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逢いたい菜、毎週ショートショートnote、410字

彼女は、会いたい人の姿を見せる「逢いたい菜」の球根を手に入れた。

あっという間に成長し、葉の表面に元彼の顔が浮かび上がった。

彼女は毎日、言葉を紡いだ。別れた日のこと、後悔していること、もう一度会いたいという願い。そのたびに、葉の顔は優しい表情を浮かべた。

でも、ある日の彼の顔は、目を細めて軽蔑の表情を浮かべた。

次の日、葉に「知ってるよ」という文字が浮き出た。

彼女は動揺した。自分が隠していた、小さな嘘が原因で関係が冷え切ったことを、彼女は薄々感じていた。

「君が逢いたいのは、本当の僕じゃない」

葉に現れた言葉に彼女は凍りついた。そして気づいたのだ。彼女がずっと逢いたいと願っていたのは、現実の彼ではなく、自分で美化した彼の幻だったことを。

やがて葉は枯れた。捨てようとした時に、新しい小さな球根を見つけた。球根の気持ちが浮かんでいた。

「ごめん、俺、嫉妬しちゃった」

彼女はその球根をじっと見つめた。
「今度は、相談相手になってね」

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元彼に嫉妬するなんて、妙に人間臭い菜っぱだな。
そして、今度は相談相手になってねか。

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