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青春時代にフラッシュバック

私は女性の中では背が高い方になる。
何にしても一番後ろに並ばされる人生は小学校高学年ごろから始まった。

体型は痩せ型、部活もしていたので真っ黒に日焼けしていた。

アイドル歌手に憧れてせっせと伸ばした髪がようやく肩にかかる頃、
ショートヘアへの変更を両親から強制され
刈り上げを駆使したある意味モードなショートヘアで思春期前半を過ごした。

中学1年の時に家族で旅行した北海道で立ち寄ったとあるお店では、
店員さんに「僕はどんなものが欲しいの?」と聞かれ、
このまま男として受け答えした方がいいのか、女性ですと訂正した方がいいのか
判断できずに、
「あー」「うー」としどろもどろになった。

「あっ、ごめんごめん、いいよ、いいよ」と
店員さんからよくわからない気の使われ方をしてしまい
さらに困惑していると
ショートヘアを強制した当の本人である母がケラケラと笑いながら
「女の子なんですー。男の子みたいでしょ?愛想もないから」
と無神経なコメントをし、更に店員さんを困らせた。

同じ頃、友人とファストフード店で食事していた時には、
友人の小学校時代の同級生と鉢合わせし、軽く挨拶を交わしたが、
後日友人はその同級生から
『あのカッコイイ男の子は誰?彼氏なん?紹介してよ』と
わざわざ連絡があったよと得意気に報告してくれた。

それからしばらくして
20代前半の頃、美容室に就職してしばらくたったある日のこと。
通勤途中、自転車で駅に向かう途中にバッタリと会った中学時代の友人から、
「アンタ、どこのレゲエ兄ちゃんかと思ったわ」
と腹を抱えて笑われた。
朝から人の風貌でそんなけ笑えたんだから、少しは金よこせよと思ったほどだ。

(髪の長いドレッドヘアなんだから男のはずないだろうと当時思っていたが、
今思い返せばドレッドヘアは男性も女性もロングが多かったので仕方ないかも)

そして男性に間違えられなくなってしばらくたった30代前半の頃。
私が通っていた習い事の教室で、母親を待つ小さな子供と
待合室で一緒になったことがあった。

待ち時間の間、ひとしきりその子と遊んだり話したりして、
それなりに打ち解けてきた頃、不意に目線も合わさずに
その小さな子供が私に尋ねる。


『お姉ちゃんって、お兄ちゃん?』 

思わずニヤついた。
忘れかけていた懐かしい感覚。


でも、もう気にもならない。

もはやどっちでも構わない。


試すような笑いになって
『うん、せやで』

『うそー エヘヘ…』

と照れながらソファに顔を埋め私をチラ見するその子を見て
なんとも言えない可笑しさが込み上げてきて、
一緒になって笑った。



#思わず笑った子どもの言動

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