UXリサーチから、「解決策」ではなく「議論・対話の材料」を。
リサーチ結果の報告の際、「プロのUXリサーチャー目線での解決方針」を求められることがある(「どうしたらいいですか?」)。
経験や知識がある程度豊富なリサーチャーだったら、いわゆる"エキスパートレビュー"を通じて何らかの解決策を示せるかもしれない。もしくは、クライアントの開発チームと長らく協働していて、ある程度社内リソースや戦略を知っている状態であれば。
わたし自身は、UXリサーチャー歴1年。かつ、そのようなお声をいただいたクライアントとの関係はまだ浅く、戦略もリソースも対して理解しないまま一旦調査を行った状態(自身のヒアリング力不足は否めない。ここも決して簡単ではなく挑戦しがいのあるところ。別記事にて書きたい)。
うーん、、、この状態で「こうあるべき」みたいなことは言えない。。。というか、リサーチャーとして「解決策を出す」のは正解なのか?とモヤる。そして事業会社でUXリサーチを行なっている友人の顔が浮かぶ(「社外から解決策を提案されたところで、社内リソースとか戦略の兼ね合いがあるから、結局採用できないことが多いんだよね...」とのこと)。
先輩リサーチャーへ相談(こういうときにすぐ相談できる環境は本当にありがたく、貴重だと思っている)。
いただいたアドバイス。実際に改善しつくっていくのはクライアントなのだから、私たちが答えを出すのではなく(そもそも出せない)、彼らが考えるための材料を与える(リサーチ結果をもとに、問いを投げかける)ことを意識してはどうか。
ふむ。なるほど。それは色んな意味で的を得ている気がする。今の私ができること、という観点からしても、私自身が目指したいUXリサーチャー像※という観点からしても。※答えを与える専門知識バリバリのリサーチャーというよりは、ユーザー視点という材料をチームに放り込んで、メンバーの創造力を刺激し、議論や対話が生まれる場づくりに貢献できるリサーチャーがいい...(ということは...これが課題かも!?ああしてみたらどう?こうしてみたら?...という会話が生まれて欲しい)
意味ある気づきを得つつ、改めて自分の向かいたい方向性を確認。そして、1年かけて「ユーザー視点を提供すること」に注力してきた自分の、更なる注力点も何となく思い浮かんできた。ユーザー視点を材料に、相手が効果的に議論や対話を行うための良い「問い/観点」を提供すること。「ユーザー視点はこうでした。」→「で?」の部分。ここを強化するにはどうしたら良いかな。
自信でトライしつつ、先輩のやり方も観察しつつ、関連のありそうな本も読んでみる。安斎勇樹さんの「問いのデザイン」を熟読中(めちゃくちゃ面白い)。何か、すぐ活用できる発見を得られますように。
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