カナディアン・カヌーで湖との一体感を楽しむ。十和田湖で感じる、自然の神秘
雄大な国立公園で手つかずの自然に抱かれる
青森県と秋田県にまたがる十和田湖は、およそ20万年前から火山活動が繰り返されることによってできたカルデラ湖です。この十和田・八甲田地域と八幡平地域は十和田八幡平(ハチマンタイ)国立公園に指定されていて、85,534haもの神秘的で美しいエリアが広がります。
およそ1100年前に起きた最後の噴火で灰と岩だらけになった土地。そこに苔が自生して、ブナやミズナラが種をつけて芽吹き、美しい広葉樹の森がつくられていきました。青森空港から十和田湖の観光拠点である休屋(ヤスミヤ)までは、車でおよそ90分。そこからさらに足をのばせば、壮大な八甲田山、歴史ある温泉地、美しい奥入瀬渓流など、数々の名所で自然に親しむことができます。
カナディアン・カヌーに乗ってゆったりと過ごす湖上のひととき
十和田湖に行くならぜひ体験して欲しいのが、カナディアン・カヌーで行く、湖上の散歩。今回ご紹介する「Towadako Guidehouse櫂(カイ)」は、十和田湖の自然をこよなく愛する人たちが集まり、“人と自然と未来をつなぐ“をテーマに活動を展開するガイドハウス。カナディアン・カヌーで行く「十和田湖カヌーツアー」や、森の中を歩く「1dayプライベートネイチャーランブリング」などのガイドツアーのほか、カヌー愛好家を対象としたスキルアップ講習会なども行っています。
「Towadako Guidehouse櫂」の拠点は湖の南側に位置し、周辺には宇樽部キャンプ場や十和田サウナがあります。十和田湖では、外輪山からの日の出や雲海、偏東風ヤマセが吹き霧に包まれる幻想的な景色など、時期や季節によって変化する自然のさまざまな表情をみることができます。カナディアン・カヌーに乗って湖を漕ぎ進めば、「湖と一体感を味わうことができて、気持ちもリフレッシュできますよ」と教えてくれたのは、「Towadako Guidehouse櫂」スタッフの甲田寛さん。ツアーでは、日々壮大な自然と向き合うガイドたちが、森や生き物にまつわる知識とともに、十和田湖の歴史や森の成り立ちなども細かやかに教えてくれます。
自然の生命力と不思議を五感でとらえるツアー
カナディアン・カヌーに乗って水鳥目線でゆっくりと水面を漕ぎ進めば、風の音、鳥の囀り、葉と葉が擦れる音、草花の香りなど、自然現象の数々を心とからだで感じることができます。「広大な自然のなかに身をおくことで、小さな命の連鎖によって自然が形成されていると実感できると思います」と、甲田さんが語るように、ただ楽しむだけではなく、幾年もの歳月をかけて育まれた自然環境の生命力や不思議さを享受できるアクティビティなのです。
ちなみに、暖かい季節に行うイメージのカヌーですが、冬の間もツアーを開催しており、凍った湖面を進んでみたり、スノーシューを履いて森の中を歩いたり、寒い時期ならではの体験ができます。甲田さんのおすすめは、「10月後半にいく、早朝カヌーツアー。日の出と紅葉を湖上から眺めることができる最高のアクティビティです」。
安定した乗り心地と丁寧なガイドで初めてでもリラックス
ガイドをしてくれるのは、10年以上のキャリアを持つネイチャーガイドたち。日々のみている景色の変化を敏感にキャッチして、自然のなかの隠れた魅力を伝えてくれます。 カヌーツアーは初めての参加者が多いので、事前にしっかりとレクチャーを受けてから出発。
もちろん湖上でも、ガイドが万全にサポートしてくれます。きっと想像するよりも安定した乗り心地なので、初めての人でも緊張することなく過ごせそうです。ファミリーでもお一人でも、あるいは愛犬と一緒に楽しむこともできるので、自分にあった過ごし方を探してみてください。
湖上ならではの清々しい体験で身も心もリフレッシュ
そして、この夏、最もおすすめしたいのが、およそ2時間半かけてじっくりと湖をたゆたう「十和田湖カヌーツアー」。夏は水温が20度まで上がるので、足をつけてみたり、カヌーから湖へ飛び込んでみたり、十和田湖の雄大な自然とともに涼やかさを体感。ツアー中には、湖のほとりで紅茶とお菓子をいただくティータイムもあって、ゆったり静かなひとときを体験となりそうです。
記者:山森彩
(合同会社ユブネ)
兵庫県三木市出身、神戸市垂水区在住。プロジェクトマネージャー、ときどきライター、シオヤプロジェクトメンバー。プロジェクトマネージメントを軸に、人物取材や制作物の編集などを手がける。2015年から神戸の西の端の町、塩屋に暮らし、塩屋商店会の事務局スタッフやイベントの企画運営などにたずさわる。誰かが大事に持っている思いや、日々の営み中で紡がれた小さな歴史や文化を伝えていくことをワークライフに、2019年から塩屋にて聞き書き活動をスタート。一児の母。
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