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ショートショート王様②(毎週ショートショートnote)410文字

 王太子であったペテル三世は、国王になることになった。戴冠式を直前にしたペテル三世は、洋服の仕立屋を城内に呼び寄せた。戴冠式の衣装を作らせるためだった。

 仕立屋が部屋に入ると、シャツに白いタイツをつけたペテル三世が立っていた。

「あの、そのお姿は?」
「この上にはくパンツを作ってほしい」
「ズボンじゃなくてパンツでございますか?」

 ペテル三世は得意げに鼻を膨らませた。
「知らぬのか?ズボンという言い方は古い。パンツというのが新しいのじゃ」

 仕立屋は、首を傾げながら腰からくるぶしまでの長さを測った。
「何をしておる。パンツなのじゃから、長さは股間までじゃ。下着のパンツと間違えられるといけないから、風船のように膨らませろ」

 仕立屋は、仕方なくオーダー通りのパンツを納品した。

戴冠式当日の姿を見た貴族が言った。
「パンツ王様だ」
「君、失礼だ。ショートズボン王様だろ」
「いや、かなり短いぞ。ショートショート王様と呼ばせていただこう」


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よくイラストにある王様の膨らんだパンツに白いタイツの原点は誰でいつの時代のことなのか?童話の挿絵が原因なのか?
色々調べたが、なぜこんな変な格好なのかいまだにわからない。
このパンツの名前は、パンツでいいのか?それともブルマなのか?あるいは正式な名前があるのか?


続報
1968年の映画ロミオとジュリエットのロミオがダンスシーンで似た格好をしていました。
かぼちゃパンツではなく、ワンピースっぽい衣装で腰を紐で縛り、足の付け根にゴムどめしているようです。
しかも服と同じ柄のお揃いのう◯こ💩の形の帽子を。
かぼちゃパンツだけでなく、この帽子を含めて想像を絶するファッションだった。
映画の著作権は2038年まで。
写真を出せないのが残念。
デッサンで。


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