ほんやくとぱぶりっしゃー考

本稿はつれづれだらだら思考垂れ流し記事になります。うぜえ!と思った方はすぐに引き返すんだ、いいね?
それと、このあと例に挙げる動画は単純にこの記事を書くきっかけであって、特定のゲームや開発やパブリッシャーをどうこう言うものではありません。そこんとこよろしくなの。

資格持ちプロフェッショナル翻訳業でもなく、平均よりチョトエイゴワカルぐらいの人が有志翻訳にチラッと顔を出してる程度の私には、商業ベースの細かい話は分かりません。ただ、翻訳された海外のゲームを遊ぶ消費者としては、それなりに数は見ているんじゃないかなーって思っています。
という立ち位置なので、機械翻訳そのままぶち込んでくるような悪徳業者以外、ローカライズ、就中翻訳作業に携わる方々にはとても敬意を持っています。特に軍事や政治、エンタメなどでジャンル分けがある報道と違って、多少の得意不得意はあっても「ゲーム翻訳」というざっくりしたくくりでマルチにやらないといけないのは本当に大変だと思います。
ゆえに、ここに書いている記事でもちょいちょい翻訳についての言及がありますが、基本的には機械翻訳そのまま雑仕事以外は全部よいお仕事、というポジションです。その中で名訳があれば絶賛しますし、訳しすぎなんかで好きじゃなかった所は単純に私の好みに合わなかった、という書き方をしています。まあ翻訳そのものより書体(ローカライズ全般のとこ)なんとかしてキエーッが多いんですが。

奇想天外な謎翻訳が飛び出したことで有名なSKYRIMもね、これ絶対どういう人物がどういう状況でどんな会話スレッドになってるかまるでわかってなかったやろ出稿ちゃんとしろやベセスダちゃん!ってたやすく想像できたのでね、ネタにすることはあっても悪しざまに言う気はさらさらないんです。むしろ大変なお仕事でしたねえって思うの。ESOも時々誤訳あるけど、あの膨大な量を本家と同日で吹替まで済ませてリリースするんだもん、そらミスも残るよ。大変だよマジで。それでもおおむね正しいんだからDMMの翻訳チームはがんばってるし、ベセスダもSKYRIM以降めっちゃ成長したんだよ出稿の仕方が。
というような感じで、大抵違和感を覚えた時は、出す側仕切る側現場それぞれの連携が取れてなかったんだろうし、現場はできることをやるしかないよなって想像しがちなの。

でな、昨日つべでこの動画を拝見して、ちょっとショックだったんです。

え…クレジット入ってないかもってこと…?
っていう。個別の話は動画にコメントを入れさせていただきました(当該記事をご覧になってくださってたそうで本当に恐縮ですキャーッ)のでここにゲーム名とか企業名は書きませんけども、あんなに大変な作業量の、あんなに大変な品質管理を求められるお仕事をこなした方々をクレジットに載せない(かも)…だと…?っておばちゃんちょっとねえ、ちょっとなんかショックだったのほんと。

確かにね、他のゲームでも、この翻訳いいなあどなたがやったのかしら?って思っても、クレジットにお名前出てないことよくあるんですよ。私みたいに道楽で気まぐれにやってるやつはいいですよ。でも、そうじゃないじゃん、プロの人って。それでめし食ってるじゃん。これ!私の!仕事!ってポートフォリオをさ、SNSとか何とかでもっと大きい声で言って仕事の糧にしなきゃいけないじゃん。なんで書いてあげないのさ?ってその度に思うのですよ。開発にしてもパブリッシャーにしても、売りたい先の国の言語がなかったら売れないじゃない。サポートはパブリッシャーが引き受けるだろうけど、大元になるその商品は翻訳関係の皆さんがいたから作れたんでしょう?なんでその人たちの名前が表に出るのが都合悪いの?って。

話は変わりますが、ご存知のように、いろいろ好きすぎてどうしてもやらねばならぬと思ったDeath Trashの翻訳、ありがたいことに現時点でSteamだけでも400人以上の方にご利用いただいております。アワードも多数お贈りいただいていて、本当にありがとう皆様。まだどの言語が公式サポートに追加されるかは不明ですけども(公式になったと言及していた動画を見かけましたが、まだ何も決まっていません。お間違えの無いように。開発に確認も取らずにいい加減なこと言わないでほしいぷりぷり)、もし日本語が採用された場合、そこから先はプロの方に引き継いでいただきたいなあってぼんやり考えています。現状大きな誤訳はないと思っていますし、あのゲームの殺伐としてるのに何となく間の抜けた牧歌的な雰囲気を大切にしてはいますけども、基本一人ですからQAに関して不安がありますのでね。
現状は翻訳の予算確保が困難だったり、その国の販売ルートを持っていないインディー系の会社が作った素敵なゲームを日本語にして応援したいと思ってやってるだけだから、その見込みが立って、ちゃんと対価が発生するならその先はQA込みでプロに任せて稼いでもらうのがいいと思うんですよ。まあ私もそれなりにがんばったのでちょっとぐらいほめられたいとは思いますけどもねえへへ

さてさて、ここでDeath Trashの話は忘れてもらって、単純に一般論としてね、そういうあれこれがあって日本国内の発売までこぎつけたら、やっぱり開発やパブリッシャーは翻訳がんばった人たちをギャランティだけじゃなくて、ちゃんとクレジットでも評価してあげてほしいわけなの。小説は誰訳が最高だとかあるじゃない。赤毛のアンは色々問題あるけど村岡花子訳が一番すきなんだよぼくは。映画の字幕だって誰それ最高とかあるでしょう。そしてちゃんと一番最初に字幕に名前出るでしょう。ゲームだってこの人の訳最高だは絶対にあるし、そう思ったユーザーにはその人の名前や所属を知る権利があるし、当然翻訳者にも広く知ってもらう権利があるはずです。

現在日本では史上最高にPCゲームをプレイする人口が増えているそうです。Switchに展開するインディー開発もどんどん増える一方ですし、以前より日本語対応ソフトも増えてきています。おぶりまでろくに日本語を用意することさえしなかったベセスダでさえ(Xboxだけはある)、すでにStarfieldのフルボイス日本語対応を予告しています。
現在Steamで開催中のNEXT FESTAを見ても、ゲームそのものは日本語対応していなくても、ストアページには日本語が用意されているものもあって、市場としてある程度期待されている様子が見て取れます。不景気で衰退してるとはいえ、それなりに金持ってて1億人以上いる言語圏ってパイとしては結構大きいのですよ。今後もっとプロの翻訳者が求められるだろうし、数が増えれば目の肥えたユーザーも増えていきます。そうなった時、翻訳者を大切に扱ってくれないパブリッシャーが多いと、このお仕事を目指す人が減っちゃうじゃないですか。もったいないでしょうそんなの。持ちつ持たれつのウィンウィンになる方がいいじゃないですか。社内で翻訳チーム抱えてるんじゃなければ、ちゃんと外部から貢献してくれた人の名前出してあげなよ。

というわけでですね、本当になんかもうみんな自分以外の人のお仕事をちゃんと評価してあげて!自分がそんな風に扱われたらやだなって思うような粗末な扱いをするのやめてあげて!ちゃんとして!ほんまにもう!
ってすごく言いたくなったというお話でありました。最後に、翻訳者をはじめとするローカライズ担当の皆さん、そしてパブリッシャーさんも、いつも本当にありがとうございます。おかげさまで毎日が楽しいです。

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