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武器屋の餌付け、毎週ショートショートnote裏お題、410字


伝説の武器があるという噂の武器屋があった。でも、店にあるのは役に立たない武器ばかりで客はおらず埃をかぶっていた。

そんな店に、ルークという少年が毎日通い始めた。焼きたてのパンや果物を、店主に差し入れとして持っていく。

ある日、お礼にと、店主は店の奥の隠し部屋にルークを通した。そこには、巨大な黒い剣が立てかけられていた。

「伝説の剣、エクスターだ。すごいだろ。お前だけに見せてやる。他言するなよ」

目を光らせた少年は、夜になると、その部屋に忍び込んだ。

「やっぱりこれが目的だったのか」
暗がりの中、店主の声が響いた。

その瞬間、少年の背中から黒い翼が広がり、目が深紅に染まる。その顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
「俺は悪魔だ。その剣は俺がもらっていく」

ルークは剣に手を伸ばす。だが、その瞬間、剣が激しい光を放ち、彼を吸い込んだ。
「ぐっ……なんだ?」

店主は冷たく笑った。
「その剣は悪魔を封じるもので、お前たち悪魔を呼び寄せているんだ」
(410字)




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