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#137 農家の高齢化は、なんの問題もない理由を書きます

総裁選の続き、農業の続きです。

「農家の平均年齢が65歳を越えている。対策が必要」などと回答する候補者がいた。

あーこれもわかっていない。農水省や関係者の話を鵜呑みにしてるのかな?

これから農家の高齢化について書きます。いや、教えてあげます(もう上から目線ですよ。ごめん)。

その前に、ちょっと説明しておくことがあります。

「平均はときに間違う」(算術平均は代表値としてミスリードさせる)と聞いたことがあるでしょうか?(もし、なかったら大変)

世の中の多くは正規分布に従うことが多い。この場合、算術平均(単純平均)、中央値、最頻値が一致します。身長とか体重とか、テストの点のグラフです。

ところが対数正規分布のような非正規分布になると一致しません。この分布は山が左に寄った形をしています。

この場合、単純平均は数字が大きくなります。たとえば所得とか資産、預金とかは、大金持ちが少し入っただけで、平均所得1500万円とか平均預金4000万円とかになって「え~うちはそんなに無いよう!」ってことになります。

この場合は、中央値を代表値に選べば、平均所得400万円、平均預金100万円とかに落ち着きます(あくまで例です)。こっちの方が納得します。

逆に山が右に寄った形だったらどうでしょうか?

これはさっきと逆の話になります。肥満国の体重のグラフでしょうか。

要するにグラフの形状が重要なんです。単純平均を使っちゃダメなときがあるんです。

それで話を農家に戻します。

もし、農家の年齢でグラフをつくったらどういう形になるでしょうか?

(1)正規分布になってその真ん中が65歳なのでしょうか?

(2)10年後にはその平均年齢は75歳になるのでしょうか?

先の総裁候補さんはこう心配しているようです。

ここでちょっと自分のエピソードを書きますね。

私の実家は農村にありました。父も農業をやっていましたが、農業が嫌いで辞めてしまいました。

父は「農業なんかもうダメだ。うちの村で農家はみんなおじいさん(65歳)だ。若い人は農業なんかやらない。1人だけ〇〇さんの息子が45歳で継いだ。それが最後だ。」と何度も言い聞かせるように私に言ったものです。まあ農業なんてやって欲しくなかったからかもしれません。

私が小さい頃だから1970年代の話です。

よく考えるとこの話は変である。

だって今でもこの状況は同じであって変わっていないのです。

つまりずーっと同じ状況なのです。

50年経っても平均は65歳のままなんです。少なくとも(2)は成り立っていません。

(1)はどうでしょうか?

次のグラフは農業従事者の年齢と数のグラフです。各線は5歳きざみの世代線(コーホート)です。

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※ 無断転載を禁ず

1941年生まれの世代以降は60歳になってから農業を始める人が結構多いのです。

つまりサラリーマンや公務員をして、定年退職したあと親の残した農地を耕し始めるのです。

これらの人たちを含めて平均年齢は65歳くらいになります。

その後は、亡くなるなどして少しづついなくなるわけです。

これが次の世代でも繰り返されていくことになります。ある意味、新陳代謝はあるわけです。

グラフは右に山ができるタイプなんです(1935年世代以前は明らかに違っていました)

つまり日本における農業というものは定年後にやるものになったのです。これは2000年以降が顕著です。年金をたっぷりもらいながら、体の運動と親と地域の残したノスタルジーの中で楽しくやっているわけです。自然はあるし、自給自足に近いし。小中の友達いるし。

機械化とマニュアル化で素人でもできるんです。家庭菜園レベルならYOUTUBEを観れば誰でもできるようになった。

農家が減ってもライバルが減るだけなので、むしろうれしいじゃないですか。

生産性が上がっているので、田畑は減るでしょう。実際、農地減っても農産物の価格は特に上がっていない。もし農産物の価格が上がれば急に放棄地を耕すようになるもの。ゲンキンなものよ。

よって単純平均の年齢は65歳~70歳になります。

そしてこれは10年経っても20年経っても変わりません(平均が75歳とか80歳には決してなりません)

今日のタイトルの「高齢化」自体が間違っていることになります。高齢で一定なんですから”化”じゃない。まあ、わかりやすいからそのまま使っただけです。

農家の平均年齢が少し上がったのは長生きする人が多くなったにきまってるじゃないですか。いい話です。

後継者がいなければ山に還すだけです。

還ったということは余力があるということです。戦時中に校庭やお寺でイモ作っていたときより幸せです。

いい田畑なら買い手もいます。借り手もいます(農地は借地借家法の対象外だから安心して貸せる)。

農地なんて固定資産税も相続税もほぼないです。

維持費ゼロで持ち続けていれば、いずれ道路やホール、ショッピングセンターができればお金が入って子や孫の教育費を賄えます(錬金術)。

むしろ、農地を借りて本気で農業やっている若い人たちの方が心配。年金をもらいながらじゃないし、錬金術の楽しみもなく、農業法人の従業者だとインセンティブもないからです(自然は待ってくれないから、休みでも畑に出るには給与所得じゃ続かない)。

以上が日本の農家および高齢化の実態です。

ちゃんとデータとエビデンスでものを言って欲しいものです。

何も問題などありません。

心配もいりません。

何か?








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