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タイムスリップ運試し(410字)ショートショートnote杯

タイムスリップが自由にできるようになった今、僕と彼女の千春は、禁じられたタイムスリップ運試しをしようとしていた。

タイムスリップは、その時代の自分に憑依する形なので、行き先は、過去に限定されていた。未来に行って自分が死んでいたら、そのまま、浮遊霊になって今の時代に帰れなくなるからだ。

タイムスリップ運試しとは、そう、禁じられた未来に行くこと。

千春は、ジェットコースターやホラー映画が大好きで、彼女の提案だった。

60年後の80歳までのランダムな数字がでるように設定した電子ルーレットを回す。

僕が60年後、千春は20年後になった。
千春は行った。僕は怖くなってやめた。
「どうだった?」
「80歳になっても僕たち仲が良かったよ」
「ウソ、そんなの嘘よ」千春が泣き出した。

「もう一度、行って確認する」
 僕は行った。

千春が行った年に、彼女は、余命半年と言われていたことがわかった。

しかし、奇跡的に治療がうまくいき、二人は仲良くやっていた。

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