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助手席の鬼(409字)ショートショートnote杯

太郎は車を運転していた。
助手席には、虎柄パンツ一枚の人間なら5、6歳くらいの大きさの小鬼が座っている。

自分がなぜ車を運転していて、なぜ、助手席に鬼がいるのか分からなかった。

あっ、検問だ。
「すみません。免許証おねが……あれ?助手席のお子さん、チャイルドシートしてませんね。何歳ですか?」
「オレ、168歳」
「冗談は困りますねー。違反です」
「いや、あの鬼なんですよ。みてください」

「あら、本当みたいですね」
警官が5人くらい車の中を覗き見て、集まって話し合ってる。

さっきの警官が近づいてくる。
「人間じゃないんで、OKです。どうぞ、行ってください」
「えっ?いいんですか?」
「法律は人間だけ対象です。蝶々が、助手席にいてもシートベルトはいりません」

車を発進させる。
小鬼「人間は、面倒なことは避ける」

面倒はごめんだと太郎は車を停め、警察の所まで逃げて保護を求めた。

警官は、道路の真ん中に停めてある車を見て、駐停車違反の切符を切った。

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