成果とは打率である、百発百中は曲芸である
「成果とは打率である」、「百発百中は曲芸である」。これらはともにドラッカーの言葉です。ドラッカーは成果を確率現象と捉えていました。
天才打者といわれたイチロー選手ですら、一度も打率4割には達しませんでした。つまり、6割以上の確率で成果が出なかったのです。成果には失敗がつきものなのです。成果をあげる人は、失敗を当たり前のことと捉え、前向きに行動しています。
“ドラッカー経営”を標榜するファーストリテイリング(「ユニクロ」の運営会社)の創業者・柳井正氏には「一勝九敗」というタイトルの著書があります。類のない成功者である柳井氏であっても、行動や取り組みの9割は失敗だったと考えているのです。
成功率たった1割の柳井氏が世界的な企業を作り上げたわけですから、100のチャレンジが1つ、2つうまくいくだけでも、それなりの成果にはなりそうです。成果をあげる人は、この点をよく理解しています。
「ミス」は正しくないことなのでゼロにすべきです。しかし、「失敗」はチャレンジしたけれど、うまくいかなかったという意味です。チャレンジに失敗はつきものです。成功するためには「失敗」は適切に増やさなければなりません。
私たちに必要なのはチャレンジの習慣です。それは、「失敗」の習慣化と同じ意味になります。