワルツ一番
はやいはやいはやい。たまに「おっとはやすぎた」って気づいた、みたいなゆったりが入るけど、すぐ元のテンポに戻ってゆく。ショパコンのセカンドラウンドの時よりも早かったと思います。ミシンのような正確で美しい打鍵。
休憩のあと、チャイコフスキー交響曲五番
さっき山登りしたのに、次はマリアナ海溝に沈む、くらいの覚悟をもって聴き始める。
でも、冒頭は確かに暗く暗く始まるけど、コロコロとシーンが変わる、結構派手で、華やかな曲。MCで言われていた通り、ずっと「運命の音」が聴こえてくる。
そして最終楽章、ある輝かしい瞬間、私が丸ごと肯定されたような気がした。私は、カガヤカしい瞬間とは無縁な人生を歩んできたけれど、しかし、私の人生は、生きてきただけで輝かしいよ、と大声で言われてたような気がして…。そして、またガッツポーズのように振り上げた佐渡さんの拳に、勝手にエールをもらってしまったので、泣いた。
なので思わずCD買っちゃった。これできっと一生、栄光に包まれて生きていけるわ...お買い得だ😆
終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました♪
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