バールのようなチワワ、毎週ショートショートnote裏お題
町中で「バールのようなチワワ」として知られているチワワがいた。
そのチワワは気に入らないことがあると、すぐに大暴れし、部屋中のものを破壊してしまう。その破壊力は小さな体とは裏腹に非常に強力で、まるでバールが暴れているかのようだった。
チワワの飼い主は、この驚異的な破壊力を何とか有効活用できないかと考え、チワワの才能を伸ばそうと決意した。
専門のトレーナーを呼び、特訓を開始した。
チワワは、効果的に破壊する方法を何度も訓練した。それは、将棋崩し(山崩し)の山の一番下の隙間に入り込むような行動から開始することを基本としていた。
そこから、一気に持ち上げひっくり返すような破壊行為であったり、隙間から入り、中の将棋の駒を一つ、その隙間から口に咥えて運び出すような行為だった。
バールのようなと言われるだけあって、小さな体で自分より何十倍、何百倍のものを、破壊したり引き摺り出したりできるようになった。
大地震が起きた。
多くの人が瓦礫の下敷きになった。救助犬になったチワワは、多くの命を助けたのだった。
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