#271 集合知で発見、日本は研究不正ワースト国
研究不正が後を絶ちません
捏造、改竄、盗用
黒木登志夫「研究不正」中公新書 よると日本は世界でも論文撤回数の多い国 P259より引用
ちょっと古いですが、これはRetraction watch(リトラクション・ウォッチ)のデータ。
2010年の8月に開設された、オランスキーによる捏造などRetractioされた論文の解説サイト。
黒木らは「論文撤回のランク」と「撤回論文数」の両対数グラフからべき乗則にしたがっていることを示しています。
パレート分布、一般的な話で言えば80対20の法則
不正をやる人は少ないけど、やる奴はたくさんやる。やらない多くの人はやらない。
実態は生命科学、バイオ医学系の不正がほとんど。
現象から現象を見るタイプの研究。
データを自分で得るタイプ。
写真、グラフを改竄したりします。
不正でない論文でも再現性は少なく追試できるのは70%程度とのこと。
一方、抽象的な理論を介する数学、物理学、社会科学には不正はほとんどない。
私見ですが、ミクロ経済学が当てはまると思います。マクロ経済学でもデータは共通なので再現性があるので少ないと思われます。
はやりの行動経済学は心理学の実験データによるので、不正はあり得ますね。
不正など研究者倫理は「白楽ロックビル」のサイトにまとめられています。
お茶の水女子大学名誉教授(理学博士)の林 正男先生が作成
この分野でもオープンソース的な集合知によるチェックが効果を挙げています。
東京オリンピックのエンブレム問題のように似たものを探し出すわけです。
Retraction watch、パブピア(PubPeer)、ノフラー・ブログ(幹細胞に特化)があります。クレア・フランシスがホイッスル・ブロワー(警笛を吹く人)の一人として有名です。
日本では白楽ロックビル、11jigen、世界変動展望、研究倫理(旧バイオ政治学)
11jigenは東大分子研の事件など多数、STAP細胞事件はノフラー・ブログが活躍しています。
2015年「匿名A」によって医学系の生命科学論文について大量研究不正の疑義が指摘されました。
近藤滋大阪大学大学院生命機能研究科教授は、「日本の研究を考えるガチ議論」(今は「【帰ってきた】ガチ議論」)サイトを創設しています。2ちゃんねるなどの匿名掲示板で論文不正の指摘している人に匿名で書かず意見を書き込むように呼びかけました。
その後、STAP細胞論文の研究不正事件が、2ちゃんねるやPubPeerなどの匿名掲示板での指摘及び11jigenや遠藤高帆の指摘により発覚した。(Wikipedia「匿名Aによる論文大量不正疑義事件」より引用。)
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