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乾燥ブンブン部(毎週ショートショートnote裏お題、410字)
僕たち、乾燥ブンブン部の一年生部員5名は、腕立て伏せをはじめとする筋トレや持久力を鍛えるためにランニングなどの基礎練習に精を出していた。
夏休みには、気圧が低く、息のしづらい高い山で合宿もした。
そして、二年生になって初めて、タオルを持つことを許された。タオルを持つと、初めて自分が乾燥ブンブン部に入っていたのだという実感が湧く。
タオルの端を持って、タオルを振る。部室は狭いので、グランドの端でタオルを振る。ブンブン振る。
タオルの振り方は、先輩から受け継いだ方法だけで、50種類。タオルブンブン愛好家の中では、370以上ものタオルの振り方があるらしい。
タオルを振ることで、自分がいる部屋の空気を支配するのだ。
外国では、タオルブンブンを仕事にしている人がいる。最近は日本でも、タオルブンブンを仕事にしている人がいるらしい。
外国では、アウフギーサー、日本では、熱波師と呼ぶ。
ぼくたちはまだ、彼らの職場、サウナに入ったことがない。