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独自性はどう作る? -イノベーションの原則とは-

社会を生き抜くには競争戦略を持つことが大切です。競争戦略とは「ライバルと競争しない戦略」のことです。ポイントは「独り占め(独占・寡占)」です。こうした独占状態を競争優位と言います。

小さな組織や個人の場合、特定の狭い領域で独占的な立場を得ることで競争を避けることができます。つまり、競争優位が得られるのです。そのような競争優位はライバルにマネされにくく、さらに、顧客や社会にとって意味のある独自性を発揮することで得られます。

では、そのような独自性はどのようにすれば得られるのでしょうか?

アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは、自身の独創的な製品開発の秘訣について「点と点をつなぐ(Connecting Dots)」と説明しています。

ジョブズは製品開発において「シンプルで美しい」ことに妥協を許さなかったことで知られています。そして、ジョブズは若い頃にカリグラフィー(文字を美しくデザインする技術)を学んだことが、こうした考え方の背景にあったと言われています。

ジョブズが生み出した製品の独自性の背景には、表面的には先端技術とは無関係のカリグラフィーを学ぶことによって得た美意識があったのです。

経営学者のピーター・ドラッカーはイノベーションについて「既に存在するもの同士を結び付ける“小さな部品”を見つけること」と述べています。つまり、独自性とは既存のものの新しい結びつきを考え出すことなのです。

このようにジョブズとドラッカーは独自性について同じことをいっているのです。そして、結び付けられるもの同士が異質であればあるほど独自性が高いということになるわけです。狭い領域の知識や経験しかなければ独自性を発揮することは難しいのです。

生物学者によると、環境変化の中で生き残る可能性の高いのは、個体の中に多様性を持つ生き物だそうです。逆に一つの行動パターンしか持たない生物は変化を乗り切れない可能性が高いといいます。

独自性は異質なものの組み合わせで生まれます。独自性を生むには多様な知識が必要です。そうした知識は多様な経験、行動によって得られます。その原動力となるのは「好奇心」と言えるかもしれません。

小手先の工夫で真の独自性を生み出すことはできません。独自性には、それまでの行動やライフスタイルそのものが問われることになります。多様な行動、多様な経験がなければ新しいものを生み出すことはできないのです。

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