見出し画像

いかさま師に俺はなる! Card Shark

絵が好きすぎて発売を待って購入しましたこちらのゲーム。2日にぽちったら解禁は3日だょ!って言われてちょっと待ちましたけども。今ならSteamで15%お買い得。体験版も日本語もあるょ!

勝手に自分でいかさまやりつつカード勝負かと思ってたんですが、いかさまアシストゲーという新しいスタイルでした。頭使う。

Card Sharkはこんなゲーム

舞台はルイ15世が治めるフランス。スペインに近い地方都市、ポーの酒場で、口うるさいおかみさんにこき使われる若者。彼がこの物語の主人公です。空いたグラスにワインを注ぐと、サン・ジェルマン伯爵と名乗るその客は、話し相手になってくれないかとあなたに向かいの席を勧めました。話し始めると、彼はあなたが気に入った様子。儲け話に興味はないか?と持ち掛けてきました。今晩予定しているカードゲームで、ワインを注ぐ間に相手の手札を盗み見て、自分に合図を送ってほしいというのです。ろくな賃金も出さずに自分につらく当たるおかみさんに嫌気がさしていたこともあり、あなたはその申し出を受けます。
伯爵の指示を覚えていざゲームが始まりますが、彼らのヒソヒソ話を聞き咎めた対戦相手がいかさまだと逆上して銃を抜きました。仲間が彼を止めようとしますが、説得を試みるおかみさんに運悪く弾丸が命中して、彼女はあっけなく死んでしまいます。ここにいると捕まってしまう、そう言ってサン・ジェルマン伯爵はあなたを連れて酒場から逃げ出しました。
逃亡の道すがら、伯爵はこう言います。おかみさんを撃った男はベアルヌ連隊の大佐であり、きっとこの罪を君になすりつける。貧しく口の利けない君は、最適なスケープゴートだと。ひょんなことからいかさま師の一団に引き込まれてしまった主人公。伯爵に何らかの思惑を感じつつも、今は彼についていくしかありません。こうして、あらゆる手口を駆使して上流階級の紳士淑女から金を巻き上げながら、18世紀のフランスをめぐる主人公の運命の旅が始まるのです。

イッヌかわいい

ポーカー(だと思う)勝負をする場面はありません。師匠の指示通りにいかさまを仕込めばクリアですから、基本ハートダイヤスペードクラブとJQKAだけわかってればいいです。モタモタすると卓にいる相手の疑惑ゲージがもりもり上がってしまうため、できるだけ手早くやるのが大切なのと、こっそり足したり抜いたりしたカードを覚えておくのが若干難しいぐらいかな。他にも短期記憶系がありますが、若い脳細胞ならきっと平気だ。
サン・ジェルマン伯爵やヴォルテールなど歴史上の人物がちょいちょい出てくるので、私のようなベルばらに影響されて近代フランス勉強したマンには楽しいです。

パッドでのプレイを想定しているとのことで、WASDマウス組は一部の操作で少々やりづらさを感じることがあるかも。

Card Shark、ここがいい

・グラフィック
いい。オイルパステルっぽい絵本風な背景が大変癒される。やってることはいかさま稼業でまるで絵本風ではないのだが、その対比がまたよい。

きれい。あとこの大きな丸いパーティクルもなんかきれい(語彙力
人物はアニメ塗りだけど、ペンの線に味わいがある。水面キラキラしててきれい。
こんな具合で。

・音楽
ノーブルな室内楽っぽいBGMが落ち着く。だいたいいかさま仕込む時の時間制限であっぷあっぷしているので大変助かります。効果音もザイロフォン的な柔らかい音で耳にやさしいです。聴覚過敏持ち的に助かります。
・ジャーナルがかわいい
イベント戦が終わると、必ず主人公が絵日記を書きます。粗末な酒場で冷遇されて育った彼に充分な教育などあるはずもなく、つたない文章になっているのがとてもかわいらしい。日本語でもその辺ちゃんと翻訳されています。よい。あの時代に読み書きできるだけでもすごい気はしますが、物語が進むにつれて伯爵の手ほどきを受けて、少しずつ文章が上達していくのも大変ほほえましい。
・ゲームオーバー時のイベント
絶対死のハードモードでなければ、ゲームオーバー時にちょっと楽しいイベントがあります。一度は見ておくのおすすめ。
・作業ゲー回避権
一度失敗したり、この先は単純作業になるよ!という時にスキップするかどうか聞いてくれます。こ、こんな大事な場で!!!と思う時もあって、選ぶデメリットはあるのですけども、周回する時はやっぱ便利。
・ルイ15世
ど派手な14世と、堅実なのに非業の死を遂げた16世の間に挟まれて、イメージ的に女遊びしかしてなくて天然痘で大変な亡くなり方をしたぐらいしか目立たないルイ15世はあんまり脚光当たらないのでちょっと面白かったです。
・ストーリーテリング
何かあるんやろなって最初に思わせてから引っ張って引っ張ってやっぱりあったやーん!ってなる感じがとても上手で気持ち良かったです。いかにも詐欺師の物語で楽しかった。

Card Shark、ここが残念

・やり直しボタンほしかった
あまりにもモタモタしてしまってアカンわこれ!!ってなった時にやり直すボタンがあると便利だったなあ。一応ほとんどのタイミングでEsc押してメニュー出せるのでタイトルに戻ってやり直せるし、オートセーブも比較的巻き戻りが少ないタイミングで保存してくれてるから面倒感は少ないんで、まああれば尚良し程度のもんですけども。
・練習にもいかさま検知ゲージほしかった
サン・ジェルマンさんは事前に好きなだけ練習させてくれますが、実戦のようなイライラゲージが出ません。どの操作でゲージが上がりやすいとか、どれぐらい時間がかけられるかがまったくわからなくて、実戦で初めてやべー!!ってなるのがちょっと困りました。これはできればパッチで追加してほしい。
・こんなにへたくそでいいのか?なさじ加減
いや、難しくしてほしいわけではないんですよ。ないんですけど、こんなん絶対即バレやん!!っていうモタモタ具合でもクリアできてしまってなんかごめんなさいという気持ちになったりしました。実際のいかさま現場がどういうものか想像もつかないんですが、もっと殺気立ってる中でこの私のモッサリした手際の悪さでは、あっちゅー間にポルト湾に浮かびそう。スピーディー鉄火場感を楽しみたい方は、高難易度(でスゴイハヤイプレイ)推奨です。
・一部の日本語書体
自然な日本語だし、意欲的なローカライズではある。でもな、

このこだわりはいらんかった。これはオリジナルやナラティブガン無視で、日本語書体をよく知らない人がとりあえず探し当てたフリー書体(またはMSゴシックあるいは中華フォント)を入れました!みたいないい加減な選定ではないので、そこは強調しておきたい。キャラクターに寄せるその心意気やよし。
でね、その熱意と方向性はわかるのだけど、個人的にローカライズにおける書体選定はオリジナルに雰囲気を寄せてほしいの。まあ全体としてもギャラモンに対応させるなら、古風な活版的墨だまりと築地フレーバーを備えたXANO明朝とかが良かったの。フォントは若干オタク気味だもんですからうるさくてすみません。写研さん、本蘭明朝待ってるから!
それと、こういう上手じゃない手書き風フォントにしてしまうと、文法の用法や語彙が豊かになる後半で字がまるで上達してないのが不自然じゃない?とかとかが気になっちゃって結局英語でやった。そこはとても残念ポイントでありました。いうて気にならない人は気にしなくてよいです。

まとめ

・思ってたよりリッチナラティブで楽しかった
・個人的にはいかさまそのものよりもストーリーが楽しかった
・カードゲームミリしらでいいので、気になってるけどカードものは…と思ってる人は手を出していい
・ポーカーゲーだと思ってた人は買わない方がいい
・多少人は選ぶかもしれない
・この手口は研究しつくされてて実地で使っても即バレだからやめよう
・でもロココならではのヒラヒラカフスや贅沢ギャザーなどでこの時代はやりやすかったんだろなーとか考えると楽しい

ちょっと新しい感じで面白い作品でした。ビジュアルと音楽が心地よいので、クリア後も思い出したころにふっとプレイしたくなる感じ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?