クラットボーン、Lies of P
殺意高すぎなんじゃあ!!!!!!!!!!!!
とブチ切れながら、何とかどうにか多分ベストエンディングで初回をクリアしました。
デモ版の感想文ではフロムよりぬるいかもと書きましたがそんなことはなかった。中盤ぐらいまではともかく、終盤入ったらアノロンばりに殺意高いしボスあほみたいに強いし何度も頭を抱えた。普通にむずい。デモ版では親切な仕様を絶賛しましたが、親切さと同じぐらい十二分に心切設計でした。もうひたすら頑張って避けて弾いただけでなんも覚えていませんので、攻略について書けることはなんもありません。いつものように私の感想ろくろをクルクルしていきます。はっきりネタバレはしませんがちょっと匂わすことになるのでそれも嫌な人は引き返してくださいませね。
Lies of Pはこんなゲーム
青くおぼろげに輝く蝶の声で、あなたは目を覚ましました。あなたは一見人間と見分けがつかないほど精巧に作られた、少年の自動人形です。ここはどうやら停車中の列車の中のよう。蝶はあなたに外の世界が大変になっていること、ホテル・クラットを目指してほしいことだけを伝えて消えてしまいます。車内にあった武器を手に取り外へ出ると、そこには荒れ果てたクラットの街が、雨に煙っていました。そして視線の先には武器を持った不気味な人形たち。彼らは人間のために働くパペットでしたが、過日何らかの原因で一斉に暴走を起こして街の人々の大多数を殺害した上、工場の設備を使って自分たちの数を増やして街を乗っ取ってしまったのです。立ちはだかる人形たちを倒してホテル・クラットの玄関に向かう途中、先ほどの青い蝶の声が再び語り掛けます。ホテルのセキュリティ・システムは人形を中には入れてくれない、だから嘘をつかなければならないと。
人形たちには製造時に「偉大なる約束」というファイアウォールのようなものが設定されており、原則として人形が自力でこの拘束を破ることはできません。このシステムはその中の一つ、嘘を禁じる約束を利用して扉の前の人物が人形か人間かを区別しているのです。
「お前は何者だ」と聞かれたあなたの前に選択肢が現れます。人形と、そして人間。そう、あなたは嘘をつくことができる特別な人形なのです。人間を選び嘘をつくことで扉のシステムをやり過ごしたあなたは、ホテル内で青い蝶を飛ばした人物、ソフィアと対面します。クラットの街は崩壊に瀕しており、あなたに助けてほしいのだと彼女は言いました。嘘をつくことができる人形であるあなたにしか、この街を救うことはできないと。まず手始めに、あなたの父親とも言える人形師のゼペットを探しに市街へ向かうところから、武器と嘘を駆使する人形の戦いが幕を開けるのです――
雰囲気はブラボ(ただし私は未プレイ勢)+ダクソ、戦闘はSEKIRO、でもいろいろ親切かつ広げた風呂敷はわりと丁寧に畳んでくれるのがフロムと違うところかなあと思いました。あと、フロムよりもう少し明るいというか、希望があるというか、どっちみちアカンのやろこの世界と思わせる感じが薄くてよかったです。あくまでも明るめなのはそこだけで、心はがっつり抉ってきよるので注意は必要です。いずれにしてもフロムが大好きすぎる作りをしていつつ、フロムとは違う美意識と物語性を持った良作ではないでしょか。
Lies of P、ここがいい
・親切
基本的な親切加減はデモ版紹介記事で述べた通りなのですが、本編で一番ありがたかったのが、休憩所間を移動する時に「今ここに行くとこの人となんかあるよ」と視覚的に表示してくれて、サブクエ回収がものすごくラクだったこと。フロムは攻略なしではサブクエ回収不可能すぎて、一回取り逃すとそんなに周回できるわけないやろこちとらアクションクソザコナメクジやぞ!!ってキレるので本当にありがたかったです。
・Pくんの意思表示
ダイアログ中にイエスって言ってそうな時にPくんが頭こくこくして頷くのがめちゃくちゃかわいくてですね、これはぜひ皆さまもPくんの後ろ姿を見守りながらご確認いただきたいの。めちゃくちゃかわいい。っていうかプレイヤーキャラクターの意思表示が乏しいゲームだとマウス動かして画面でこくこくしちゃうときあるじゃないですか。あれをそのままPCがやってくれてて大変かわいい。
・美麗
ゲームが進むと啓蒙高い雰囲気になってくるのですけれど、それも非常に美しかったですね。まず色味が汚らしくないのがよかった。画面くさそうなの好きじゃないのん。潔く人間やめたボスの人間のやめっぷりが大変美しくかったし、普通に綺麗なものも異形のものも出てくるものみんな各々の美しさがあって、プレイしてて本当に楽しかった。
・日本語
キャラクターに合わせた口調が大変自然に仕上がっていてよかったと思います。誤変換とか、ネイティブならやらんてにをは違いとか、特に書類や書籍で語調が揃わなかったりとか、ちょいちょい気になるところはあるにはあるのですけども、
ダイアログに関しては、ああここそうやって訳すんだ、へー!って心にメモる一節がいっぱいあるよい翻訳でした。ありがとう。
・サブクエ
メインクエストはわりと「ああ…そう来るんか…やっぱりな…」みたいな感じでズーンってなりがちですが、サブクエはどれも陰惨な舞台の中の一抹の清涼剤的に心に残るものばかりでした。全部が全部はっぴりーえばーあふたーではないにせよ、ただ悲しいとかつらいだけじゃないお話でとても良かった。
それと冒頭で触れましたが、書類なんかに出てくるちょっとした情報が後になってちゃんとそういうことだったんねーってわかるように作ってあるのが丁寧でよいです。ちょっと取り漏らしちゃって全部は見れていないものの、その話とこの話がそうくっつくのかい!?みたいなのもあって楽しめました。フロムみたいに状況証拠から妄想を組み立てていくのも楽しいですけどね。
・ベニーニさん
最初はいけすかないマッドサイエンティストかと思ってたら、意外と苦労人だし善良だし愛すべき人物で、劇中で一番好きなNPCかもしれない。DLCで実は後ろ暗い秘密がありましたみたいなことにはならないでほしいと切に願っています。
・2周め要素
単にクエスト分岐とか揃わないアイテムなどのやりこみ要素以外に、2周目で初めてわかることがあるのでやらねばならない感が強い。この仕掛けは上手だなーって思いました。
Lies of P、ここが残念
・親切ついでにマリカの楔的なのがあるとよかった
基本的にはボス部屋直前に休憩所があったり、そこに行く頃にはショトカ開通して一本道ダッシュOKではあるものの、息をするように死ぬ私のようなへっぽこ的には、HPバーがでっかく出る敵のすぐ手前でりすぽんしたい。今作では無理でも、話の流れ的にも好評なら(きっと好評だと思うし強豪揃いでGOTYは難しくても何かの賞はきっと獲ると思われる)続編あると思うので、その時お願いしますね。
・メインクエ
いや、これは残念というかまあ話の流れ的にそうなるわねってわかってたけどそうなってほしくなかったわ心が痛いわというのがつらかったという感想。この世界観でそんなお花畑みたいなことになるわけないのでこれは私のつらいキャパシティが小さすぎるだけです。
あとSEKIRO修羅エンドみたいなえげつないことはないけど、ちょっとつらすぎて実績どうでもいいから他のエンディング(はクリア後に動画で見た)はいいかな…ずっとこのベストになるようにしかやらんとこ…ってなるのもやっぱり私のつらいキャパシティがクソザコなだけです。
いやよくまとまったええ話ではあるんですよ!あるけどあの人が悪い人だけで終わるの嫌なのみたいな。うわーっ!!
・ダイアログ時のカメラワーク
ストーリーの要所要所で自動でダイアログ画面に切り替わる時、高確率で真正面から対象のNPCと向かい合ってカメラも真後ろからになるんです。すると全部Pくんの背中で隠れてしまってせっかく一生懸命しゃべってるNPCの表情とか動作とかまるで見えんがな!ってなるのをちょっと何とかしてほしい。もったいない。
・フォトモードを追加してください(切実)
こんだけきれいな舞台設定でですね、そして主人公が超耽美でいろんなお洋服を着せ替えできるというのに、なぜフォトモードを用意しなかったアアアアアア!!!!しかもWin+Shif+Sにすると後ろに下がりながらガードするPくんしか撮れないんだよ(ジェスチャーしてるときは撮れます)!!そういうんじゃないんだ!!フリーカメラで撮りたいんだよお!!!
・意地悪配置と毒沼とディレイとカメラ死リスペクトが過ぎる
特にラスダンの意地悪配置が度を越えていて、だいぶんストレスだった。あと長いしな。毒沼もそうだし状態異常てんこ盛り過ぎるのもストレスだった。あとジャストガード判定がSEKIROより厳しくないですか。ディレイありまくりでタイミング全然わからんくて何度死んだかわからん。こないだのパッチでだいぶん修正は入って遊びやすくはなったので、そのうちもうちょっと良くなるかもしれない。
・2周め強すぎだろ
2周めのしょっぱなの雑魚がワンパンじゃないことに不安を覚えて1ボス行ったら体感フロム5周めぐらいのしんどさだったわ何それやめてくださいしんでしまいます。2周めぐらいはつよくてニューゲームのマウント取れ感と2周め要素サクサク回収が大事だと思うので、この辺も調整入れてくれると嬉しいです。
まとめ
・ド直球ソウルライクだから
・パクリだって思っちゃう人には向かないかも
・私がクリアできてるので難易度高すぎはしないけど
・フロムの性格悪いとこを煮詰めた感があるので
・そこも好き嫌い分かれるかも
・でもフロムとは違う魅力もちゃんとあるし
・ゲームとしては面白く
・フルプライスも納得ぐらいのボリュームあるけど
・ゲーパス入ってるならそれでいいんじゃないかな
・ソウル「ライク」が好きな人にはおすすめ
ソウルライクの中では確かに良作ではあるのですが、戦闘中にそんな字幕読んでる余裕があるか!!お前しゃべりすぎ!!みたいな不満はフロムでは感じないとか(開始時と死んだ時か撃破時の余裕がある時にまとめてしゃべってることを知りえる)、細かいところでやっぱフロムはよくできているなあと再確認するゲームでありました。