使えないモノを、使えるモノへ
自転車を整備してみた
今年(2022年)に入り、自転車整備に急に興味を持ち始める。
自転車については全くの素人。ネットや書籍などを利用し、少しずつ勉強してみました。
手始めに、自宅に置いてあった、ほとんど乗らずにいた普通自転車の整備から。部品の清掃、購入と交換で約1カ月程度で完成。
1台の自転車を整備してみての感想として
「整備でこんなに綺麗になるんだ」と正直に驚いたことを覚えています。
その後、実家の父親が35年程前にトライアスロンという競技で使用していたロードバイクが実家の物置に放置されていたことを思い出し、本格的な自転車整備が始まりました。
35年前のロードバイク
ここで、やめておくこともできたのですが、1台目の自転車の整備が思ったよりうまくいき、ついつい2台目に手を出してしまいました。
父親に話をして、35年前のロードバイクをどうにか譲ってもらうことができました。
父親本人からすると、若いころの思い出もあり、処分しようか迷っていたとのことでした。
譲ってもらったロードバイク、写真をパッと見た感じは全体的にフレームなどの痛みは少ないように見えます。ただし、近づいてみると、サビや汚れなどが多くあり、正直、整備して自転車として復活可能なのかと...
とにかく整備を開始してみました。
ロードバイクの整備開始
今回、ロードバイクの整備につきましては、思った以上にフレーム全体の塗装の痛み、錆が広がっていたため、再塗装することにしました。自転車部品につきましては、なるべく清掃にて再利用する方向で進めました。
今回は以下の手順で整備していきました。
自転車部品の分解と清掃
自転車フレームの塗装除去と再塗装
必要部品の購入と交換
自転車部品の分解と清掃
まずは、自転車の分解から
変速機、ブレーキなど、細かな部品がいくつも組み合わされているものについては、セットで分解。
部品の設置場所はすべて写真に収め、再度取り付けの際に困らないように。
トレイなどをつかって、部品が混ざらないようにするために分類。
次は部品の清掃
ブレーキや変速機などパーツごとに清掃していき、乾燥させた上で、その都度、部品を組んでいきました。組み立て時にグリース塗布も。
清掃は、最初大まかに、家庭用洗剤と歯ブラシで汚れを除去。
その後、サビ取りについては
「スチールウールたわし」
「ワイヤーブラシ」
「スコッチブライト(こげ取りスポンジ)」
などを使い、目立つ傷には注意しながら、丁寧に除去。
35年間の汚れ、サビは非常に強力であり、作業中は恐竜の骨の発掘作業かと思えるほど細かな作業で、手間と時間をかけました。
自転車フレームの塗装除去と再塗装
フレーム塗装の除去
フレームからパーツをすべて外し、塗装の剥離剤などを用いて塗料を落としていく。
必要なもの
「防毒マスク(塗装用)」
「ゴーグル(目の保護のため)」
「塗装剥離剤」
「ワイヤーブラシ」
「刷毛」
「ヘラ」
など
塗装除去後、紙やすり、研磨スポンジにてサビ取り。また塗装面をならしていく。
フレームの再塗装
塗装の色については、大夫悩みましたが、元のベースカラーが赤だったのので、赤一色としました。ただし、下地にゴールドカラーを入れ、若干キラキラした赤の塗装にしてみました。今回はスプレー缶での塗装
シリコンオフを用いて、フレーム面の油膜を除去してから塗装
サフプラスプレー塗装
ゴールドカラースプレー塗装
レッドカラースプレー塗装
※塗装面をしっかり乾かしながらの作業のため、数日かけて実施。
最後にクリアコートスプレー塗装
※塗装については、知人が詳しかったため、塗装方法を教えてもらいながら、ネットで勉強しつつ実施。
必要部品の購入と交換
「塗装後のフレーム」と「清掃後の部品」の組み立て。
残りは部品交換
チェーン
タイヤ(チューブラー 23C 700C )
チューブラー用リムテープ
バーテープ
シフトケーブル
ブレーキケーブル(インナー、アウター)
ブレーキシュー
サドル
フロントギアのネジ(レッドカラー)
※フロントギアのネジは知人から頂いたので、交換してみました。
整備完成
最終的に、バーテープとサドルの配色で悩んでいましたが、昔の自転車ということで、クラシックなカラーでコーディネートしてみました。
35年前のロードバイクを整備してみての感想
今回のロードバイクの整備を開始したのが、4月初め。整備が完成したのが6月終わり頃。
おおよそ3カ月近くを使って、ゆっくり、のんびりと父のロードバイクに向き合ってきました。
正直な感想としては、塗装の難しさ、自転車部品が高価なことを痛感した次第です。
運よく、ブレーキレバー、クランク、ディレーラー、リムなどの部品は清掃とグリスアップにて済んだので良かったですが。
大まかな整備費用
塗装:約8000円
部品交換:約15000円
自転車ヘルメット5000円
整備にかかった費用は上記の約23000円
※整備に必要な工具類については含めていません。
今回のコンセプトとしては、なるべく当時の部品を生かしつつ、クラシックなデザインを崩さないようにしていきました。
最終的な目標としては、綺麗に修復した思い出のロードバイクを父親に見せたかったというのもあるのかもしれません。
おわりに
7月に入り、天候が良い日(曇りで暑すぎない日)に、自宅から15㎞ほど離れた実家に、修復したロードバイクで行ってきました。
父親が自転車を見て、かなり驚いていたのが印象的でした。自転車のパーツはほとんど当時のままのものだったので、非常に懐かしいと言って喜んでいました。久しぶりに大喜びの父親の姿を見ることができ、心の中ではニヤリと。
父親の自宅の横の倉庫に眠っていた時は、それを見ても感動はなかったと思います。しかし、実用的に自転車として道を走ることができるようになった思い出の自転車は、モノとしての価値が全く違うものになっていた、ということを実感しました。
「モノというのは、扱い方一つで価値が変わる」
という日常の一つの出来事でした。
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