#267 クソどうでもいい仕事
あなたは、やりがいを感じずに働いているのはなぜか。ムダで無意味な仕事が増えているのはなぜか?
bullshit jobs「クソみたいな仕事」だからではないか
「本人でさえ正当化できないくらい完全に無意味・不必要で有害でもある有償の雇用の形態であるが、本人はそうではないと取り繕わなければならないように感じている仕事」である。
デヴィッド・グレーバー(David Graeber)[訳2020年7月]「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」岩波書店
著者はロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授の文化人類学者
第2章より引用
1 フランキー(取り巻き)の仕事
だれかを偉そうに見せるだけの仕事。ドアマンやお飾りのアシスタントなど。
2 グーン(脅し屋)の仕事
他人を操ろうとしたり脅しをかけたりする仕事。ロビイストや企業の顧問弁護士、コールセンターの従業員や、他人を不安にさせた後に商品を売り込むようなマーケターなど。
3 ダクト・テーパー(尻ぬぐい)の仕事
組織に欠陥が存在するために、その欠陥を解決するためだけにある仕事。一部のソフトウェア開発者など、その気になれば簡単なシステムの見直しで解決できる問題を場当たり的に解決するためだけに雇われた人。
4 ボックス・ティッカー(書類穴埋め人)の仕事
ある組織が実際にはやってないことをやってると主張するための書類を作るだけの仕事。誰も読まないプレゼン資料や報告書などの書類を作ることに業務の大半を割かれるオフィスワーカーなど。
5 タスクマスター(ブルシット・ジョブ量産人)の仕事
もっぱら他人へ仕事を振り分けるだけの仕事。また、ブルシットな業務をつくったり、ブルシット・ジョブを監督する仕事。一部の中間管理職など。
3、4はやったことあるな。
5はテレワークでバレた中間管理職じゃないの
現代社会において、あるわけないという思い込み故に、(薄々気付いている人はいたものの)これまでほとんど言われなかった
対する『シット・ジョブ』は、労働環境が劣悪だったり、低賃金だったりする仕事のこと。深夜のコンビニで働く人とか。
ほかにも重労働・低賃金のサービス業とか。
「3K労働(きつい・汚い・危険)」と呼ばれるようなもの。これらとは違う
400ページが長い人は、訳者による『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか 』(講談社現代新書)でどうぞ