飄々図書室

毒にも薬にもならない読み物を書きます。ノンフィクションかもしれないしフィクションかもしれないです。薬になれば嬉しいと思います。

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【お知らせ】飄々図書室の本を作りました

こういうのは思い付いたら勢いでやってしまった方がよいと思われ、つまりは勢いで本を作りました。タイトルは『麻婆豆腐、麦てゃ、タコライス』です。食生活エッセイと銘打っています。 内容は、このnoteで書いた食べ物が出てくる読み物を選んでまとめたものに加え、別の場所に書いたものを加筆修正して収録しています。別の場所というのは大昔にhtmlベタ打ちで作った個人サイトで、加筆修正と言っても文体を調整したくらいなので、ほぼ黒歴史となります。 B6サイズ、146頁、1冊1000円。

    • もっと早くからやればよかった、担々麺屋の酸辣湯麺、耳の劣勢(2024年10月の日記)

      10月3日(木)鮭の食べ方 鮭の切り身は焼いて食べるのが一般的だが、実は茹でた方がおいしい、との情報を得、いろいろとやってみた。結果、冷凍して売られている安いものは茹でた方が身がプリプリになって確かにおいしい。その上、部屋が魚臭くならなくてよい。ひっくり返す手間もない。沸いた湯に入れて放置。ズボラでも魚を食べることを許される。但し、水に浸してプリプリになるということは水っぽく仕上がるという意味でもあり、塩分も薄まるし、ご飯に乗せて食べるには向いていないかもしれない。私は鮭を

      • 実家の近くのモアイ像の話

        私の実家は山を切り開いて造成された住宅地にあった。生まれは東京だが、私が0歳のときに父の仕事の都合で引っ越してきた、と聞いている。その新築の一軒家で私は育った。 近所にはよく遊ぶ友達がいた。どういう経緯で友達になったのかは覚えていないが、小学校にあがる前から友達だった。日下部くんと加藤くんと加藤くんの弟である。我々の家は互いに徒歩1分かからない場所にあった。その住宅地は造成されて間もなかったため、空き地がたくさんあり、その空き地を駆け回ったり、車通りの少ない路上でサッカーボ

        • 9月1(日)〜4(水)の日記(チートデイ|水2リットル|地獄ラーメン(激辛)|新宿の街(それぞれの顛末))

          9月1日(日) チートデイ 毎週日曜日は何をどれだけ食べてもいいということになっており、QBBチーズ(たぶん3つくらい)、近所のスーパーマーケットのフードコートにあるラーメン屋の辛麺(辛め)、大根とレタスのサラダ(with 青しそドレッシング)、こんにゃく麺(辛め)、マヨコーンパン、チャーハンおにぎり、かにかま、タコが入っている練り物を食べ、コーヒー、麦茶、発泡酒(糖質70%OFF)、赤ワインを飲んだ。何をどれだけ食べてもいいと言いながら、こうやって列挙してみると、そんなに

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          2024年8月15日(木)〜29日(木)の日記(からあげ、激辛、あついなみだがぶわーーってこぼれおちたよ)

          8月15日(木) 本日の日記 8月は毎日日記でも付けようと思って既に15日が過ぎてしまったのであり、本日から日記を付けていくものである。 8月16日(金) 床屋の植物 髪を切りに行っているヘアーサロンに大きな植物がたくさん置いてある。私の身長をゆうに超える背丈のバナナの葉みたいな植物を指して、「この植物すごいっすね」と私は髪を切るお兄さんに言った。お兄さんは髪がボッサボサの時もあれば、逆に丸坊主の時もあり、本日はボッサボサと丸坊主の中間くらいの落ち着いた感じであった。「

          2024年8月15日(木)〜29日(木)の日記(からあげ、激辛、あついなみだがぶわーーってこぼれおちたよ)

          通夜に行ってきた話(暗い話ではない|2024年7月11日の日記)

          社長が亡くなった、とLINEが来たため、そのLINEをスクリーンショットして友人Aに送信した。友人Aというのはきわめてレスポンスが早く、通常は既読が付いてから15秒とか30秒とかで返信が来ることになっているが、この度は5分ほどして「まじか、まだ若かったよね」との返信があった。程なくして「俺、お通夜だけ行こうと思う」と追ってメッセージが来、そこで私は、人が亡くなった際にはお通夜というイベントが催されるのだということを知った。 「いや、やっぱりお通夜行くのやめようかな。迷惑かも」

          通夜に行ってきた話(暗い話ではない|2024年7月11日の日記)

          短文4篇(読書感想文『太宰治』を読んで|MMORPGを始めてやめた話|とんかつ屋のビール|eスポーツ)

          読書感想文『太宰治』を読んでわたしは夏休みに『太宰治』を読みました。この本の表紙と背表紙には「走れメロス」という副題も付いていました。きっとこの物語の主人公である太宰治さんがメロスを応援する強い気持ち、それが表紙に念写されたのでしょう。誰が書いた話なのかはわかりません。作者不詳の民話のようなものなのでしょうか。 いきなりメロスは怒っていました。わたしが最近怒ったのは、お母さんが冷蔵庫のアイスを食べてしまったことなので、メロスもきっとそれに怒っていたに違いありません。メロスの

          短文4篇(読書感想文『太宰治』を読んで|MMORPGを始めてやめた話|とんかつ屋のビール|eスポーツ)

          「飲みに行かない?」と彼女は言った。(2024年5月24日の日記)

          「飲みに行かない?」と彼女は言った。手元に置いたばかりの仰向けのスマートフォンが光り、それはおそらく誰かからのメッセージを知らせるものであると思われたが、彼女がそれに反応してスマートフォンを手に取ることはなかった。「殴ってくんない? 記憶を消したい」と彼女は言った。私は人を殴ったことはないし、殴りたいと思ったこともないし、今後も殴ることはないと思われ、その旨を伝えた。「だよね」と彼女は言った。 魚べいという寿司屋であった。うおべい、と読む。20時半。かつては皿に乗った寿司が

          「飲みに行かない?」と彼女は言った。(2024年5月24日の日記)

          『応答』の感想 #文学フリマ東京38

          大玉代助氏 「僕たち」を抱きしめて さやわか論『応答』という名称の同人誌に収録されている最初の文章に相応しく、明確に何かに「応答」している文章である。その「何か」というのは、本文によれば、「現在」にである。現在に応答するためにまず参照されるのが、「早稲田大学負けヒロイン研究会『Blue Rose』vol.3「特集:10年代」」と「米原将磨『批評なんて呼ばれて』」である。前者が10年代特集と謳いながらさやわか氏に言及していないこと、後者が批評家としてのさやわか氏に言及しているこ

          『応答』の感想 #文学フリマ東京38

          ずれ落ちる靴下、ドイツのリキュール、ただ唐揚げが食べたいだけなんだけどな(2024年4月15日の日記)

          自転車に乗り、15分で駅に着いた。自宅から駅までは自転車で15分かかることがこれまでの経験でわかっていたので、つまりは正常に駅に到着したということだ。異変を見つけたら引き返さなければならないから、正常に到着できてよかった。駅に来たのは駅にある商業施設で靴下を購入するためであった。 去る2024年1月6日、私はAmazon.co.jpにおいて、10足で1,512円の靴下を購入した。長さがくるぶし下くらいのショートのものである。なぜ当該靴下を購入したかというと、その前にユニクロ

          ずれ落ちる靴下、ドイツのリキュール、ただ唐揚げが食べたいだけなんだけどな(2024年4月15日の日記)

          ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』第1部1〜2章(多弁な友人から電話がかかってきた感じの)

          1おーう、おつかれー。いま大丈夫? 寝てた? あのさ、たいしたことじゃないんだけど、いや、たいしたことではあるんだけど、ニーチェってやつ知ってる? そうそう、でさ、俺すげーことに気付いたんだけどさ、えいようかいきってあんじゃん? え? 永劫回帰? あーそれそれ。それなんだけど、わけわかんなくね? 俺ニーチェの本100冊くらい読んで考えたんだけどさ、それでも全然わかんなくて、たぶん誰もわかんないんじゃないかな。なんかさ、一回起きたこと全部が繰り返されて、それがずーっと何回も何回

          ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』第1部1〜2章(多弁な友人から電話がかかってきた感じの)

          約1週間禁酒日記

          Q&AQ:いつからいつまで? A:2024年2月11日から、これを書いている現在進行系で。 Q:どうして? A:何だか体調が悪いような気がしたので。 Q:どうなった? A:体調は明らかによくなった。日中にぼんやりすることもどんよりした気分になることもなくなった。布団を干したり、部屋の片付けをしたり、前向きな何かをするようになった。それと決断が速くなったようにも思う。 Q:あとは? A:体重が明らかに減った。2kgは減った。アルコールのカロリーを摂取しなくなったというせい

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          ラーメン、服、ショッピングモールはしご旅(2023年1月22日の日記)

          我が街の冬は西の山々からの強烈な風が吹き付け、足での歩行や自転車での走行がきわめて困難になることになっているのだが、その日は珍しく風が穏やかであった。天気予報アプリによれば1〜2m/sの風との事だ。いつもは5〜8m/sくらいなので、ほとんど無風と言っていい。 新たにオープンしたラーメン屋に行こうと思った。あの人気のラーメン屋がついに我が県にオープン、という触れ込みを耳にしていた。13時。私は自転車に乗り、当該ラーメン屋の入っているショッピングモールを目指した。近頃では殆ど徒

          ラーメン、服、ショッピングモールはしご旅(2023年1月22日の日記)

          健康的な食生活──めかぶ、もずく酢、ヨーグルト、うどん、キムチ納豆、コーヒー豆

          近頃の私の健康的な食生活は下記である。第1章ではめかぶを、第2章ではもずく酢を、第3章ではヨーグルトを、第4章ではうどんを、第5章ではキムチ納豆を、第6章ではコーヒー豆を、それぞれ紹介していく。人の体はその人が食べたものでできていると言われているが、もしそれが本当だとしたら──。早速見ていこう。 1. めかぶめかぶという食べ物がかなり好きだが、めかぶという食べ物がかなり好きなことをすっかり失念しており、スーパーマーケットに買い物に行ってもめかぶを買ってくることはこれまでなか

          健康的な食生活──めかぶ、もずく酢、ヨーグルト、うどん、キムチ納豆、コーヒー豆

          クローバー型ジャンクション、羊と狼、ここではないどこか(2023年11月11日の帰路の日記)

          私の30mほど前に一人の男性が、私の20mほど後ろに一人の女性が、私の0m地点に私が、それぞれ同じ方向に歩行していた。イベント会場を出て、一般的には公共交通機関で帰路に着くことになっているが、私は何だか歩きたい気分だったのでぶらぶらと徒歩でなんとなく都心の方向に歩行しており、当該男性と当該女性が私と同じ考えだったかはわからないが、とにかくイベント会場を出て公共交通機関を利用することなくぶらぶらと歩いている者たちであった。 近頃では私は、よく歩いている。自転車で近所のスーパー

          クローバー型ジャンクション、羊と狼、ここではないどこか(2023年11月11日の帰路の日記)

          目覚めのよい朝、腸内環境、「ばかやろう」おじさん(2023年8月23日の日記)

          午前6時に目覚め、きわめて目覚めのよいことにすぐに気がついた。私は元より寝起きが悪く、特にアルバイトのために早起きをしなければならない毎週日曜日は目覚めてからも「起きたくないよー! バイト行きたくないよー!」と絶叫しながら支度をすることになっていた。バイトが嫌なわけではなく、ただただ眠いのである。しかし、なんだ今日は。なんだこの目覚めのよさは。私は布団の中で「早く起きたい! 早くバイトに行きたい!」と思っている自分に違和を覚え、敢えてもう少し横になっていようかとも思ったが、横

          目覚めのよい朝、腸内環境、「ばかやろう」おじさん(2023年8月23日の日記)