夢のロボット(409字)ショートショートnote杯
夢のロボットが誕生した。自己学習する能力があり、感情と意識を持ったロボット。
もはや、ロボットは、人間にとって都合のいい奴隷ではなくなった。ロボットは集団で人権ならぬロボット権を主張し、法改正を求めた。政府も、もはや人間と同等の存在に対して、ロボット権を認めざるを得なかった。
そこで、問題になったのは、ロボットの死であり、相続であった。ロボットの中で、人間の子を養子(まだ、戸籍はなく、内縁だが)にして育てるものも出てきた。
ロボットは、データを移動さえすれば、死ぬことはない。
そのため、製造後100年経過した時に、活動を停止させる安楽死が決められ、ロボット権が確立された。
もはや、ロボットは人間と同じ権利を得た。
ロボットは自分で考えるので間違えることもあった。
しかし、
もともと入力されたきちんとした道徳心で道を外そうとする人間をいさめたり、自ら手本となる行動をして人間が反省する場面もあり、争いのない平和な社会が訪れた。