僕の街から吉野家が無くなったのでDiscord町内会を作った その2
前回までのあらすじ
町のランドマーク的な機能すら持っていた、巨大飲食チェーン「吉野家」の撤退をきっかけに、楽器屋・呉服屋・金券ショップの店主達が集まった。
楽器屋スキルと呉服屋スキルしかない二人に対して、金券ショップの桜田さんは、豊橋市のまちなか地域で「まちづくり」に関わっていた。
桜田さんの「町にとって、食べ物屋さんが重要」という話から、友人を呼んで「町のテイクアウト惣菜持ち寄りイベント」を開催。そのイベントの意見を汲み取って企画や協議会を作ることに!(詳細)
イベント「南栄を食べつくす」のディテール
前回紹介した惣菜持ち寄りイベント「南栄を食べつくす」。声をかけた友人の中にはCHI&MEの竹本さんがいた。竹本さんは南栄初心者である。
竹本さんは趣味で豊橋駅前エリアのお店を紹介する冊子を作っている。しっかりした印刷物で「モノ」として楽しい。「南栄をたべつくす」というイベントタイトルは、上記冊子「まちなかを噛みしめる」に対応して「◯を△」構造でタイトルを決めた。つまり、竹本さんに南栄をプレゼンするイベントでもあったのだ。まち歩きでも竹本さんに面白がってもらえるには…と考えていた。また、一番気をつけなくてはならないのは、この活動は竹本さんの「趣味」であることだった。
南栄の飲食店MAPを作る事は、「南栄を食べつくす」というイベント発案と同時に、なんとなく出来そうな事として私の頭に浮かび上がっていて、このプレゼンが上手く行ったのか、竹本さんは、南栄MAP作りに協力してくれる事となった。
「趣味の熱量」
CHI&MEはユニットで竹本さんとは別に、職業デザイナー根津さんも参加している。デザインに関しては見積りが出せるので経費をどう捻出するかで済む。問題は「趣味の燃料」。お金とは違う燃料である。プライベートの時間を使うので「納期」との相性も悪い。趣味は、経費や納期に関係なく、好きなことを好きなタイミングでできるのが大切だ。
南栄MAPは「竹本さんが好きなようにするための経費や、取材協力体制のサポートをする」と決めた。
一般的な製作の形でいうと、竹本さんがディレクターで、私がプロデューサー兼ADである。私は資金集めをしてAD的に取材協力してもらう為の挨拶をする。読む人の目線、取材される人の目線に気を配る。
監督は趣味なので、熱中が冷めないように躓かないように、地元情報を駆使して、製作過程にある石をどけたり、危ない道を回避するように進める。
趣味とは熱中である。「自分何してるんだろ?」と思ってしまったら暗礁に乗り上げる。
幸い他の協議会のメンバーも、自発的に町の飲食店を利用してくれた。学生を連れて飲みに行ったり、友人との会合で刺し身やコロッケ、餃子を食べたり。みんなの努力のおかげで、企画立ち上げからの納期に至るまで、かなりスムースな取材が出来たと思う。
取材NGなコンドーパンのお母さんに特別取材ができた。これは快挙だった。
うどん屋さん「みやこ」は呉服屋の山﨑さんが、趣味の骨董関係で娘さんと仲が良いことが判明したり、町の人達とのつながりが出来てきた。
余談だが「コンドーパン」と「みやこ」の2店は今「負けヒロインが多すぎる!」にも出てくる聖地となっている。僕たちは運が良い。
南栄グルメ探訪
私が、ゲラを持って取材店にまわり、内容の確認や訂正をする。
作った冊子のタイトルがCHI&MEから送られてきた。
「南栄グルメ探訪」
絶対に町の中にいる人では出てこないタイトルである。
竹本監督の質感のこだわりなどがあり、発行枚数に限りがあるのでフィジカルはレアであるが、WEB版が以下のリンクから参照&ダウンロードできる。
地元新聞社も取り上げてくれた。報道関係はできればテレビ系で…と思ったが豊橋はテレビ局が無いのが痛い。しかし、SNSを見ない世代にも届いたでローカル新聞社の届く範囲が分かりおもしろかった。
どれだけ、気を配っても、やはり製作には困難なこととか挫けそうな事とかあるのではないかなと思う。「誰かに貢献して報われる」というのは、趣味でも仕事でも同じようにある。この記事の下書きを竹本さんに確認してもらっているが、恩着せがましくて申し訳ない。と思いつつ、大切にしていることを言葉にして伝えるのは大切なのだ。CHI&MEのみなさん!ありがとうございます!
ということで、次回に続きます。