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HYOGA式ずぼら中国語発音法③子音の例外はたったの5つ!

前回の記事で、日本語の「五十音図」と「ローマ字」表記で、中国ピンインの全体像を勉強してきました。

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要点をおさらいすると…

☑︎中国語のローマ字表記は「ピンイン」と呼ぶ
☑︎ ピンインの構造は日本語と同じで「母音止め」
☑︎ ピンインの組み合わせは約400通があるが、8割日本語と同じ読み方をしている
☑︎ ピンインは表記ではないから、時間をかけないように!

中国語の発音を関門として見ている人は多いですが、実は中国語の発音の多くは日本語と同じです。確かに、中国語の発音の組み合わせは約400通りありますが、非常にラッキーなことに、その大半が日本語と同じ構造をしていることで、「ずる」ができます。

HYOGA式ずぼら中国語学習法のポリシーは、断捨離です。つまり、共通するパーツをそぎ落とし、重点的に「異なる」部分に攻めて行くことです。ゲームの「違い探し」みたいなもんです。しかし、私の記事では何回も繰り返しているように、語学も「戦い」です。今回は「子音」を落とす戦で、計3陣あります。

戦いですから、まず体力を温存して、簡単なものから攻めます。

第一陣

五十音図に従って、日本語の子音は「あ」「や」「わ」を抜いて「か、さ、た、な、は、ま、ら、が、だ、ば、ぱ」になります。ローマ字で書くと、「k、s、t、n、h、m、“R”、g、d、b、p」になります。

中国語では、「R」が「L」と書く以外、その他は全く一緒です。

中国語の「R」は英語の「R」と同じく、舌を少しそって発音するものです。
中国語の「L」は日本語の「R」になります。

もう一つは中国語には英語の「F」という音があります。日本語ではよく「h」になってしますが、

中国語の「F」は、英語の発音と同じく、しっかり下唇を噛んで発音します。

以上は第一陣のポイントです。

これだけの話です。簡単でほとんど神経を使わずに進めそうでしょう。

第二陣

そして、肝心な第二陣に入ります。しっかり抑えば、資格や試験のピンインの子音問題は、ほぼこれで解決できます。

と言っても、たったの3つだけです。

日本語⇄中国語 
 Ch        Q(ちー)
 Sh        X(しー)
 Ts         C(つー)

これだけの話です。よく出る漢字はこんなのがあります。

[Qi⇄ちー]:七,气(気),起
[Xi⇄しー]:西,喜,习(習) 
[Ci⇄つー]:次,此,刺(棘) 

因みに、「つ」は中国語で「CU」ではなく、「CI」です。「CU」の場合、しっかり唇を突っついて、精一杯「U」を発音します。次の母音の回でも触れますが、実は日本語の「u」レベルでは、外国人の耳にはほとんど「U」として聞き取れません。外国人の「to」と「two」が「つー」じゃなくて、「トゥ」!そして、「sushi」が「sU〜し」と発音するシーンを想像すれば分かると思います。

因みに、以下の発音に、全部「U」の発音がありません

[Ca⇄ツァ(tsa)]
[Cai⇄ツァイ(tsai)]
[Can⇄ツァン(tsan)]

Cだけがちょっとややこしいですが、繰り返します。中国語と日本語の違いはたったの三つ!

[Qi⇄ち]
[Xi⇄し]
[Ci⇄つ]

因みに氷河先生の大好きな季節である「秋」は秋[qiu]、大好きな食べ物である「エビ」は虾[Xia]、今なら皆さんもすぐ発音できますよね。




答えは:秋[qiu⇄チュウ] 虾[Xia⇄シャア]になります。
答えられましたか?



本題に戻りますが、中国には「三局二勝」というルールがあります。つまり、三回で二回勝てれば、全面勝利ということです。HYOGA式ずぼら中国語発音法もこのルールが適応します。第一陣と第二陣は楽勝すれば、残りの第三陣はしなくても、実質的な勝利を収めています。

以上の二陣で体力はまだ残っていれば、第三陣を少し覗いてもいいでしょう。もう体力使い果たしたと感じた場合余裕もう以上で完結できます。

まとめすると以下になります。

☑︎ 中国語で「ら⇄L」「ふぁ⇄F」になる
☑︎ 中国語で「ち⇄Q」「し⇄X」「つ⇄C」になる

ぜひ、市販の中国語教科書を開いて、ピンインとルビを確認してみてください。


・・・・・・・・・分水嶺・・・・・・・・・・・・・・・

第三陣

さて、体力のある方は第三陣に入りましょう。因みに、第三陣はよく難関と言われる「そり舌音」のことです。

「そり舌音」と呼ばれているから、名通りに、舌を反って、または舌を巻いて発音するものです。しかし、大げさに巻く必要は全くありません。少しだけ、舌を口蓋に寄り添う程度でいいです。

表記は4つあります。

R  Zh  Ch  Sh

つまり、「R」と「~h」が目印になっていること。

下の例を実際に声を出して発音してみましょう。

人:[Ren⇄舌を反って れん]
炸:[Zha⇄舌を反って ざ](「じゃ」に聞こえます)
茶:[Cha⇄舌を反って つぁ](「ちゃ」に聞こえます)
沙:[Sha⇄舌を反って さ](「しゃ」に聞こえます)

どう、舌を反ってみると、吃って濁った音が出ますよね。だから、発音またはヒアリングする時は、「濁っているかどうが」を意識すればいいです。

濁っていると感じたら、「R」か「zh ch sh」のどちらか。
濁ってないなら、一般の発音。

因みに、中国語の「じゃ」「ちゃ」「しゃ」にはしっかりとした「いー」の音があるため、表記にもちゃんと「i」入りで「Jia」「Qia」「Xia」になります。発音する時も、「i」を意識してしっかり口を横に引っ張ってください。逆に、濁っている「じゃ」「ちゃ」「しゃ」なら、そり舌音だ!という感覚で覚えましょう。

こういうことで、難関とよく言われる「そり舌音」は、たったの二つを意識すれば解決です。

①音は濁っているかどうか
②「い」の音があるかどうか

以上が中国語の「子音」の落とし方です。


多くの方が第三陣の「そり舌音」に不安を感じるかもしれませんが、実は、前も話したように、第一陣と第二陣をしっかり取れば、戦はもう勝ったようなものです。なぜなら、ネイティブの中国人ですら、みんながみんなで「そり舌音」を発音できるわけじゃないからです。というより、出来ない人口の方がが大半を占めています。

理由は、舌を反る発音は北方遊牧民からの発音で、多くの漢民族はそうした発音はしません。にもかかわらず、中華民国が建国後、南を代表する南京方言やカントン語などではなく、北京エリアの北方方言が中国の正式公用語に選ばれました(だから台湾と大陸の標準語は同じです)。

しかし、中国の領土が広い分、いきなり口の筋肉を直すのも無理で、だから、今だに反っていない人がほとんどです。こういう現状・事実があったからこそ、私は無闇に日本の中国語学習者に発音を求めないです。

もし、メインに南方(台湾・香港・上海・四川など)、または東南アジアで中国語を使う予定の場合、「そり舌音」なんか無視していいでしょう。一方、北方(山東・北京・大連など)で使いたい場合、少しぐらい意識してもいいでしょう。


また、もう少し深い話をすると、中国語の発音は日本語より濁音が少ない特徴があります。だから、中国人の「だ=D」は、よく日本人の耳に「た=T」と聞こえ、「ば=B」がよく「ぱ=P」に聞こえる現象があります。

反対に、中国人の日本語はよく、「T」を「D」、「P」を「B」に発音してしまいます。例えば、私ですら今でも「ありがとう」を「ありがう」、「お姉ちゃん」を「お姉ゃん」と発音しています。

対処法として、「D」と「B」はそのままでいいですが、中国語の「T」と「P」を発音する時には、英語のように、息を一回溜め込んでから爆発する感じで、舌先と唇の摩擦によって、息を強く出しましょう。

しかし、こちらもやっはり基礎が整えてから考えましょう。中上級になっても、ちょこちょことこの記事に戻ってください。いろいろ再発見できるものがあると思います。

ということで、HYOGA式ずぼら中国語発音法の「子音」の部で挙げたポイントは以下の5点です。余裕のない方は最初の2ポイント、余裕のある方は、全部吟味するのもいいでしょう。

☑︎ 中国語で「ら⇄L」「ふぁ⇄F」になる
☑︎ 中国語で「ち⇄Q」「し⇄X」「つ⇄C」になる
☑︎ 中国語の「そり舌音であるR、Zh、Ch、Sh」は吃って発音する
☑︎ 中国北方でお仕事しない限り、「そり舌音」は無視していい
☑︎ 中国語で「だ」「ば」は「た」「ぱ」に聞こえてしまう

また、今後勉強進んでまた何回か今の記事を読み返すのもおすすめです。そのおかえりを待っています。

ではでは、またいつかどこかでお会いしましょう。

陳氷雅

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