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ドラムという趣味 その4〜白井式ハイブリッドドラム消音セット

「白井式ハイブリッドドラム消音セット」の詳細は、この記事の中盤から書いています。早く本題を読みたい方は中盤からどうぞ。
そして、マガジンにまとめました。ドラム系の記事はこちらで更新していきますのでフォローしてくれると私が喜びます。

ギターをはじめようと思ったらギターを買うけど、ドラムをはじめようと思ったら?

ドラムという趣味 その1で、練習パッドやスネアドラムの話を出しました。本当はドラムセットが欲しいけど、これくらいならなんとか…という気持ちで自分の楽器を手に入れる。「スネアドラム」と「ペダル」と「シンバル」が代表的です。日本の多くの地域に「バンド練習スタジオ」があり、備え付けのドラムセットを借りるのが、一番人口比率が高いドラムセットとの付き合い方だと思います。演奏する時にもドラムセットをレンタル業者に借ります。アメリカやヨーロッパにはバンド練習スタジオはあまりなくて、ドラムセットは自分で買うのが普通だそうです。

うちの会社でもこのように音響機材と楽器もレンタルしています。

このように借りたセットに、自前のスネアドラムやペダル、シンバルを載せ替えて使います。初心者は「楽器の調整を覚えるために」自分の楽器を導入する。ある程度調整が分かってきてから音楽にとって必要な音のためにスネアドラムを選ぶ。というスキルを身につけていきます。初心者のうちは、道具(楽器)を買ってもすぐに問題解決できないですが、これも楽器というプリミティブな道具の面白さですね。

振動の問題1(練習パッドの場合)

思いがけずドラムをはじめる事になったという映画があります。「異動辞令は音楽隊」内田英治監督、阿部寛主演の映画です。

映画内で阿部寛さんがドラムを演奏するシーンがあるため、練習をするのですが、ロケで豊橋市に滞在するホテルの部屋で練習するので、私が考案した練習パッドを買ってくれました。練習パッドを打った衝撃が床に伝わらないように工夫している物です。この映画、私も出演していたり、私の会社のスタジオを使ったシーンもありますので、お時間ありましたら是非。

振動の問題2(ドラムセットや電子ドラムの場合)

従来は、ドラムが好きな有志が考えたディスクふにゃふにゃシステムなどDIYで防振床をつくる人が多かったのですが、手軽にドラムセットを防振するツールがドラムメーカーから発売。
効果を説明するためにお客さんの家に取材にいきました。

電子ドラムの話

初心者の人が「生ドラムをスタジオで触ったら全然違った」みたいなケースは多いです。そもそも楽器が発音する仕組みが違うので、そのあたりを理解していれば、電子打楽器も良い道具だと思います。

ドラムという趣味その2その3を書いた流れから、ある場所でプレイヤーとエンジニアの方と電子ドラムの話題になりました。どちらも一流のプロフェッショナルな方達です。要約すると「プロが電子ドラムに求める機能性と、初心者が求める使い方は違うよね」という話でした。

初心者が求める練習台としての電子ドラムを考えると、30万円くらいが一番成熟しているプライスゾーンだと思いますが、実際の予算は10万円以下の人が多かったりで、まだまだ最大の需要プライス帯では難しいというのが現実。
このあたりの突っ込んだ話は最近のドラムコミュニティでも、電子ドラム+ソフトシンセの話が出てます。電子ドラム関係に興味がある方はチェックしてみると楽しいかも。

多くの初心者が電子ドラムに求めるのは一言で言えば「ドラムセット型練習パッド」だと思います。

白井式ハイブリッドドラム消音セット

もう17年も前の事なんですが、「電子ドラムで練習したけど生ドラムを叩こうとしたら勝手が違って叩けない…」というクレームに近い言葉を頂きました。私は接客時に生ドラムとは違いますと説明して販売しているのですが、世の中の情報(主に広告)をまとめると、大丈夫と判断されたのでしょう。内心「僕は悪くないのに…」と思いつつ「代替え案を提案できないな」と反省しました。

  • ドラムセットの発音構造を維持したまま、電子ドラムくらい音量を下げる

  • ドラムセットの簡単に組み立て片付けができるメリットを活かす

  • 実際に自分が使いやすい事

  • 低価格な電子ドラムと同じくらいの10万円くらいの予算感

などなど、当時の自分が楽器屋・ドラム講師として働いていた知識を活用し、できたのが「白井式 ハイブリッド ドラム消音セット」です。

筆者の白井式ハイブリッドドラム消音セット

この頃は楽天市場に出店していたのですが、シライミュージックという名前を広めるために「白井式」として、楽器の仕組みによって消音材を変える方式と当時の様々な事がハイブリッドになったブームにあやかりつつ、「ドラム 消音」というGoogleの検索候補にもかかるようにつけた名前でした。2000年代って感じですね(笑)

自分のドラムセットを買う理由ができる

これが一番大きな白井式のメリットです。自分のドラムセットを買ってもライブやレコーディングをする場所でしか使えない。キャンプにおけるテントのようなものが、自宅で練習台の基礎にもなるとしたら、キャンプ道具におけるテントを超えて、調理器具クラスの普段使いツールになるんですよ。
価格もアコースティックドラムは、驚くほど安く買えます。ドラムは単品で購入するセットのほうが割安になるケースが多いんです。

メッシュヘッド

タムにはメッシュヘッドを採用

ドラムの打面の膜を網状にしたメッシュヘッドというものがあり、これをタムとバスドラムに採用しています。Rolandを代表とする電子ドラムのパッドの打面にもメッシュヘッドが採用されています。電子ドラムの場合は、シンセサイザーを鳴らすための圧電式センサーとスティックの間に入る媒介として使用するのですが、アコースティックドラムの場合は、ボトムヘッドが適度に響きます。それは、ドラムシェルという筒を通って演奏者に聞こえるのですが、音量はかなり小さいんです。また、価格が安価で丈夫なこともあり採用となりました。
バスドラムに関しては、ソフトサウンドビーターなど他の方法も考えられるのですが「初心者が使っても音量が小さい」ということを重要視しています。中級以上になったら、ソフトサウンドビーターもオススメです。

リアルフィール

EVANS RealFeel 類似品と比べるとぜんぜん音が違う

スネアドラムの消音には、EVANSのリアルフィールというパッドを使用しています。類似品もありますが、スネアドラムの音のニュアンスを残しながらパッドの音の存在感が少なくやはりこれでなくては…と思います。スネアドラムはスタジオに持っていく事も多いので、ヘッドの張替えをしたくないですし、スネアドラムにメッシュヘッドを使うと心地よい音にならないなど、デメリットも多くコスト的メリットと天秤にかけても、圧倒的にリアルフィールが良かったのです。

発泡ウレタンのシンバルミュート

長年使い倒しているミュートですがまだまだいけます(笑)

今は小さな音量のシンバルも販売されています。その中でも、ZildjianのLow Volume Cymbal L80が一番音が小さいと思います。類似品は音がかなり大きいです。Zildjian L80よりも発泡ウレタンのミュートの方が音量が小さいのでこちらを採用しています。問題点としては、ぶっ叩くと音量が大きくなります。基本初心者に対して小さな音量が出しやすい形にしていますが、ここだけは「響かせる」と「ぶっ叩く」の違いを知る鍛錬の為に発泡ウレタンを採用しています。

大切なのはバランス

料理研究家の方が発表したレシピに「~の代わりに~でも良いですか?」というコメントが来て「レシピ通りに」っていう返信に共感しました。
白井式ハイブリッドドラム消音セットも「~の代わりに~でも良いですか?」と聞かれたら「レシピ通りに」と言いたくなるかも。
自分で色々な道を探るのは良い事だと思います。「~でも良いですか?」って聞かれて、なんで不採用にしたのかを答えるのは難しいってだけなので、黙って試して「白井式よりこっちのほうが良かった!」って発表して欲しいです(笑)

初心者から上級者になる段階で、バスドラムのメッシュヘッドをソフトサウンドビーターにしたり、シンバルをローボリュームシンバルにしたり、メッシュヘッドをASPRのBOOMにしたり、コントロールが出来るようになると選択肢が広がります。白井式ハイブリッドドラム消音セットは「初心者の人が消音するならこのバランス」ということで、取扱説明書や取扱説明動画も含めて販売しています。

アコースティックのドラムセットと電子ドラムを比べて自分が欲しい!と思うものを購入するのが一番。もし「本当はアコースティックのドラムセットが欲しい」のならば検討しても良いと思いますよ!
ドラムセット+白井式ハイブリッド消音セットの参考価格です。意外な価格じゃないですか?

消音して練習する時にも活躍するミニミキサー
このあたりの話も追々していきますが、曲をイヤホンで聞きながら練習したり、スマホのスピーカーで鳴らしながら練習したり白井式で消音したドラムでもいろいろなスタイルの練習が楽しめます。

電源含めコンパクトでコンプレッサー付きで意外と便利なYAMAHA AG06 mk2

白井式ハイブリッドドラム消音セットに関しては最新の動画も制作しますのでお楽しみに!

noteに書くべきことは書いたので、今後はもっとnoteらしい使い方で更新していこうと思います。
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白井としみつ
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