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ママインタビュー#3 だいちゃんママ

東京都中央区日本橋の一角にポッと灯が燈る、Hygge cafe。

店員さんとお客さんという垣根は限りなく低く、
家のリビングのようなほっとする場がそこにはあります。

カウンターに立つのは、「日替わりママ」。
ママの背景は十人十色。
どんな想いでママになったのか、どんな場にしていきたいのか。
1人ひとりのHyggeCafeへの想いをインタビューしていきます。

↓ 他のママのインタビュー記事はこちらから ↓
ママインタビュー#1:まっちーママ
ママインタビュー#2:さちこママ

今回ご紹介するのは、だいちゃんママ
普段は病院で理学療法士として働くだいちゃん。
リハビリを通して社会復帰を支援するものの、退院してもまた体調が悪化して入院してくる人も。
その様子を見るなかで、退院後の環境がその後の体調に影響を与えるのでは、と考えるようになったそう。
地域に関わる、その方法の一つとして選んだのがHygge Cafeに立つことでした。
人が好き!というだいちゃんなりのHygge Cafeへの関わり方とは?

日替わりママのだいちゃん(左)とオーナーのまっちー

「理学療法士」の看板を下ろして

ーー 普段は理学療法士として働いているということですが、どうして地域に関わろうと思ったのでしょうか?

20年ほど理学療法士をしていて、これまで多くの患者さんを診てきました。
無事回復して元気に過ごす人も多い一方で、また体調を崩して入院してくる人もいるんです。
その原因のひとつは、周りの環境が良くないからではないかと思っています。
病院で手当をするだけではなく、患者さんが帰った後の地域にも関わっていかないと、患者さんの健康は維持できないのではと思ったんです。

ーー「理学療法士」として、地域に関わり始めたのですか?

いや、理学療法士の看板は下ろしました。
腰痛予防の体操教室とか、そういう関わり方も確かにあるけれど、そうなると教える側と教わる側になって、病院にいるときとあまり変わらなくなってしまうので。
医療者と地域の人、というよりは1人の人間として地域に入っていってたまたま知識がある、という関わり方をしたいなと思ったんです。
病院の名前や理学療法士という職業を使って関わっていくのは簡単ではあるけれど、1人の人間としていろいろな人たちと関わる中で、自分の人となりを磨いていくことも大事だと思っています。

みんなが笑顔でいるだけで満足

ーー そんな思いのなかで、どうしてカフェのママになろうと思ったのですか?

何より人が好きなんですよね。
人たらしなんて言われることもありますが(笑)
年齢、性別、社会的背景が異なる人と交流する中で、自分に何ができるのかを試してみたかったんです。
僕はたくさんの人と個々人で繋がっているけれど、その人たちは横では繋がりはなくって。
その人たちをここに呼んだらどんな場になるんだろうと、新たなコミュニティができるのを眺めてみたいなと、思ったんです。

今、僕は月1で関わってるんですけど、それでも大丈夫だし、やりやすいやり方で気負わずにできると言われたことにも背中を押されました。

ーー 実際ママとして関わってみていかがですか?どんな時にやりがいを感じますか?

ただただ人が好きで、みんなが笑ってたり楽しそうにしたりしてるだけで僕は満足なんですよね。
場が全体として楽しい雰囲気であるといいなといつも思ってます。
だから、カウンターの中から全体を俯瞰して見るなかで、1人で寂しそうにしてるな、って人に話しかけにいったり。
もちろん、その人が1人でいたいと思うのであればそういう過ごし方もいいと思うんだけど。
集まった人たちのなかで新しい繋がりができていくのを見るのは、特に嬉しいですね。
自分は基本的にはサポーターだと思っているので、場を動かすというよりは支えたいという想いです。

老若男女が集まる「まちの保健室」

ーー 理学療法士の仕事を通じて抱いた地域への想いや、人が好き、という想いがだいちゃんの根底にあるんだなと感じました。
それを活かしてカフェでやってみたいことはありますか?

お客さん同士の繋がりを深めるハブになって、その人らしい人生を実現するためのきっかけを作れたら良いなと思っています。
その人らしい暮らし、人生を獲得・実現するためにサポートするのがリハビリ職としての使命なので。

ーー なにか具体的な構想があるのですか?

まずは車椅子の人も入ってきやすいように、店内をバリアフリーにしたいと思っています。
それから、車椅子の人だけじゃなく、障害を持っている人でも、高齢者でも、もしくは子育て世代でも、入ってきやすい場所にしていきたいです。
カフェとしての機能だけじゃなくて、例えば高齢者の人が自分の趣味のものづくりの教室を開けるような場にもなるといいなと思います。
なにかやってみたいことはあるけれど、場がないという人はたくさんいると思うんですよね。

ーー 素敵ですね!年代を問わず気軽に集まれる場になるといいですね。

そうですね。
今は自分たちの繋がりで来るお客さんが多いですが、いずれは地域の人たちにも知ってもらってもっと多様な人に来てほしいですね。
医療職という土台は生かしていきたいと思っているので、「まちの保健室」みたいな取り組みになっていくのかな。


ーー ありがとうございます。最後に、HyggeCafeに興味を持った人にメッセージをお願いします!

ここは「大人の秘密基地」だと、僕は思っています。
それぞれが自分の過ごしたい過ごし方でいられて、居心地が良くって。
自分たちで好きに使えるし、この場を好きなようにつくることもできる。
元々倉庫だったこともあって、今でも完全に出来上がっているわけでもなくって。
このワクワクする感覚をたくさんの人と共有したいです。

自由に過ごせる場がほしいなという人も、この場をつくる一員になってみたいという人も、みなさんのお越しをお待ちしています!

<だいちゃんママ プロフィール>
聖路加国際病院リハビリテーション科マネジャー、職業理学療法士。
医療だけでは人を元気に、幸せに出来ないことを痛感し、医療と地域の繋がりを作るために様々な場所で地域活動にも参加。
特技は「賑やかし」、どこに行ってもその場を楽しく、人の身分や年齢に関係なく、その場にいるみんなをフラットな関係にできる。他人には「人たらし」と言われるので人集めも得意かも。
Hygge Cafeは開店当初からの最初の常連。常連になったきっかけは自分で「大人の秘密基地」と名付けたくらい、何をしていても許される居心地の良さとそこに集まるワクワクする人達との出逢いがあったから。これから多くの人達にもこの感覚を共有したいと思っています。

文:まつながかよ


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