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#286 意思決定理論(6)不確実性とは
Uncertainty:不確実性という言葉 J.K. Galbraith[翻訳1978]「不確実性の時代THE AGE OF UNCERTAINTY」(TBSブリタニカ)
Frank H. Knightによると、「リスク」と「不確実性」は違う。リスクは何らかの形でそれが起こる確率を具体的に想定できる事象に付きまとうものであり、不確実性とはそうしたことが全くできない事象についてのことと区別します。
確率が与えられている環境、いうならば測定可能なリスクはすこしも不確実ではないと断じたのです。本当の不確実性は、確率さえわからないものであり、従って過去の生起頻度から割り当てられないたぐいのものである、とナイトは考えました。
世界で起きるできごとは、複雑な要因に支配され、決して同一の環境からものごとが生起することはありえない。したがって、独立試行を反復的に行うことによって導かれる大数の法則を後ろ盾にした「数学的確率」は、現実の不確実性を描写してはいない。ナイトはこのような数学的確率(リスク)を「偶然ゲームの必然的確実性」と呼び、現実への有効性を一蹴しました。過去のデータから未来を予測することを無意味だとするのも同じ理由からです。(小島寛之[2004]「確率的発想法」NHK出版 P.113より引用)
Risk ⊂ Uncertainty
新型コロナのワクチンを打たない人がいます。彼/彼女らは、打てない人、打たない主義の人、リスク過大か不確実性懸念の人でしょう。
小さなリスクの過大評価は行動経済学で実証されています。
世にある経済的なリスクを無くすことはできない(分散投資は例外。ある程度のリスクヘッジも可能)
個人からすれば、経験、リサーチ、知識(知見、専門性、知恵、教養、目利き・・・)はリスク回避度、不確実性感度を小さくします
逆にそうでない人は、視野が狭い、行動が小さい、ルーチン、内向き志向、付き合いが狭い(地元)、保守的、低所得・・・