スターター統率者デッキから始めるEDH ~デッキの概要と低予算改造案~④ ドゥームスカージ・カルダール編
はじめに
今回は「ドゥームスカージ・カルダール」デッキ(公式名:「渾沌の具現」)の紹介になります。公式のデッキリストは以下リンク参照
「ドゥームスカージ・カルダール」は多人数戦ならではの非常にユニークな効果を持った統率者となっていおり、これまで紹介した3デッキよりもさらに「多人数戦であること」に特化した戦いができます。
それではデッキ解説の方に移っていきます。
デッキ解説
「ドゥームスカージ・カルダール」は場に出た時に使嗾(しそう)に似た効果をプレイヤーに与える効果と、攻撃クリーチャーが死亡すると1点ドレインの常在型能力の二つの能力を持ちます。
使嗾に似た効果と書きましたが実際はより強力で、プレイヤーに影響する能力のため、速攻等で後から出てきたクリーチャーでも漏れなく能力に引っかかります。また、場に出た時に誘発して効果が解決された後にカルダールが除去されても効果は残ります。
この効果を使って相手同士を争わせて自分は漁夫の利を得るというのがカルダールの基本戦術と言えます。
カルダール以外にも使嗾を付与するカードが多く搭載されており、とにかく敵同士を戦わせることに焦点を当てた構築がされております。また、カルダールのドレイン能力を期待してか、ライフルーズしてアドバンテージを得るタイプのカードもいくつか採用されています。
構築済み同士で戦う場合、どのデッキにも基本的に即死コンボは搭載されていないため、ビートダウン環境になりがちですが、カルダールと各種使嗾カードにより敵クリーチャー同士を争わせやすい本デッキは構築済み同士の戦いでは非常に強力と言えます。
しかし、しっかりとした構築を施されたデッキ相手ではそうもいきません。クリーチャーを並べずにコンボを狙うデッキや、除去を多く積んだコントロールタイプのデッキや、膨大な打点で周りを全員殴り倒してカルダールとタイマンに持ち込むデッキもあるかもしれません。
今回の改造ではこれらのデッキにうまく対応しつつ、相手同士を争わせ続けられるような強化を施していきたいと思います。
デッキの改造
デッキの基本コンセプトは構築済み時点と変わらず、相手同士を争わせ続けることとなりますが、カルダールがお祭りを起こせるのは場に出てから卓が一巡するまでなので継続して争わせ続けることが難しくなっています。
構築済み時点ではカルダール以外に使嗾できるカードを大量動員して継続的に争わせるように工夫していますが、今回は別のアプローチをしていきたいと思います。
デッキリストは以下
デッキのページの検討欄にあるカードが構築済みから抜いたカードになります。
追加したカードは以下
1 キイェルドーの背信者、ヴァーチャイルド
1 二重詠唱の魔道士
1 巡礼者の目
1 病的な日和見主義者
1 頭蓋骨の収集家
1 顔壊しのプロ
1 エンバーワイルドの隊長
1 トラブルメーカー、ジャクシス
1 パーティーの主役
1 不気味な雇われ人
1 暴走魔導士、デリーナ
1 貪欲なチュパカブラ
1 ファイレクシアの発掘者
1 士気溢れる徴集兵
1 炎の踊り手、リオーニャ
1 狩り立てられたドラゴン
1 鏡割りのキキジキ
1 墓所のタイタン
1 夢幻の密集軍
1 害悪の機械巨人
1 業火のタイタン
1 虐殺のワーム
1 魂の収穫者
1 ルーン傷の悪魔
1 マラキールの再誕
1 命取りの論争
1 双つ身の炎
1 犠牲
1 具現の技
1 生ける屍
1 友なる石
1 我々の刃
1 血に飢えた刃
1 家庭と故郷の剣
1 多勢の兜
1 妖術師の衣装部屋
1 動く死体
1 野望の宮廷
1 荒れ狂う嵐の儀式
1 雇われの剛力、スライサー
1 禁忌の果樹園
1 統率の灯台
※雇われの剛力、スライサーはDECK-UP様にまだ登録されていないため山として登録しています
すべて合わせてシングル価格で1万円前後となります(2022/12/25現在)
各種使嗾カードをあえて排除し、様々なETB能力使いまわし手段を追加することで、カルダールのETB能力を継続して使用し、敵を争わせ続けること想定して作成しています。
毎ターンカルダールのETB能力を使用できれば、戦闘に関しては「ハメ」に近い状況を作ることができ、理論上最後の一人になるまでお祭りを開催できます。
使いまわす上で最もポピュラーな手段としてはブリンクですが、残念ながら赤と黒はどちらもブリンクが苦手な色となっています。そこで今回はブリンク能力を持ったアーティファクトを採用しています。
ブリンク以外ではコピートークンの生成手段を追加しています。伝説性を持ったトークンの場合は場に出たらすぐ状況起因処理で消えてしまいますが、ETB能力はしっかり誘発します。
これだけではETB能力の使いまわしとして不十分と考えたため、各種リアニメイト手段を追加しています。カルダールが死亡したときにあえて墓地へ落としてリアニすることで、統率者税の消費を免れる寸法です。
これらのブリンク、コピー、リアニメイトカードはカルダールだけでなく他のクリーチャーにも使用して高い効果を上げられるように強力なETB効果を持つカードを追加しています。対戦相手の戦場にあまりクリーチャーが並んでいないときは無理にカルダールの能力を使わずに、これらのクリーチャーの効果を使いまわしていきましょう。
また、強制戦闘によって対戦相手はブロッカーを立てることが難しくなるため、戦闘ダメージ誘発のカードが使いやすくなります。
戦闘ダメージ誘発のカードを展開後にカルダールで強制戦闘をさせ、がら空きになったところで攻め込んでいきましょう。
カルダールのETB能力を警戒してクリーチャーを展開しなかったり、元からデッキに殆どクリーチャーが入っていないようなノリの悪い相手にはこちらからクリーチャーを渡してお祭りに参加してもらいましょう。
相手に渡せるクリーチャーとして面白いのはやはりトランスフォーマーコラボの新カード「雇われの剛力、スライサー」でしょう。カルダールの効果下でスライサーを派遣すれば、対戦相手全体のライフをかなり削ってくれるでしょう。
こうして強制戦闘を繰り返し、疲弊した相手をコピーした「墓所のタイタン」などで押し切るのが基本となるプランですが、二種類の無限コンボも取り入れています。
①鏡割りのキキジキ + 士気溢れる徴収兵
いわゆる、キキジキ徴収兵と言われるコンボです。
手順は簡単。
キキジキの効果で徴収兵をコピーし、出てきたコピー徴収兵のETB能力でキキジキをアンタップします。これを繰り返すことで速攻徴収兵トークンが無限に生成されます。
仮にコンボが揃わなかった場合でも、キキジキは伝説のクリーチャーはコピーできないものの、「墓所のタイタン」などの強力ETB持ちクリーチャーをコピーでき、徴収兵も他のコピーカードとシナジーを形成するため、アドリブで使い道が色々とあるのが優秀なポイントです。
② 二重詠唱の魔導士 + 双つ身の炎
①のコンボより若干手順が複雑です。以下に手順を書きます。
1.双つ身の炎を自分の適当なクリーチャーに撃ちます。
2.スタック上に双つ身の炎がある間に二重詠唱の魔導士をプレイし、ETB能力で双つ身の炎をコピーします。
3.コピー双つ身の炎の対象を二重詠唱の魔導士にして解決します。
4.コピー双つ身の炎によって戦場に出た二重詠唱の魔導士トークンのETB能力で、まだスタック上にあるオリジナル双つ身の炎をコピーします。
3と4を好きなだけ繰り返して速攻二重詠唱の魔導士トークンを無限に生成します。
こちらのコンボについても、双つ身の炎はカルダールの能力や他のETB能力持ちクリーチャーを使いまわしに使え、二重詠唱の魔導士は自分のスペルをコピーしたり、対戦相手の強力なスペルに相乗りすることに使えるため、無理にコンボを狙わずとも単体で活躍できるだけの性能を持っています。
強制戦闘で盤面を制御して全員倒しきるのか、それともコンボパーツを揃えにいくのか、状況に応じて臨機応変に立ち回りを変えることがカルダールデッキにおける勝利への近道と言えるでしょう。
ここからの強化方針
ギサとゲラルフの記事やアタルカの記事で紹介した、赤や黒の汎用カードを追加していくのがわかりやすく安定しますが、コピーやブリンクを少なくし、サクリ台やリアニメイトカードを増量してデッキ全体をリアニメイトに寄せていくのも面白いでしょう。
コピーやブリンクと違い、毎ターン安定してカルダールの能力を使うことはできなくなりますが、墓地にコンボパーツを「生き埋め」で落としてリアニで勝ちに行ったり、サクリ台と「フェイン・デス」を併用してカルダールを釣り上げたりと、コピー・ブリンク型には無かった様々なギミックが追加できます。
コピー・ブリンク型を推し進める場合は以前も紹介した凶悪汎用カードの「波止場の恐喝者」が特におすすめです。
ただでさえ凶悪な波止場の効果がコピーやブリンクで何度も使いまわせるため、あっという間に大量の宝物を確保できます
カルダールの効果がうまく発動できなかった時の保険として、構築済みの段階で入っていた使嗾の効果を持ったカードを再び採用していくのもありかもしれません。
このように対戦相手同士を強制戦闘させるための手段は一つではありません。自分の手になじむカラダールデッキのスタイルを模索して、対戦相手同士を争わせていきましょう。
まとめ
以上が構築済みドゥームスカージ・カルダールデッキ「渾沌の具現」の解説、強化案になります。いかがだったでしょうか。
カルダールは今回の5デッキの中でも最も多人数戦を意識したデッキとなっており、他のデッキでは味わえない「争わせること」を存分に楽しむことができるでしょう。
それゆえに対戦相手のデッキとの相性に左右される部分もありますが、この不安定さもまた統率者戦の魅力ともいえるでしょう。
そういう点では、よりボードゲーム的な楽しみ方を求める方には最適なデッキとなっております。
次回はついに統率者スターター最後のデッキ「協約の魂、イマーラ」デッキ(公式名:「トークンでの勝利」)の解説と改造案の記事を予定しています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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