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アレルギー表示をめぐる事故の数々

こんにちは、『食品表示のミカタ』です。

定期的にお届けしているメルマガですが、今回、飲食店・食品メーカーの方向けに、知っておきたい食品表示のイロハをお届けしたいと思います。

第三弾では、アレルギー表示をめぐる実際の事故やリスクについて紹介したいと思います。


アレルギー表示欠落による事故

食品産業センター「食品事故情報告知ネット」では、毎月数々の食品事故が紹介されています。

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同サイトによれば、2020年1年間におきた食品事故は717件、そのうちアレルギー表示が正しくなかったことによる事故は234件とされています。

つまり、世の中で起きている食品事故の約30%が不適切なアレルギー表示に起因しているんです。


実際の事故事例

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事例①:「田作り【商品回収】」(2021年1月22日)

回収対象品:
 名称:「田作り」
 形態:合成樹脂容器入り 内容量:50g
 消費期限:令和3年1月1日引用
回収の理由:大豆、小麦のアレルギー表示の記載漏れ
想定される健康への影響:大豆、小麦に対するアレルギーの方が喫食した場合 健康被害の恐れがあるため

引用:https://kokuchi.shokusan.or.jp/Notification/index/infoNo/202101048


事例②:「ローストチキン(ハーブ味)【商品回収】」(2020年12月24日)

自主回収対象品:
 商品名:ローストチキン(ハーブ味)
 形態:合成樹脂包装
 内容量:180g(1個)
 消費期限:20.12.20~20.12.24
 保存方法:4℃以下
回収理由:
 別添シールで表示すべき原材料,添加物,栄養成分表示が漏れており、
 「特定原材料(卵・乳成分・小麦)を含む」表示がされていないため。
回収に至った経緯:
 12 月22 日に従業員が店舗巡回を実施した際に発覚
販売数量:合計740個

引用:https://kokuchi.shokusan.or.jp/Notification/index/infoNo/202012059


このように、日々様々な店舗・工場でアレルギー表示に関する事故が起きています。

事例②では740個もの商品の回収が起きており18万円+送料の返金が発生することになっています。返金以外にも、新聞告知をすればその料金が発生する上、その後の売り上げ減少も考えられます。社会的な信用に傷がつくことはもちろん、突発的にこのような支払いが生まれることは経営においても多大な影響をもたらします。


なぜこのような事故が起きるのか

このようなアレルギー表示欠落の原因の一つに、度重なる法改正が挙げられます。

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上記の図の通り、義務・推奨の項目は都度調査・更新されているのが現状で、いつ・何が変更になるか常に情報をキャッチアップしておく必要があります。

独立した品質管理部門を持たない町の飲食店や比較的小規模な食品業者ではこの情報へのキャッチアップが適切に行えず、正しくない情報(旧法での記載など)による食品事故およびリコールなどを招くケースがあります。

その他、ラベル作成の際に、手動でデータを転記して行く中で、知らないうちに情報を欠落させてしまっているなどのケースもあります。

このような事故を防ぐためにも、日々厚生労働省の発表を確認したり、そのような情報が入ってきやすいように同業他社との付き合いを広げておくなどの対策を行っておくと良いでしょう。


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