教え子の結婚式
● 卒業生との嬉しい再会
教え子の結婚式に呼ばれて行ってきました。
今から10年前に卒業したクラスの女の子です。
学年2クラスの小さな学校でした。
彼女,Aさんは3年間ボクが担任しました。
小柄だけどパワーのある人。
3年では学級委員や学年合唱の指揮者を務めました。
体育館の集まりなどで前に立つ人が「~しましょう」と話すと,
「ハイ!」と元気に相の手(あいのて)を入れる人でもありました。
式には同じ学年の女の子ばかり8名が招待されていました。
「先生,変わってないね」
「う~~ん,キミたちは変わったなぁ。すごく美人になった」
「またぁ~,冗談ばっかりのところも変わってないよ」
成人式のお祝い会以来会っていない子もいるけれど,すぐに打ち解けてしまいます。
●センセイ,アレやっているの?
「先生,まだアレやっているの?」
「アレって,どれ?」
「仮説実験授業!」
「まだ言えるんだ,スゴイでしょ」
「学級通信は?」
「私だって,全部持ってるよ」
「紙風船でしょ,懐かし~~~い」
みんな,ボクが大切にしていたことをちゃんと覚えてくれていた。
ありがたいなぁ。
ボクは「スピーチと乾杯の発声」いう大役を仰せつかっていたのですが,
終わったあとに,
「先生,良かったよ」
「ちょっと泣けた~」
「話し方変わっていないよね」
「そうそう,何だか授業を受けているみたい」
など言ってもらえてホッとしました。
10年経った卒業生たちに,すっかり気をつかってもらってしまったようですが,とても楽しいひとときを過ごすことができました。
● 教え子たちの進路
そんな彼女たちの進路は--。Aさんは今年4月から少年鑑別所勤務。
大学で教育心理学を専攻していたので学校のセンセイになってくれるかなと期待していたのだけれど,少し違った道になりました。
法律を犯してしまい家庭裁判所から送られてきた子どもたちと向き合ったり,子ども本人や,保護者,学校の教師などから,非行,いじめ,家庭内暴力,交友関係,引きこもり,しつけなどの相談に応じるお仕事。
Aさんの教官も参列していたのですが,「大人たちに裏切られて裏切られて,ここまで来てしまった子どもたちばかりなので,正直大変な仕事です」とおっしゃっていました。
他の卒業生は,「大手化粧品メーカーの営業」「羽田空港のカウンター勤務」「医院の受付」「専業主婦」「大手総合研究所」「社会福祉士」
「ちゃんとやってます。生きているから安心してください」(笑)
何をしているんだろう?すご~く気になるけれど(^^;)。
「保育士になるつもりで大学にも行ったけれど,いろんな人との出会いの中で変わって来ちゃって」というBさんはプロのカメラマン志望。
20数万円の本格的なカメラを構えて,式のスナップ撮影を任されていました。彼女たち,Bさんと同じく,中学時代の夢(目標)とは違う道を歩んでいる人がほとんどでした。ボクだって中学生の頃は,「センセイ」になるなんて夢にも思ったことがなかったものなぁ。
でも,いいんです。彼女たち(ボクも),幸せそうでしたから。
―― 以上です。
これはもう10年ほど昔に書いた通信です。中学1年生の担任でしたが,
ちょっぴり「進路学習」も意識しています。
さて,この時のクラスにいたTさんが,今年(2023年)秋に結婚をします。お相手は同じ学年のWさん。卒業生同士の結婚というのは嬉しさ,めでたさ2乗です!そして,二人から「ビデオレターを送ってください」というリクエストをもらいました。
嬉しいなぁ~💛
「教え子の幸せ」は「センセイのボクの幸せ」です。そして「幸せを共にできる一瞬」って,めったにないだけに,とても嬉しいです。