#180 国民年金は積み立てではありません。じゃあ何よ。
#179 で国民年金を積み立て保険かのようにいいました
年金の方式は大きく分けて2つの方式があります。
(1)自分たちの現役時代に老後の年金の原資を蓄える「積立方式」
(2)現役世代がそのときの高齢世代を支える「賦課方式(ふかほうしき)」
(1)はわかりやすい。運用もできます。しかし、インフレに弱く成り立たないことが多い。
よって多くの国で(2)となっています。
日本の公的年金は、積立方式でスタートしたのですが賦課方式に移行してきました。
良く読んでください。「移行しました」ではありません。
政府的には「現在の日本の公的年金保険は、賦課方式を基本としつつ積立金も活用して、賦課方式と積立方式の良いところを組み合わせたものになっている。」という見解です。
この言い回し、なんか変ですよね。
つまり、保険なのか、積み立てなのか、賦課方式なのかハッキリさせていないのです。
「将来の長生きリスクに備えて、現役のときからリスクをヘッジしておきましょう」「みんなで払ってプールすれば大数法則で助かる」は「保険」。
「お金ちゃんと払ってください。将来もらえなくなりますよ。自分のためですよ」というときは「積み立て」
「公助の精神です。世代間で支えあうものが年金です」「原資が枯渇しても支給停止にはなりません」「マクロスライドしますから安心です」のときは「賦課」。これなら「必ずたくさん返還されるものではありません。だって投資や積み立てじゃありませんから」とも言えるし。
説明するとき都合のよいようにクルクル変えやすい。
だから「積み立て」でもないし完全「賦課方式」でもないということです。
まあ一応、賦課方式ということになっているようですが。
若い人の中で「どうせ支払っても制度が崩壊するだろうから払わない」という説をしゃべる人がいますが、そんな事はない。
いくらマイナスになったとしても、日本の公的年金制度は崩壊などしない。
国は徴税権があるのだから、自分の世代になったら税で徴収して払えばいいだけのこと。賦課方式だからね。実際そうなっている。上に書いたように積み立てして運用しているわけじゃない。
こういう事を言う人は、自分が貧乏で毎月支払えないのを制度の問題にすり替えてるだけの人。しかも積み立てと勘違いしている。
(何も払わなくてももらえる)生活保護と国民年金を天秤にかけているだけだから支払わない方が得と考えている。ある意味正しい。
だったら正直に「貧乏で支払えません」「将来は、たぶん生活保護だし」「私、税金も保険料も払わないけどよろしくね(よかったあ、日本で生まれて・・・)」と言えばいいのに。そんなことプライドがあって言えるわけないか・・・