『マイルス・デイヴィス』
Miles Davisをロクに聴いたこともなければ、ロクに知りもしない2人が、『Miles Davis - Kind Of Blue』を軽やかな気持ちで聴きました。
kobochanne
今回のテーマは『Miles Davis - Kind Of Blue』ってことで!
1959年のアルバムってすごいな、人間なら63歳だよ。
guchon
いきなりだけど『Kind Of Blue』たくさんあるっぽいよ。リマスターやら再発もいくつもあるみたい。
kobochanne
ホントだ…同じタイトルで10枚以上あるぞ…。
guchon
一体どれが正解なんだ…。
kobochanne
何も聴いてない段階で沼にはまってるし、マイルス難しすぎ!
てか、他のアーティストの『New Kind Of Blue』とか『My Kind Of Blue』とかもあるぞ。
guchon
わはは!Kind Of Blue祭りだ!
kobochanne
これは想定していなかった事態だよ。もうめちゃくちゃ!
guchon
困るわー。
でも、ジャケットはこれが一番有名だよね。
kobochanne
うんうん、このジャケは見たことある気がする。
guchon
でも、リマスター盤を聴いた方がいいのかなぁ。
kobochanne
オリジナルでいいんじゃない?初心者は本家本元を聴いたほうがいい気がする。
guchon
そうしよう!
ところで、コボチャンのマイルスレベルはどんなかんじ?
kobochanne
いやもう、レベル0よ!
「トランペット奏者だよね…?」って不安になるレベルだし、1枚しっかり聴いたこともないよ。
guchon
マジか!でも、0はいいすぎ!1はあるでしょ。ドラクエでもスタート時点で1あるよ。
kobochanne
わはは、たしかに!じゃあレベル1かな。
ぐちょんは、親父さんがJAZZ好きだからマイルスレベルも結構あるっしょ。
guchon
たぶん実家にマイルスのアルバムも大体あるんよね。ビートルズもたぶんかなりあったと思う。
それなのにマイルスレベルもビートルズレベルも低いし、とんだ親不孝者だよ。
kobochanne
マイルスエリートじゃん!聴かされたりしなかったの?
guchon
『Miles Davis - On the Corner』はFUNK感があるからって勧められたけど当時(高校生)はハマらなかったんだよね…。一緒に勧めてもらった『Earth, Wind & Fire』とか『Pat Metheny』はがっつりハマったんだけど、マイルスはそれ以降もあまり聴かずに今に至るよ。
kobochanne
そうかー。ってことは、ぐちょんはマイルスレベル2くらいかな。
guchon
今回はそんな感じだよね。
この企画もやるし、親父に改めて「どのアルバムが一番オススメ?」みたいな質問したら「全部!」って答えが返ってきて困ったし。もうおれらにできるのは有名そうなアルバムから聴くことぐらいだよ。
kobochanne
わはは!親父さんの回答、マイルスオタク丸出し!
でも、残念ながらマイルス赤ちゃんのおれらには、何の参考にもならないコメントだね。
…というわけで、そろそろ聴きますか!
guchon
おす!いくぞー!
So What
kobochanne
最初の曲『So What』!
この曲名は、漫画の『Blue Giant』で見覚えがあるよ。
guchon
この曲かー!めっちゃアンセムじゃん!
さすがに全然聴いたことあった。
kobochanne
これは聴き覚えあるね!
guchon
静かにイントロが始まってトランペット入った瞬間、マジ空気感変わるね。
kobochanne
わかる!なんかライブ感があるね。
……てか、内容はいいんだけど、JAZZに疎すぎてなんてコメントしたらいいか全然わかんねーな。
guchon
そうなんよね。
素養が無さ過ぎて「なんかとってもJAZZ!」ってぐらいしか言えない。
kobochanne
わはは、「なんかとってもJAZZ!」!
うわー、これがJAZZかー!鳴ってんなー、トランペット!
guchon
わはは!完全に『Blue Giant』のダイが降りてきちゃってる!
『So What』、終わり方も静かになっていく感じでいいなー。
マイルスには申し訳ないけど、おれはイントロとアウトロが好きかも。
kobochanne
たしかに始まったあたりの緊張感と開放感は気持ちよかったね。
9分間、退屈せずにしっかり楽しめたわー。
guchon
たしかに9分短く感じたわー。
Freddie Freeloader
guchon
さて、2曲目は『Freddie Freeloader』だね。
kobochanne
こっちは全然知らない曲だわー。フレディってどなた?ってかんじだけど、この曲もライブ感あるなー。
guchon
『Blue Giant』でもトランペットで会話するみたいなことを言ってた気がするけど、こうやって本腰いれて聴くと、素人でもトランペットが歌ってるのがわかるね。知らない国の言葉を聴いてるのに近い感覚というか。
kobochanne
たしかに言われてみれば話してるようなかんじだ!いいこと言った!
ただ、このトランペットが何を言ってるかはサッパリわかんないけど…。
guchon
JAZZレベルを上げていくとわかるようになるんだろうね。
kobochanne
JAZZレベル1だと、この曲は「居酒屋でちょっとウザい先輩から、女の口説き方を教えてもらってる」ようなニュアンスに聞こえるなー。
guchon
わはは!
あとは『Freddie Freeloader』って曲名から内容を予想するしかないよね。
kobochanne
『Freddie Freeloader』は直訳すると「たかり屋フレディ」みたいだから、居酒屋にいるってところは合ってるかもしれん。
曲後半、トランペットの音=酔った先輩の声も大きくなってきてるぞ。
guchon
おれらみたいな素人にも、トランペットでちゃんと話が伝わってる!
kobochanne
さすがマイルス!たぶん正しくは伝わってないけど!
guchon
…って言ってるうちにもう終わった!9分はやい!
kobochanne
9分あっという間だわ。気持ちよく過ぎていくなー。
guchon
この良い流れのまま3曲目いきますか!
kobochanne
オッケー!
Blue In Green
kobochanne
3曲目は『Blue In Green』ね。
あー、曲の雰囲気からすると、先輩とは飲み終わって帰り途中だね。
guchon
わはは!
みんなと別れて一人になった寂しさと、もうちょっと飲みたかった物足りなさが漂ってるね。
kobochanne
明日から仕事か~みたいな哀愁も感じるよ。
guchon
日曜の夜に飲んじゃったのか。
kobochanne
そうそう。日曜に先輩のしょーもない恋愛指南をうけて、飲みすぎたことを後悔しながら西武新宿線に乗ってるんだろうね。
そんな状態とは思えない曲のカッコよさだけどね。
guchon
トランペットの音色も前の2曲に比べて優しいし、毛布みたいな温かみさえ感じるよ。
kobochanne
なぐさめてくれてるよね。
……あ、もう終わっちゃった。もっとなぐさめてもらいたかったのに!
guchon
5分の曲だとさらに短くかんじるね。
kobochanne
この前のビートルズとは真逆だね。
ビートルズは、短いのに長く感じる曲がいっぱいあったよ。
guchon
わはは!完全にそう!
ホワイトアルバムを選んだおれらにも非はあるんだけどね。
kobochanne
あの記事はいろんな人からコメントもらったけど、ホワイトアルバムはビートルズレベル高い玄人向けだったみたいよね。
無知なのはホント申し訳なかったけど、だからってビートルズのほうから『I'm So Tired』とか言いだしたのは、今でもどうかと思ってるよ。
guchon
こうなると次の4曲目がどうなるか楽しみだよ。
kobochanne
一人寂しくアパートのある沼袋に帰ってきた男が、あと2曲でどうなっちゃうのか……次いこう!
All Blues
guchon
おす!4曲目『All Blues』だね。
kobochanne
『All Blues』ってすごい自信満々なタイトルだなー。
guchon
「これがブルースだぞ!」ってかんじだもんね。
kobochanne
曲の雰囲気的には『Blue In Green』のときの寂しさは抜けたけど、酒は全然抜けてないし、まだ自宅のアパートにも着いてないかんじだよね。
guchon
酔い加減もほどよく、気持ちも良くなって散歩してるね。
kobochanne
なんなら「もう1軒寄っちゃおうかな」みたいな軽快な雰囲気になってるよ。
やめとけ!明日は朝から仕事だぞ!
guchon
もはやトランペットで「いや!もう一軒いくんだい!」って言ってるようにさえ聴こえるし。
kobochanne
わはは、言ってる言ってる!
もう1軒寄りたい悪魔と、帰って寝たい天使との葛藤があるね。
guchon
今までトランペットってどう聴いたらいいかわからなかったけど、今回かなり理解が深まったわ。
それが果たして正しい聴き方かどうかはわからないけど…。
kobochanne
うんうん、敷居はかなり下がったよね。かわりに、『Kind Of Blue』が飲んだ帰り道の話をしてるアルバムになっちゃったけど。
あ、曲後半でやっぱ帰って寝ようって雰囲気になってきてるね。
guchon
終盤に向かうにつれて、テンションも落ち着いてきてるね。
kobochanne
もう眠くなっちゃったのかなー。それか駅前の商店街を抜けて飲み直す気分がなくなったか。
とか言ってたら終わった……11分半の長尺でも全然楽しめるなー。
guchon
曲に物語性があるから全然飽きないわー。
kobochanne
わかる!ただ、その物語はマイルスが言ってることじゃないけどね…。
でも、アルバム全体にストーリー性があるのは確かよね。
guchon
5曲目どうなるか。
kobochanne
ラスト曲だね、いきましょ!
Flamenco Sketches
guchon
5曲目『Flamenco Sketches』で!
kobochanne
わはは!これは家についたらソッコーで寝ちゃったパターン!
guchon
わはは!これはもう寝てるね!
kobochanne
もう予想どおり!
guchon
家ついて、風呂も入らずにゴロンッだよ。
kobochanne
そうそう!ベッド直行、パンツでゴロンッだね。
guchon
トランペットで「おまえ、本当にそれでいいのか~」みたいに言ってるし。
kobochanne
わはは!天の声!
「風呂は入ったほうがいいぞ~!明日の朝、気持ち悪いぞ~!」
guchon
トランペットが声色を使い分けてるから、神様の声と主人公の声も聞き分けられるよね。
主人公サイドは「しょうがないだろ~、もうボクは眠いんだ~」って言ってる。
kobochanne
わはは!たしかに高音と低音のパートが交互に鳴って、コントみたいに掛け合いになってるね。
『Flamenco Sketches』ってタイトルも、ちょっとpink elephant的な夢うつつな雰囲気。
guchon
曲後半は、いよいよ夢の中感があるもんね。
これはもう朝まで起きないぞ。
kobochanne
いよいよ気絶したようにグッスリいってるわ。曲もめっちゃいいし。
guchon
実際、この曲に合わせて入眠するのマジ気持ちよさそうだし。
kobochanne
だよね!…あ、曲が終わった。
guchon
45分あっという間だったね。
kobochanne
ホントあっという間だった。
そして、初心者ながらめっちゃいいアルバムだったと思う。
guchon
後世に伝わってる名盤だけあって間違いなさすぎたね。
kobochanne
アルバムで聴く意味があったし、アルバムで聴きたくなる総合力があったね。
guchon
ちょっと名残惜しくなっちゃって今『So What』から聴き直してる。
kobochanne
おれもおれも!今まさに聴き返してるわー!
guchon
いやー『So What』のイントロのベースライン入ってくるところもヤバい。
kobochanne
ここでグッとつかまれるね。
guchon
そして、また言っちゃうけどトランペット入ってきた瞬間ね!
kobochanne
その後、だんだん、ちょっとウザいくらいに迫ってくるんだよね。
guchon
「物申す!」って勢いで、主張がすごいよね。
kobochanne
このあたりで先輩が「仕方ないから俺が教えてやんよ!」って言いだして、その後、居酒屋で「女ってのはなぁ…」って語りだすからね。
guchon
わはは、2曲目の『Freddie Freeloader』ね!
こうやってちゃんと聴くとトランペットの音の表現力、マジすごい。
kobochanne
面白いもんで、ひととおり聴いた今のほうが最初より話してるみたいに聞こえるね。
勝手にストーリーつけたせいもあって、音楽アルバムを通して聴いたっていうより落語を一本聴いたような体験だったなー。
guchon
いやー、今回もいい意味で予想を裏切る結果になったね。
kobochanne
ホントにね!正直、今回ちょっと不安だったけど、めちゃくちゃ収穫あったわー。
guchon
JAZZの楽しみ方の第一歩を踏み出した感あるね。
kobochanne
踏み出した方向は合ってるかどうかわからんけど、一歩は踏み出したね。
guchon
この楽しみ方は、そりゃ高校生の頃の自分には早すぎたわ。
kobochanne
今回のトランペット漫談として楽しむ方法は、高校生どころか同世代でも伝わるかわからんよ。
でも、この楽しみ方がわかったおかげで、がぜん他のアルバムも聴いてみたくなったわー。
guchon
おれの親父曰く「全部おすすめ」らしいし、他のも聴きたいね。
おれらのマイルス道はまだ始まったばかりってことで!