燃える雨雲(409字)【ショートショートnote杯非公式延長戦】
「よっこらしょ。さーて、今日も仕事に行くべかね」
雷様は、そう言って気合を入れるといつもの雨雲に乗った。空の上を運転して、今日、雨を降らせる目的地へと向かう。
ふと左右を見ると同業者が集まってきていて、みんな、雨雲に乗っている機械を操作して雨を降らせている。
周りを見ると雨雲もだいぶ渋滞してきた。
大きな音がして振り向くとすごいスピードの雨雲がこちらに向かってやってくる。
さささっと雨雲は左右に分かれ衝突を防ぐ。
しかし、前方の雨雲が避けきれず衝突した。燃え上がる炎。
地上の人が気づき「雨雲が燃えている」と呟いた。
それを聞いた雷様たちが、雷を発生させ人間たちの意識を散らす。
雷様にも高齢化の波が押し寄せていた。
雨雲のブレーキとアクセルを間違えたのだ。
ソドムとゴモラの街が、天からの炎で焼き尽くされた話が旧約聖書にある。
雷様が雷発生装置を誤作動させ、あの炎と同じ炎で、ある大都市を焼き尽くしてしまうのは、これからちょっと先の話。
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こちらも爪毛さんからいただいたお題です。
ありがとうございました。