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もうだめ脱却記 残業代請求編最終回 裁判を戦い抜いて、自分で自分を助けることができた

残業代が出ない会社を辞めて転職することに成功した私は、残業代を取り返すために会社を訴えて裁判を起こしました。

1年半近く経って、会社から和解金を支払ってもらうことで決着し、私は無事に残業代を回収することができました。

このnoteでは、人生で初めて裁判を経験した私が、裁判を振り返った内容をまとめています。

弁護士に依頼して大正解だった

まず振り返って一番に思うことは、残業代請求を弁護士に依頼して大正解だったということです。

本当は「残業代払ってください」という交渉で済めば良かったのですが、相手がマジで常識の通じないブラック企業だったので、ガッツリ裁判まで持ち込みました。

noteではあんまり書いてませんでしたが、相手は意味不明な主張を本気でしていて、中には弁護士がマジギレするレベルの主張もありました。

せっかくなので、弁護士が打ち合わせで言っていたパワーワード集を掲載しておきます。

「わけのわからない主張」

「前衛的な主張」

「自分で自分の主張を理解していない」

「(不当な主張で)今まで弁護士をしてきて最も強い怒りと憤りを覚えた」

「(不当な主張で)ブチギレ過ぎて周りの弁護士が引いてた」

「(不当な主張で)裁判官からの心証を悪くして、愚かなことをした」


私の担当した弁護士は、普段から訴訟案件を担当している人で、殺人犯の弁護とか離婚調停みたいなハードな事件を複数担当していてマジで大変そうでした(特に離婚調停は精神的に大変みたいです)。

私の残業代よりもこの人の業務負荷を軽減する方が先じゃないかなと本気で思いました。

そんな弁護士は、私の事件では不当な主張にはしっかりとブチギレながら、「前衛的な主張」に対して完璧に反論して、私にとって有利な和解の条件を裁判官から獲得してくれました。やっぱりプロは違うなと思いました。

選んだ法律事務所が正解だった

残業代請求するに当たって、生まれて初めて弁護士事務所を探したのですが、結果からいうとアタリだったと思います。

仕事帰りに直接会って打ち合わせできるよう、会社からなるべく近い事務所を選んでいたので、1年半という長期間の戦いでも苦になりませんでした。

また、複数の弁護士の集合知が活かせるのではないかと規模の大きな法律事務所を選んでいたのも正解でした。

というのも、どうやら弁護士にとっては「裁判官がどんな人か」という情報はある程度重要らしく、事務所の弁護士同士で「この裁判官はこの事件ではこういう判断をした」という情報を共有して、準備書面を書くときの参考にしていました。

裁判官は公平中立な立場を守るために3年に1回のペースで異動するらしく、私が訴訟提起した時も新たな裁判官が赴任してきたばかりだったので、他の事件の判断を参考にして、主張の仕方を変えていました。やっぱりプロは違うなと思いました。

残業代を全力で取り返しに行って正解だった

私は、新卒で就職活動をした時に、あらゆる会社にお祈りされまくっていたところを、ある会社に拾われました。

そして、その会社を途中で辞め、弁護士を雇って「残業代を払え」と全力で歯向かっていきました。

残業代を支払わないブラック企業とはいえ、お世話になった会社と敵対することに後ろめたい気持ちがない訳ではありませんでした。

しかし、お世話になったことは、未払いの残業代を請求せずそのままにしておく理由にはならないと思い、過去の自分を救う思いで残業代請求を行いました。

結果、会社は弁護士がブチギレするレベルの主張を寄こしてきたので、後ろめたさは完全にどっかにいっちゃいました。

自分を100%の力で助けられるのは自分だけだと気付いた

やってみて分かりましたが、裁判は孤独な戦いです。

裁判は、弁護士や裁判官といった法律のプロと、当事者だけが関わることのできる世界であり、頼れるのは弁護士と自分自身のみです。

残業代を回収して、自分自身を助けるんだ」という気持ちがなければ、気持ちを強く持って会社と対峙することは難しかったと思います。

残業代が払われない!みたいな、自分だけが一方的に不当な扱いを受けていると感じていて、相談できる人がいないようなときは、自分自身が助かる方法を考えて、自分自身を大切にしてあげるといいことがあるかも知れない。残業代請求を通して、私は大きな学びを得たのでした。


もうだめ脱却記 残業代請求編



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